アオジタトカゲはペットとして人気の高いトカゲで、飼育に慣れた人が繁殖に挑戦するケースも多いです。
しかし、アオジタトカゲの繁殖は経験者でも難しく、失敗すると個体の体に悪影響を及ぼすこともあります。
今回は、そんなアオジタトカゲの繁殖について解説します。
アオジタトカゲの繁殖方法
アオジタトカゲの飼育に慣れると、複数飼育・繁殖に挑戦する人が多いと言われています。
しかし、アオジタトカゲはもともと単独で行動する生き物です。
トカゲの中では比較的おとなしい性格といわれていますが、同じ種類を複数飼育するとケンカによる怪我のリスクが高くなります。
繁殖期のみ同居させる
アオジタトカゲを繁殖させる場合も、一般的には個体ごとに飼育し、繁殖期のみ同居させるのが良いと言われています。
アオジタトカゲは気性が少し荒いため、繁殖期のみ多頭飼いすることがおすすめです。
強い個体が餌を独占したり弱い個体が餌を食べれなくなることもあるため注意しましょう。
また、アオジタトカゲを繁殖させる場合は、まずオスとメスを用意する必要がありますが、オスとメスの見分けは難しいと言われています。
初心者が見分けるのは難しいため、信頼できるプロに任せるしかないですが、繁殖期には雌雄の見分けがつくことも多いです。
アオジタトカゲのオスメス判別方法!
①頭部の一番広いところの幅
②鼻先から総排泄孔まで
③腕から足までの体幹
④体重
上記の4つを測りましょう。
「HをSVLで割ったH/SVL %」「HをTで割ったH/T %」を算出します。
メス13.20-13.94
オス15.35-15.99
上記の数字から、1 %上がると25.89倍オスの可能性が高まります。しかし、確実ではありません。
メスの栄養が重要
オスとメスを揃え、繁殖を成功させるためには日頃の管理が大切です。
特にアオジタトカゲは卵胎生なため、メスの栄養が足りないと丈夫な卵を産むことができず、母体にも影響が出ると言われています。
トカゲは冬眠や冷え込みの後に繁殖期を迎えるため、冬眠に備える前にしっかり餌を与えて太らせておくことが大切です。
アオジタトカゲ繁殖のための飼育方法
繁殖のためには、ケージ内の光周期を変化させます。
トカゲは日照時間や気温、降雨量の変化から季節の変化を感じ取ることができます。
そのため、ケージ内の照明の点灯時間を夏は12時間程度、冬は8時間程度に変えることをおすすめします。
また、野生のトカゲは梅雨のある地域に生息していることが多いため、雨の量も季節感を感じさせる大切な要素です。
湿度や温度管理をするクーリング
霧吹きなどでケージ内に水分を与えるのも良いですが、湿度が高くなりすぎるのも良くないため、霧吹きの量や頻度には気をつけましょう。
さらに、トカゲの繁殖には温度変化が最も重要だといわれています。
繁殖は冬眠後に行われるため、冬は温度を下げるクーリングをして、冬眠を誘発させる必要があります。
また、冬眠中は個体の安全のため、常に5℃前後を保つことが重要です。
1℃を下回ると凍結の危険性があり、10℃を超えると目覚めても動けなくなり体力が低下します。
できればサーモスタットで温度調節するのが望ましいといわれています。
冬眠から覚めたらアオジタトカゲの繁殖開始
無事に冬眠から覚めることができれば、自然と繁殖期に入るため、オスとメスを同居させて様子を見ましょう。
ただし、個体間の相性が悪い場合もあるため、すぐにケージを分けられるようにしておくとよいでしょう。
妊娠に成功した場合は、オスとメスを別々のケージに入れ、出産までメスに十分な栄養を与えるようにします。
また、生まれたばかりの若いトカゲは体力がないことが多いと言われているため、飼育には注意が必要です。
頭の幅で雄雌判別ができると言われることもありますが、信憑性は薄いでしょう。
アオジタトカゲの繁殖は慎重に検討しよう
アオジタトカゲが繁殖するためには、冬眠する必要があります。
しかし、冬眠はトカゲに限らず体力を必要とする過酷な行為です。
若い個体や体力のない個体に、無理に冬眠や繁殖をさせることは避けた方がよいでしょう。
また、冬眠中の温度管理には十分注意し、安全を確保します。
アオジタトカゲの健康を第一に考えたうえで、繁殖をするかどうか検討しましょう。