マンション大規模修繕の足場は必須?足場設置のメリット|費用の計算方法

マンション大規模修繕の足場は必須?足場設置のメリット|費用の計算方法

マンションの大規模修繕工事では足場を設置しますが、足場設置費用は工事全体の10~20%といわれています。

マンションの外壁塗装や修繕工事などを効率的かつ安全に行うためには、足場が欠かせません。

しかし、マンションの戸数にもよって異なるものの、足場設置費用は数百万円かかることも珍しくなく、少しでもコストを抑えたいと考えるでしょう。

ここでは、マンションの大規模修繕工事で使われる足場について、相場やコストダウンの方法などを徹底解説するほか、足場工事を行う際の注意点についても解説します。


マンション大規模修繕工事で足場は必須

マンションの大規模修繕工事では、足場を設置して外壁塗装や補修などの外装工事を行います。

マンションそのものが非常に大きい建物であり、工事中に足場が必要なことは容易に理解できますが、ほにも様々な理由があります。

最初に、大規模修繕工事で足場が必須といわれる理由を確認しておきましょう。

円滑に大規模修繕を進める

足場を組むことで、外壁の補修工事の際、高所や隅々まで移動できます。

例えば、外壁塗装をする場合、足場が安定していないと仕上がりが悪くなります。

細かい作業であっても、目の前のことに集中できるため、スムーズに工事を進めることができます。

複数の作業員が同時に作業できるため、作業の効率化、工期の短縮につながり、無駄な経費もかかりません。

安全に工事ができる

マンションの外壁工事を行う場合、高所でも作業員が安心して工事を進められるよう、安全性を確保する必要があります。

マンションの大規模修繕工事では、何度も建物を昇り降りしなければならないことがありますが、足場を設置しておけば安定した状態を保つことができ、転落などの事故を未然に防ぐことができます。

もちろん、工事中は作業員や関係者だけではなく、マンションの居住者も安全・安心に過ごさなければなりません。

また、足場は上からの作業用具の落下を防ぐという意味でも重要です。


事故やトラブルの予防

足場は、養生シート(飛散防止シート)とセットで設置し、作業員の落下事故や塗料の飛散やなど、居住者や通行人のトラブルや事故を未然に防ぐことができます。

しかし、未然に防ぐために重要な養生シート(飛散防止シート)は、足場がなければ設置できません。

そのため、足場の設置は、作業員はもちろん居住者や通行人の安全を守るためにも大切です。

マンション大規模修繕の足場費用相場

1回目の工事、2回目の工事、3回目工事と内容は異なりますが、一般的に大規模修繕工事の足場代は20~30%です。

しかし、具体的なデータでは、工事の回数によって、総工費に占める足場代の割合に違いが出てきます。

ここでは、足場の相場、足場の種類と平米単価、足場費用の計算方法を紹介します。

足場の設置費用

足場費用は種類によって異なります。

枠組み足場:1,000円〜1,500円/㎡
クサビ緊結式足場:800円〜1,200円
単管(たんかん)足場:500円~800円
吊り足場:3,500円~
先行足場:外部足場+㎡単価400円~
移動式足場:1日あたり1段1,500~8,000円

なお、足場を利用して工事を行う場合は、落下物の飛散を最小限に抑えるための飛散防止シート費用(1平方メートルあたり150~200円)がかかります。

足場費用の計算方法

足場費用の計算式は次のとおりです。

施工面積×単価
施工面積は(建物外周+8m)×高さ

足場はマンションの外壁から離して建物を囲むように設置するため、外周に8mが加算されます。

単管と躯体では、2~3倍異なります。

同じ種類の建物であっても、高さのある建物ほど高くなるのです。

建物によって足場費用は変わる

足場の㎡単価は、足場の種類や施工条件、施工場所によって異なります。

一般的に、建物が大きくなるほど価格は高いです。

さらに、建物が大きくなればなるほど、足場の組み立てや解体にかかる証明時間も長くなり、コストも高くなります。

足場の設置にかかる時間

戸建・低層マンションの場合は、1~2日、1日程度で撤去完了です。

中高層マンションの場合は、1週間~10日程度、2日程度で撤去完了します。


マンション大規模修繕の足場の種類

マンションの大規模修繕工事では、工事が始まるとまず足場の設置が行われます。

しかし、足場にはいくつかの種類があり、工事内容やマンションの形状に合わせて選ばなければなりません。

ここでは、足場の種類を紹介します。

枠組足場

マンションの大規模修繕工事で使用されることが多い足場です。

部材を枠状に溶接して組み立てることが特徴で、強度が高く、組み立てが非常にスムーズというメリットがあります。

また、作業員用の足場は長さ60cm程度であり、安心して作業ができます。

ただし、部品を仮置きする場所が必要であり、広い敷地が必要です。

移動式足場

枠組足場と並んで、大規模修繕工事の足場として使われることが多いです。

足場の下部にキャスターが付いた足場で、天井や壁、照明、空調などの修繕で使用されることが多いです。

様々な大きさの支柱と部材を組み合わせた足場で、自由度が非常に高く、複雑な形状や狭いマンション敷地でも使用できます。

ただし、施工時にハンマーで叩いて組み立てるため、音が大きいことがデメリットです。

また、費用はメーカーやオプションによって大きく異なります。

単管ブラケット足場

単管と呼ばれる鉄パイプを組み合わせて設置する足場の一種で、最も古い足場です。

非常にシンプルな構造であるため、足場の形状を柔軟に変えることができ、狭い場所でも使用できるという利点があります。

シンプルで比較的簡単に設置でき、低層マンションに適した足場です。

狭いスペースでも設置できる点がメリットですが、床はないため安全性や強度は比較的低いといえるでしょう。

さらに、作業ペースが狭いため、他の足場を使用する場合よりも施工に時間がかかる場合があります。

クサビ緊結式足場

クサビ緊結式足場は、低・中層の建物や狭いスペースでよく使われます。

組立や解体が簡単でコストパフォーマンスがよいですが、ハンマーを使用するため、設置・解体時の音が大きいです。

吊り足場

鉄パイプやチェーンなどで足場板を吊り、上から吊り下げて組み立てる足場です。

主に道路や橋梁で使用されますが、足場の設置が難しい高層マンションの大規模修繕工事などで設置されることもあります。

地面との接点がなく不安定で、設置には経験と技術力が求められます。


先行手すり

通常は足場が建物の高さに応じて段階的に増設されます。

先行手すりは、あらかじめ建物の完成高さまで足場を組んでから工事を始める方法で、迅速に工事を行いたい場合に使われます。

手すりをつけたまま安全に作業ができるため、足場が必要な工事現場で採用されています。

足場設置を含め、大規模修繕工事全体の費用に対するコストパフォーマンスが高い施工業者を選びましょう。

ライフハックカテゴリの最新記事