ウーパールーパーがかかりやすい病気のひとつに、モヤモヤしたものが付いているように見える「水カビ病」があります。
今回は、水カビとは何か、その対処法、予防法について解説します。
ウーパールーパーにモヤモヤしたものが付く水カビ病とは
水カビ病とは、文字通りウーパールーパーの体にカビが生えた状態です。
一見、体に白くてモヤモヤしたものが付着しているように見えます。
ウーパールーパーの場合、四肢の末端部分やエラに発生する傾向があります。
この白いモヤモヤの正体はカビです。
原因菌そのものは、普段は環境中に存在する常在菌です。
しかし、免疫力が低下し、常在菌に対する抵抗力が弱まると、カビ菌が過剰に増殖し、水カビ病を発症します。
ウーパールーパーが水カビ病以外で白くなる理由
水温変化や水質悪化によるストレスまたはケガです。
粘膜が剥がれ、体表にある白いふわふわとしたものは剥がれた粘液です。
また、貧血や酸欠になると色が薄くなります。
さらに、アルビノ種も白い色をしています。
アルビノ種は酸化酵素の働きが不完全で、色素が形成されない個体です。
体が白っぽく、眼球が赤くなります。
ウーパールーパーが水カビ病になる原因
ウーパールーパーが水カビ病になる原因は、主に2つあります。
水が汚い
まず考えられるのは、飼育環境の悪化です。
水槽が汚れていたり、水温が適切でなかったり、エサの食べ残しや糞が残っていたりすると、カビが繁殖しやすくなります。
なお、水が澄んでいても水質が悪い場合があります。
栄養不足
エサのバランスが悪かったり、水温が適温でなかったりすると、ウーパールーパーの免疫力が低下し、体に傷があるとカビや細菌が侵入することがあります。
このような状態が重なると、真菌に感染して皮膚病になることもあります。
ウーパールーパーが水カビ病を発症した場合の対処法
ウーパールーパーの水カビ病の原因は、飼育環境の悪さが主な原因です。
ここからは、もしウーパールーパーが水カビ病を発症してしまった場合の治し方と、ウーパールーパーの環境を改善するためにできることを紹介します。
もしウーパールーパーが水カビ病に感染してしまったら、放っておかずに原因を突き止め、治療をしましょう。
ろ過バクテリアを増やす
ろ過バクテリアが不足すると、ウーパールーパーの食べ残しやフンから発生するアンモニアや亜硝酸を処理できず、水が汚れてしまいます。
水カビ病が発症した場合は、このろ過バクテリアを増やす必要があります。
濾過バクテリアは濾材や濾過器の底の砂利に着生します。
砂利がない場合は、砂利を入れるか、大きめのフィルターを使うか、ろ材を多く入れられる上部式や外掛け式のフィルターに変えましょう。
バクテリアを注入するためのバクテリア剤も販売されていますが、これらを投与するだけではバクテリアは定着しません。
バクテリアが住み着く場所を増やすことが大切です。
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カビを取る
悪化を防ぐためにカビを取り除く治療法もあります。
ウーパールーパーの体表面はカビに侵されているため、無理にエラからカビを取ろうとすると、体の柔らかい部分も一緒に取れてしまう可能性があります。
できるだけ早い段階でカビを除去するようにしましょう。
カビを除去する際は、冷やしたピンセットや冷たい指を使い、慎重に優しく行ってください。
不安な場合は、ウーパールーパーを診察できる動物病院で処置をしてもらいましょう。
また、フィルターなど水槽の一部にカビが付着している場合は、徹底的に除去する必要があります。
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毎日水を換える
ウーパールーパーの水カビ病が治るまでは、毎日水を換えることが大切です。
カビがこれ以上繁殖しないように、水中のカビの量を減らし、清潔な環境を保つことが大切です。
なお、ろ過されたバクテリアを保持するために、飼育水の1/2~1/3程度を残して毎日水を交換します。
水の量や回数を変える必要があるため、水温の調整を忘れないように注意します。
水温調整がうまくいかないと、ウーパールーパーの体に負担がかかり、免疫力がさらに低下してしまいます。
ウーパールーパーの水カビ病の予防法
水カビ病は一度発症すると完治までに時間がかかる病気です。
ウーパールーパーが水カビ病にならないためには、水質を含めた飼育環境を整えることが大切です。
ここからは、日頃から気をつけるべきことを解説していきます。
流木のアク抜き
水槽に流木を入れると、流木からアクがにじみ出て飼育水を変色させることがあります。
アクが強いとpHなどの水質が変化させるほか、流木にカビ菌が付着している可能性もあります。
きれいな水で育てるためには、流木を水槽に入れる前に汚れを落とし、アクを取り除きましょう。
浸け置きの場合は数週間かかるため、活性炭や市販のアク抜き剤を使うと簡単です。
なお、ウーパールーパーは皮膚が柔らかいので、体を傷つけるような硬い装飾品は避けたほうがよいでしょう。
水草などの柔らかい素材を選ぶことをおすすめします。
エアレーションも大切
水温が上がると水中の酸素濃度が下がり、ウーパールーパーの体に負担がかかります。
エアレーションに水温を下げる効果はあまりないですが、ウーパールーパーの健康には重要な要素です。
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水温の調整
ウーパールーパーが生きていくのに最適な水温は約15~20℃です。
寒さには強いですが、暑さには弱いといわれているため、夏でも25℃前後を保ちましょう。
水温が高いと水が汚れて腐りやすくなり、カビが生えやすくなります。
夏場は室内クーラーをつける、水槽用扇風機を設置する、水槽用クーラーをつけるなどして水温を低く保つようにしましょう。