ウーパールーパーを繁殖させるためには、冬眠を経験させる必要があります。
ウーパールーパーの繁殖・養殖の方法、産卵方法などを解説します。
ウーパールーパーの養殖のためには冬眠が必要
野生では冬眠を経て繁殖期に入るため、本能的に気温を下げないと発情期に入らないためです。
そのため、10度から5度くらいの温度で1ヶ月ほど飼育する必要があります。
冬場はヒーターなしで飼育するか、冷蔵庫に入れる前に温度を測るなどの対策をして、しばらく低温に当てておく必要があります。
冬を越したら、オスとメスを同じ水槽に入れ、水草などの産卵床を入れると産卵を始めます。
オスは成熟すると股の部分(排泄口と呼ばれる)で簡単に見分けることができます。
卵はしばらくすると孵化するため、食べないように注意しながらブラインシュリンプやミジンコなどの生き餌を与えましょう。
ウーパールーパーの卵について
同じ両生類であるカエルの卵によく似ています。
ここではウーパールーパーの卵について説明します。
ウーパールーパーの卵の構造
卵の中心には、ウーパールーパーの元となる「核」があり、その周囲は「卵膜」と呼ばれる透明な殻で覆われています。
ウーパールーパーの卵は二重構造になっており、卵膜はさらにゼリーコートと呼ばれる「ゼリー状の粘膜」に囲まれています。
ちなみに、ゼリーコートは卵を守るためにあるのですが、弱く割れやすいのが難点です。
膜が破れた卵から生まれたウーパールーパーは小さく、体が弱いなどの問題が起こりやすいとされています。
卵の色について
ウーパールーパーの卵には様々な色があり、親の体色によって決まります。
例えば、両親の体色が金色であれば、卵はやや黄色がかった色になります。
また、両親がアルビノの場合、色は白になり、リューシスティックとゴールデンの場合、色は緑がかった黒になります。
ただし、卵の色とウーパールーパーの体色には関係はなく、卵の色と体色は必ずしも一致しません。
そのため、黒い卵からアルビノの卵、金色の卵、大理石の卵が生まれることもあります。
ウーパールーパーの卵の変化|無精卵の見分け方
産卵から約1週間目
約1週間目になると、どの卵が成長しているのか、どの卵が未受精卵なのかがはっきりしてきます形が変わっている卵が受精卵(成長中)、丸い卵が未受精卵です。
無精卵は腐り続けるので取り除かなければなりません。
産卵から約2週間目
産卵から約2週間目以降、形が細長くなります。
無精卵や死んでカビが生えた卵は徐々に取り除きます。
ここから徐々に大きくなり、卵の中で尾を巻いている個体が増えてきます。
産卵から約20日目
目とお腹が見えるようになったため、あと数日で孵化します。
無精卵や死んでカビた卵を少しずつ取り除きます。
産卵から約24日目
成長の早い個体はすでに羽化を始めています。
刺激を与えたり、直射日光に当てると活発に動き回り、羽化します。
ウーパールーパーが一度に産む卵の数
ウーパールーパーが一度に産む卵の数は200~600個で、一般的な産卵数は年に1~3回程度です。
また、産卵数には個体差があり、産卵経験の多い若いメスほど多くの卵を産みます。
ただし、産卵中に触ったり大きな音を立てたりすると、メスは驚いて産卵を途中でやめてしまうことがあります。
他の卵の成長に悪影響を与えないためにも、色が濁っている卵は早めにスポイトで吸い取って取り除く必要があります。
ウーパールーパーのメスの産卵方法
受精卵が体内に入ると、メスは産卵に適した場所を探し始めます。
ウーパールーパーが産卵する主な場所は以下の通りです。
・隠れ家としてのタコツボ
また、水槽内に酸素を送り込む「エアレーションチューブ」も卵を産み付けるのに適しています。
メスは後ろ足で産卵場所につかまり、ゼリー状の粘膜に包まれた卵をひとつずつ産みます。
産卵は2~3日かけて少しずつ行われ、出産後はメスは水槽の底や隠れ家でじっとして休みます。
ウーパールーパーの卵の選別と処理
ウーパールーパーは生後6ヶ月ほどで繁殖が可能になりますが、初産で産む卵の数は少ないです。
特に生後1年未満のメスが初めて産む卵は、未受精卵など不安定な状態であることが多く、孵化率も低いでしょう。
成長しなかった卵は徐々に腐敗し、水質を悪化させるため、放置しないようにしましょう。
⇒⇒【こちらの記事もオススメ】
ウーパールーパーと混泳できる魚は?熱帯魚や金魚は一緒に飼える?
ウーパールーパーに合う水草は?おすすめの水草の種類