「ウーパールーパー成体化」という言葉自体に疑問を持つ方も多いでしょう。
そこで、ウーパールーパーの成体化や、成体になるための特徴や条件、対応などについて解説します。
ウーパールーパーの成体とは?
そもそも成体とは、個体発生の完成段階に達した成熟した生物のことです。
人間で言えば、子供から大人へと成長することを意味します。
しかし、ウーパールーパーは一般的に一生若いままです。
ウーパールーパーはいつ成体に変異するのか?
成体になるときの特徴や条件、実際に成体になったときの対処法、成体になるのかならないのかについて解説します。
成体発生の特徴
ウーパールーパーは成体になると、基本的に陸上で生活するようになるため、外見も機能も陸上に適したものになります。
見た目はサンショウウオに似ています。
水中で必要だったものが必要なくなるため、エラや網がなくなります。
一方、陸に上がることで、陸上での生活に支障がないように見えるようになります。
手足が大きくなり、まぶたができてまばたきができるようになり、肺呼吸ができるようになります。
外見以外の大きな違いは寿命です。
通常、飼育下では7年ほど生きますが、成体になると1/2~1/3ほどの大きさに縮みます。
ウーパールーパーは成魚になると黒くなる
ほとんどのウーパールーパーは幼生期に成熟します。
メディアやSNSで見かける白いのは大人ではありません。
成魚になると体色が黒く変わり、エラや網がなくなり、陸上で生活できるようになります。
ウーパールーパーが成体になる条件
成体になると陸に上がれるようになるだけではなく、寿命も短くなります。
大切なペットのためにも避けたいことですね。
そこで、成体になるための4つの条件を紹介しましょう。
水槽の水温が高い
メキシコシティの運河に生息するウーパールーパーは、寒さに強い体質のようです。
ペットとして飼う場合は低温で飼育します。
理想的な温度は5度から25度で、快適な温度は15度から20度。
暑さに弱いウーパールーパーにとって、25度以上の温度はストレスになるようです。
水温計を使用して、温度管理をしましょう。
水槽の水位が低い
ウーパールーパーを飼育するには、少なくとも20cmの水位が必要です。
しかし、水槽の水位が低く、水面から頭を出すのがやっとの状態だと、口呼吸になってしまうことがあります。
ウーパールーパーは通常、エラ呼吸と皮膚呼吸をしています。
水位が低いために、肺呼吸(口呼吸)の方がエラ呼吸よりも重要である、または楽であるとウーパールーパー自身が感じてしまうと、成体になってしまいます。
そのため、高さがある水槽を選びましょう。
水槽内のヨウ素の取りすぎ
水槽内のヨウ素が多すぎると、ウーパールーパーは成体になりやすいです。
野生のウーパールーパーはヨウ素の少ない湖に生息しています。
ウーパールーパーは通常、生涯を通じて若いままです。
しかし、ヨウ素を摂取すると甲状腺ホルモンの分泌が促進され、幼体から成体に成長する効果があります。
また、ヨウ素は基本的に中性ですが、イオン性のため酸性に傾くことがあります。
酸性化は水質汚濁の原因にもなり、成体化の原因とも考えられます。
水槽内の水質悪化
水槽の掃除が行き届いていなかったり、餌や食べ残しが腐ったりして水質が悪化します。
水質の悪化は成体になりやすい大きな原因です。
水質の悪化はウーパールーパーに大きなストレスを与えます。
激しいストレスから逃れようとした結果、陸に上がって肺呼吸をする方が楽だと感じるようになり、成体への発育が始まるのです。
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ウーパールーパーが成体に変異したらどうする?
実際にウーパールーパーが成体になったとき、驚いたり戸惑ったりするかもしれません。
しかし、ウーパールーパー自身も環境に適応しようとしています。
エラ呼吸から肺呼吸に変わるなど大きな変化もあるため、飼い主も対応を変えなければなりません。
ここでは、水槽内の環境や餌の変化について紹介します。
エサを変える
ウーパールーパーは視力があまりよくないため、幼魚のうちは生きたメダカや小魚など動く魚を好みます。
成体になっても、動くエサを好みます。
ただし、成体になると肺呼吸になるため、生きたメダカや小魚を与えるのは難しくなります。
陸上の生き物も与えるようにしましょう。
コオロギなどの昆虫がおすすめです。
水槽内の環境を変える
ウーパールーパーは成体になるとエラ呼吸から肺呼吸に変わります。
肺呼吸をするということは、若い頃のように水だけの環境では溺れてしまうということです。
陸地を作ることで対応しましょう。
しかし、ウーパールーパーは両生類なため、皮膚呼吸をするには水が必要です。
同じ水槽内に陸地と水域の両方を作るのがベストです。
カメやカエル用の水槽をイメージするとよいでしょう。
ウーパールーパーが成体にならないようにする方法
成体になるのを完全に防ぐ方法はないと言っていいでしょう。
ただし、ウーパールーパーが成体になるのは、水中での生活が困難になってからです。
快適であればウーパールーパー成体にはなりません。
水質を注意深く管理し、水位とヨウ素がないことに留意すれば、成体になる可能性は低くなります。
ウーパールーパーがウーパールーパー成体になったら止められない?
ウーパールーパー成体になり始めると止めることはできないようです。
また、幼少期に戻ることもありません。
成体は幼体からの成長であり、成長を止めることができないのは生物すべてに言えることです。
ウーパールーパーの飼育は慎重に
ウーパールーパーは基本的に水の中で生きる生き物です。
また、成体になると様々な変化が起こりますが、陸上での生活は大きな変化に違いありません。
しかし、寿命を著しく縮めることにもなります。
また、成体になっても水がなければ生きていけません。
ウーパールーパーが成体になっても、大切に育ててください。