底床/砂/ソイルなどの底質は水質を安定させ、水換えの頻度を減らし、ウーパールーパーのストレスを軽減します。
しかし、間違った底床の導入はウーパールーパーを弱らせてしまいます。
そこで、ウーパールーパーにおすすめの底床/砂/ソイルと、失敗しない底床の選び方を紹介します。
ウーパールーパー底床の選び方①ウーパールーパー用の底床の大きさ
ウーパールーパーのために砂利を選ぶ際に最も注意しなければならない点は、粒の大きさです。
ウーパールーパーは底床をエサと間違えて飲み込むことがあります。
通常、口の中でエサと砂利は分離されますが、まれにうまく分離できず、エサを丸呑みしてしまうことがあります。
また、消化のために泥や小さな砂利を喜んで飲むという説もあります。
そのため、砂利を選ぶときは、ウーパールーパーが飲み込んでもお尻から出てくるくらいの大きさのものを選びましょう。
お尻から出る大きさの目安
ウーパールーパーが排泄したそのままのウンチの大きさを見てみましょう。
内臓に負担をかけないように、ウンチの半分くらいの大きさか、さらに小さいものが良いでしょう。
大型のウーパールーパーを飼っている場合は、粒がある程度大きいものを使っても大丈夫です。
小型のウーパールーパーの場合は、ソイルの粒が小さめのものを選びましょう。
ウーパールーパー底床の選び方②水質
底床/砂/ソイルなどの基材を水に入れると、その成分が溶け出し、水の性質が変化します。
そのため、砂の種類によってはウーパールーパーに適さない水になることもあるので注意が必要です。
ウーパールーパーは様々な水質に適応できるため、ほとんどの底床に対応できますが、特に注意が必要なものを紹介します。
サンゴ砂、海由来の砂
サンゴ砂などの海由来の成分は、水質をアルカリ性に変化させます。
アルカリ性は海の生き物が好む水質であり、淡水に生息する生き物の多くは「弱酸性」という真逆の水質を好みます。
もちろん、アルカリ性の水を好む淡水の種類もありますが、全体的にはアフリカのマラウイ湖やタンガニーカ湖のような珍しい水質です。
ウーパールーパーはサンショウウオの仲間で、落ち葉や土、泥などの弱酸性の水質を好む傾向があるため、真逆でアルカリ性になるサンゴ砂は避けた方が良い。
ソイル
ソイルは土系の基材で水質を弱酸性にするもため、水質との相性はありますが、使用する際には注意が必要です。
商品にもよりますが、水槽に入れてしばらくは毒性の強いアンモニアを出すソイルもあります。
商品にもよるので一概には言えませんが、そのまま水槽に入れると毒素が出てウーパールーパーを傷めたり殺したりする危険性があります。
ソイルを使用する場合は、あらかじめ水槽にセットし、しばらく放置します。
必ず市販の測定キットで水質(アンモニアや亜硝酸)を測定し、問題がないことを確認してからウーパールーパーを入れてください。
ソイルは軽く圧縮された土なため、飲み込んでも土に崩れやすく、排泄されやすいという利点があります。
しかし、念入りに測定して問題がないことを確認しないと危険です。
崩れやすく、メンテナンスが難しい
水質とは関係ないですが、粒が崩れやすいことはメリットでもありデメリットでもあります。
ソイルは土を固めたものですが、砕けやすい粒状にすることで水草が根を張り、栄養分を吸収しやすくなります。
真新しいものでも指でつまむと崩れてしまうほど砕けやすいため、噛むと崩れてカサカサになってしまうでしょう。
崩れれば泥になり、見た目も悪いし掃除もしにくいため注意が必要です。
ウーパールーパー底床の選び方③浄化能力
底床には水を浄化する能力がありますが、これは砂粒に付着するバクテリアによるものです。
砂粒に付着したバクテリアは、糞便の汚れであるアンモニアや亜硝酸塩を、汚れの少ない硝酸塩に処理する能力を持っています。
砂利を敷き詰めると浄化能力が高まるといわれるのはこのためで、フィルターの浄化効果も同様です。
砂利がフィルターの役割を果たしていると言ってもいいでしょう。
底床を入れた場合、砂粒の形状や材質によって付着するバクテリアの量が変わってくるため、その点を考慮するとより良い砂利を選ぶことができるでしょう。
バクテリアが生息できない素材
例えば、大理石やガラスビーズでできた砂利は表面がつるつるしており、バクテリアが付着できるのは目に見える表面だけなため、ろ過能力が低いというデメリットがあります。
水をきれいに保ちたい、水換えの回数を減らしたいという場合には、ビー玉やガラスビーズなどの素材は不向きです。
光沢があり、ウーパールーパーは落ち着かないため、ストレスを軽減できません。
バクテリアに適した基質
一方、多孔質で細かい穴が開いている砂粒は表面積が大きいため、多くのバクテリアが住み着き、浄化能力が高まります。
例えば、砂粒を顕微鏡で拡大してみると、土(セラミック)を固めた砂粒にはたくさんの穴が開いています。
セラミックだけではなく、麦飯石、溶岩石、コーラルサンドなども多孔質で、浄化能力が高い基材といえるでしょう。
ウーパールーパーの底床の使用方法
底床/砂利を使用した方が良いのは間違いないのですが、ここではおすすめの使い方を紹介します。
小さいウーパールーパーは敷かなくても大丈夫
小型のウーパールーパーは排泄量が少ないため、簡易フィルター(落とし込み式、外掛け式)でカバーすることができます。
そのため、底床/砂利を敷いて水質を浄化するメリットはあまりありません。
小型のウーパールーパーは肛門が小さく、適したサイズの砂利を探すのに手間がかかるため、使用しないことをおすすめします。
大きくなったら底床を敷く
大型のウーパールーパーは排泄物の量が多く、単純なフィルターではカバーしきれなくなります。
ウーパールーパーが大きくなったら、水槽の浄化能力を高めるために底床/砂利を入れることをおすすめします。
底床がない場所で飼育する場合は、排泄物の増加に対応するため、強力な「上部フィルター」または「外部フィルター」を設置する必要があります。
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ウーパールーパーの底床は水質や誤飲に注意
ウーパールーパーの砂利を選ぶときのポイントは、万が一飲み込んでも排出できる粒の大きさであることです。
底床は水質を保つことにも役立つため、ウーパールーパーの安全を考慮して適した底床を選びしましょう。