在宅勤務の労働条件は通知書が必要?就業規則の見直しについて

在宅勤務の労働条件は通知書が必要?就業規則の見直しについて

労働基準監督署では、対象の従業員とすり合わせ、労働条件通知書として書面化することを義務付けています。

在宅勤務という働き方を加えるための労働条件には通知書が必要なのか、就業規則の見直しはどうすべきかを解説します。


在宅勤務とはどこまでの範囲?

在宅勤務といっても自宅で仕事をすることだけが対象ではありません。

テレワークには他にモバイルワークやサテライトオフィスも含まれます。

在宅勤務もテレワークの中の一つの形態ですが、あくまで従業員の自宅で仕事をすることが原則です。

同じ自宅勤務でもフリーランスのような個人で仕事を請け負う働き方(在宅ワーク、SOHO)は雇用ではないため、自社の従業員のように扱わないよう注意しましょう。

労働基準法なども適用されません。

あくまでも雇用している従業員であり、自宅を勤務場所とすることがポイントです。

在宅勤務に関する注意点やポイント

●在宅勤務中にも労働基準法が適用される
●健康管理や安全管理指導も必要
●勤務中の事故であれば労災保険が適用される

通勤がないため交通費の支給は原則としていません。

しかし、業務にかかった通信費や文具購入費、光熱費などは会社が負担しなければならない

労働条件通知書と労働契約書を混同しない

労働条件通知書と労働契約書の違いを紹介します。

労働契約書とは何か?

雇用主と従業員の間で締結される契約書
一部ずつそれぞれ保管する
法的には必ず交わす必要はない

労働条件通知書とは何か?

労働基準法第15条で定められているもの
雇用主から従業員へ通知する義務のある労働条件などを記載した書類

労働基準法第15条とは?

労働時間や賃金など、労働者に明示する義務のある労働条件について定めている

在宅勤務の労働条件通知書には何を入れるべきか

労働条件通知書には、以下の項目を入れましょう。

●労働契約期間
●就業場所(在宅勤務の場合は従業員の自宅)
●業務内容
●始業と終業の時間
●休憩時間
●休日や休憩時間
●賃金の計算方法や締日と支払い日
●退職に関すること(解雇も含む)
●経費の割合や支払い方法
●緊急時の連絡方法

在宅勤務の労働条件通知書を記載する際の注意点

必ず従業員と話し合ってすり合わせを行い、両者の認識にずれがないように注意が必要です。

在宅勤務導入後も、実際に勤務するかは本人の意思です。

在宅勤務で評価が下がることを心配する従業員もいるため、評価基準などを盛り込むのもポイントだといえるでしょう。

労働条件通知書の書式とサンプル

タイトルは労働条件通知書と入れ、従業員氏名、作成日、事業者名などの他、主に次の項目を記載します。

<盛り込む内容>
●労働契約期間
●就業場所(在宅勤務の場合は従業員の自宅)
●業務内容
●始業と終業の時間
●休憩時間
●休日や休憩時間
●賃金の計算方法や締日と支払い日
●退職に関すること(解雇も含む)
●経費の割合や支払い方法
●緊急時の連絡方法

必要な内容が含まれていれば、書式に決まりはありません。雛形をネット上でダウンロードも可能です。

在宅勤務を導入する際は就業規則の変更も必要か?

通常勤務との違いがなければ変更の必要はありません。

労働時間や休日など何らかの違いがあれば変更が必要です。

変更したら管轄の労働基準監督署に届けましょう。

書類作成で困ったときの相談場所や解決方法

厚生労働省が委託しているテレワーク相談センターで相談ができます。

事業所の管轄の労働基準監督署でも相談可能です。

顧問の弁護士や社会保険労務士がいる場合は、相談して作成してもらう方法もあります。


まとめ

在宅勤務を導入する際は労働条件通知書、必要に応じて就業規則の変更も必要です。

雇用とは契約であることを頭に置き、両者の誤解がないようにきちんと決めておきましょう。

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