レオパードゲッコーの多頭飼い方法【自切や拒食の可能性も】注意点も解説

レオパードゲッコーの多頭飼い方法【自切や拒食の可能性も】注意点も解説

レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)は、温和な性格と飼育のしやすさから、爬虫類の中でも特に人気の高いペットです。
カラフルで個性豊かなモルフ(品種)が多いため、「違う色や模様の子を一緒に飼ってみたい」と思う飼い主さんも多いでしょう。

しかし、実はレオパードゲッコーの多頭飼いは非常にリスクが高い行為です。
やり方を誤ると、ケンカや拒食、自切(尻尾を切り落とす防衛反応)など、命に関わるトラブルに発展することもあります。

この記事では、レオパードゲッコーの多頭飼いがなぜ危険なのか、安全に飼うための条件や注意点を詳しく解説します。

レオパードゲッコーの多頭飼いは基本的におすすめできない

レオパードゲッコーは、基本的に単独飼育が適した生き物です。
野生では夜行性で単独行動を好み、他の個体と接触するのは繁殖期くらいのもの。

そのため、狭いケージ内で複数飼うと強いストレスを感じてしまいます。

ここでは、多頭飼いが推奨されない理由を詳しく見ていきましょう。

① ストレスによる拒食(餌を食べなくなる)

レオパードゲッコーは環境の変化にとても敏感で、ストレスがかかると餌を食べなくなります。
他の個体と同じケージで暮らすと、相性が悪い場合に常に緊張状態となり、
拒食・体重減少・衰弱といった悪循環に陥ることがあります。

餌を食べない日が続くと命に関わるため、異変を感じたらすぐに隔離が必要です。

② 自切(尻尾を切り落とす)やケンカによる怪我

レオパードゲッコーは、敵に襲われたときに自切という行動で尻尾を切り離し、逃げようとします。
多頭飼いでストレスを感じた場合や、他の個体に追いかけられたときにもこの行動をとることがあります。

また、ケージ内で縄張り争いが起こると、尻尾を噛まれたり体を傷つけられたりするケースも少なくありません。
尻尾には栄養分が蓄えられているため、失うと体調不良や拒食につながるリスクがあります。


③ 感染症・寄生虫のリスク

多頭飼いで最も怖いのが、病気や寄生虫の感染拡大です。
1匹が感染症を持っていた場合、他の個体へ瞬く間に広がる可能性があります。
レオパードゲッコーは見た目に異常が出にくい病気も多く、発見が遅れることもしばしばあります。

新しい個体をお迎えする際は、必ず一定期間の「隔離期間(検疫)」を設けて健康状態を確認しましょう。

レオパードゲッコーを多頭飼いしたい場合の注意点

どうしても複数のレオパードゲッコーを同じケージで飼いたい場合、
一定の条件を満たせば限定的に可能なケースもあります。

ただし、常にリスクを理解したうえで慎重に行うことが大切です。

① オス同士は絶対に一緒にしない

レオパードゲッコーのオスは、縄張り意識が非常に強く、他のオスを激しく攻撃します。
自然界では逃げ場がありますが、ケージ内では逃げられないため、
重傷を負う・命を落とすケースもあります。

そのため、オス同士の多頭飼いは絶対に避けることが鉄則です。

② オスとメスの組み合わせにも注意

オスとメスを一緒に飼うと、繁殖期以外でもオスがメスを追いかけ回し、
メスがストレスを感じて自切や拒食を起こすことがあります。

また、知らぬ間に交尾・抱卵してしまい、卵詰まり(卵が排出できなくなる症状)になる危険も。
繁殖目的で飼う場合は、交配が終わったらすぐに別々のケージへ戻しましょう。

③ 相性の良いメス同士で広めのケージを使う

比較的トラブルが少ないのは、相性の良いメス同士の組み合わせです。
ただし、90cm以上の広いケージを用意し、個々の縄張りが確保できるようにしましょう。

シェルターや隠れ家は、飼育頭数+1個以上を設置するのが理想です。
1匹が安心して休める場所を複数用意しておくことで、衝突を防げます。

また、餌やりの際は「ピンセットで個別に与える」か「餌の時間だけ仕切る」などの工夫をして、
どちらか一方が食べられない状況を避けましょう。


レオパードゲッコーの多頭飼いを成功させるための環境づくり

多頭飼いに挑戦する場合、環境づくりが最も重要です。
ここでは基本的なポイントを押さえましょう。

① 温度・湿度の管理を徹底する

レオパードゲッコーは温度変化に敏感です。
特に多頭飼いでは、1匹が快適でも別の個体には暑すぎたり寒すぎたりすることがあります。
ヒーターやサーモスタットを使い、ケージ内の温度を28〜30℃前後に保ちましょう。

湿度も重要で、乾燥しすぎると脱皮不全の原因になります。
シェルターの中に湿らせたミズゴケを入れると、快適な湿度が保てます。

② 定期的な観察と早期対応

多頭飼いでは、わずかな異変を見逃すと大きなトラブルにつながります。
毎日、食欲・排泄・行動パターンを観察し、異常があればすぐ隔離しましょう。
特に、尻尾が細くなる・体色がくすむ・隅で動かないといったサインには要注意です。


まとめ:レオパードゲッコーは基本的に単独飼育が安心

レオパードゲッコーの多頭飼いには、拒食・ケンカ・自切・感染症など多くのリスクがあります。
一緒に飼うことで癒される場面もありますが、それ以上にトラブルが起こる可能性のほうが高いです。

どうしても多頭飼いをしたい場合は、相性の良いメス同士に限定し、
十分な広さのケージと複数のシェルターを用意したうえで慎重に行いましょう。

⇒⇒【こちらの記事もオススメ】
レオパードゲッコーに部屋んぽは必要?安全な部屋んぽのやり方
レオパードゲッコーのフード/食べ物を与える際の注意点!餌代や食べさせ方も紹介

爬虫類/両生類カテゴリの最新記事