セーターが縮んだ【素材別の原因と伸ばす対処法】縮みを予防する洗い方

セーターが縮んだ【素材別の原因と伸ばす対処法】縮みを予防する洗い方

家庭用の洗濯機でセーターを洗ったら、サイズが縮んだという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

基本的にセーターは洗うと縮みやすいため、洗い方に工夫が必要です。

そこで、縮んでしまったセーターを元に戻す方法や、セーターが縮むのを防ぐ洗濯方法を紹介します。

今まさにセーターを縮ませてしまった人もぜひ参考にしてみてください。


素材別!セーターの素材と縮む原因

セーターが縮む原因は、洗濯ではなく素材にあります。

たいていの素材は洗うと縮む要素を持っています。

それぞれの素材の特徴をよく知っておくことで、元に戻す方法も理解できるでしょう。

主な素材と、縮む原因を紹介します。

動物性の天然繊維

動物性の天然繊維とは、文字通り動物からとれる繊維のことです。

主な繊維として、羊の毛であるウールやアンゴラ、カシミール地方のヤギの毛を使ったカシミヤ、蚕の繭から作ったシルク、さらにアルパカなどがあります。

動物性の天然繊維は人間の髪が持つキューティクルと同じような構造をしており、水に濡れると開く性質を持っています。

洗濯すると濡れた繊維のキューティクルが広がり、他の繊維と絡み合ってしまいます。

そのまま乾くと他の繊維から離れられず、ぎゅっと閉じるのです。

こうした現象はフェルト化と呼ばれており、洗濯によって動物性の天然繊維が縮む原因です。

植物性の天然繊維

植物性の天然繊維とは、植物から取れる繊維のことです。

主な繊維として、多く利用されている綿のほか、さらっとした肌触りの麻などがあります。

綿は水を吸収するとふやけて繊維が太く短くなり、乾燥後は長さが元に戻らずに縮んでしまうことが多いです。

また、麻は綿よりも縮みやすいといわれています。

化学繊維

化学繊維とは、化学的プロセスによって人工的に製造した繊維のことです。

化学繊維のひとつに合成繊維と呼ばれるものがあり、ポリエステルやナイロン、アクリルなどがあります。

いずれも吸湿性が低いので洗うだけでは縮みません。

しかし、耐熱性が低いため、タンブラー乾燥やアイロンの熱が原因で縮むことがあります。

また、木材パルプを原料としてシルクのような繊維を持つレーヨンも、化学繊維のひとつで再生繊維と呼ばれます。

水を含むと繊維が湾曲して太くなり、乾燥後は湾曲部分がもとに戻らずに縮んでしまいます。

縮んだセーターを元に戻す方法

洗濯でセーターが縮んでしまっても、元に戻すことができます。

ただし、戻す方法は繊維ごとに異なるので注意が必要です。

縮んでしまったセーターの繊維を確認して、紹介する方法を試してみましょう。

動物性の天然繊維

ヘアトリートメントなどを使って繊維のキューティクルを開くと、繊維に潤いが生まれ、縮んで絡み合った繊維をほどくことができます。

手順は次のとおりです。

①洗面台や大きめの洗面器に40度くらいのお湯を張る
②トリートメントを適量とってお湯に溶かす
③縮んだセーターを30分程度漬け置きする
④セーターを全体的にやさしく引っ張って、もとの大きさに戻す
⑤軽く絞ったあと、バスタオルなどを使って水気を取る

形を整えて、平干し用のネットを使って陰干しすれば完了です。

化学繊維や植物性の天然繊維

化学繊維や植物性の天然繊維は、アイロンを使うと元の大きさに戻せます。

手順は次のとおりです。

①セーターを1度お湯に漬ける
②脱水して乾燥させる
③縮んだ部分をしっかりと伸ばしながら、スチームアイロンを1cmほど浮かせて当てる

一気に伸ばすのではなく、少しずつ伸ばしながらアイロンを当てるのを繰り返し、伸ばす範囲を広げていくイメージで行いましょう。

動物性の天然繊維が一部混じっている

セーターの繊維にウールやアクリルなどが混ざっている場合は、混紡の割合でどちらの方法にするか決めるのではなく、動物性の天然繊維を戻す方法を選びます。

一般的に、動物性の天然繊維のほうがデリケートであり、アイロンがけするのはリスクが大きいです。

ただし、必ずしもうまくいくとは限らないので、様子を見ながら慎重に行うことが大切です。

セーターを洗濯する前の確認事項

セーターを洗う前には、いくつか注意しておきたい点があります。

きちんと注意点を守って洗濯すれば、縮みを予防できるのはもちろん、長くセーターの品質を保つことにもつながるでしょう。

主な注意点を紹介します。

セーターの洗濯の頻度

セーターは素肌の上に直接着るよりも、インナーやシャツの上に着ることの方が多いです。

そのため、頻繁に洗濯する必要はありません。

洗いすぎると、かえって傷や毛玉を作る原因になります。

洗濯の頻度としては、1カ月に1回程度がおすすめです。

ただし、汚れや匂いがある場合は、放置するとシミになったり、匂いが取れにくくなったりするので、その都度洗濯しましょう。

洗濯表示の確認

セーターが洗濯できるかどうかは、タグに付いた洗濯表示を見ればわかります。

手洗いマークや洗濯機マークがあれば、自分で洗濯できます。

逆に、マークがない場合は水洗いできないので、クリーニング店などへ依頼しましょう。

海外製で洗濯表示が見当たらないときは、使用されている生地を目安にします。

カシミヤ、皮、シルク、レーヨン、キュプラ、アセテートなどが一部でも使われていると、水洗いは難しいです。

なお、裏地やポケットに使われていることもあるので注意しましょう。

洗濯機よりも手洗い!自分で洗濯する時のポイント

大切なセーターを縮ませることなく洗濯するためにも、紹介するいくつかのポイントをきちんと守りましょう。

毎日洗濯する必要もないので少しずつ慣れていけば問題ありません。

セーターは手洗いが基本

セーターに洗濯機マークが付いている場合でも、自分で洗濯する場合は手洗いしましょう。

洗濯機に入れて回すと、毛玉ができやすくなります。

手洗いの手順は次のとおりです。

①洗剤を溶かした水にセーターを畳んで入れて、両手でそっと押す
②セーター全体に洗剤がしみこんだら、やさしく押し洗いを繰り返す
③洗い終えたら、セーターに刺激を与えないように水ですすぐ
④すすいだ水が濁らなくなるまで続ける

すすぎ後はタオルなどにセーターを挟み、両手で軽く叩くなどして脱水して、完了です。

中性洗剤を使用する

セーターの洗濯には、塩素系やアルカリ系の洗剤は使用できません。

生地を傷めたり、質感を変えてしまったりすることがあるためです。

必ず、中性洗剤を使用します。

セーターに使える中性洗剤が販売されているため、パッケージなどの説明をよく読んで選びましょう。

メーカーごとにさまざまな効果を謳っているものの、基本的にどの中性洗剤を選んでも問題りません。

心配な場合は、縮みや色落ちを防止する効果を表示しているものを選ぶのがおすすめです。

水やぬるま湯での洗濯する

ウールはお湯で洗濯すると、びっくりするくらい縮んでしまうことがあります。

凍えるような冷水も毛糸同士が絡む原因となり、セーターを縮ませてしまうでしょう。

また、化学繊維は熱に弱く、お湯で伸びてしまう可能性があります。

セーターの洗濯では、水やぬるま湯を使うのがおすすめです。

目安の温度は30度程度で、手を漬けたときに不快に感じない温度であれば問題ありません。

平干し用ネットで陰干しする

セーターの洗濯を終えたあとは、必ず陰干しします。

日向に干すと、色落ちする可能性があるためです。

特に、白いセーターの場合は黄ばんでしまうリスクもあります。

また、ハンガーは使用しないことも大切です。

水分を吸ったセーターは重いため、ハンガーを使うと自重で型崩れや伸びを起こしてしまいます。

平干し用のネットを使い、風通しの良い場所で横にして干すのがベストでしょう。

セーターの手洗いは難しい!洗濯機を使う場合の注意点

家庭用の洗濯機でセーターを洗ったら、サイズが縮んだという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。そこで、縮んでしまったセーターを元に戻す方法や、セーターが縮むのを防ぐ洗濯方法を紹介します。

洗濯機が使えるセーターもあるので、どうしても手洗いが難しい場合は洗濯機を利用しましょう。

ポイントは先に紹介したもの以外にも2点あります。

洗濯機を使う場合の注意点を紹介します。

ていねいに洗うコースを選択する

摩擦を与えてセーターの繊維に傷を付けないようにするためにも、洗濯機は一番やさしく丁寧に洗うコースを選びます。

多くの洗濯機には、ドライコースや手洗いコース、あるいは「ていねい」といった機能があります。

こうしたコースや機能は流水がやさしく、むやみに回らないようになっているので、繊維を傷めることがありません。

また、すすぎの回数を選択できる場合は少なめにすること、もしくは1回のみに設定します。

洗濯用ネットを使う

洗濯する前に、セーターからゴミやホコリを取り除き、必ず洗濯ネットに入れて洗います。

ネットに入れることで、繊維への刺激を抑えることができます。

しかし、たとえ洗濯ネットに入れても、セーターとネットがこすれるため、毛玉の発生を完全に防ぐのは難しいでしょう。

ネットに入れるときはセーターを裏返しにして畳んで入れるのがおすすめです。

こちらのランドリーネットは3サイズあり、衣類の大きさや用途に応じて選べる優れもの。

トラベルバッグにもなるなど、旅行時にも使いやすいです。

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セーターの保管方法にも気を配る

干して完全に乾いたあとは、馬毛などの洋服ブラシを使ってやさしくブラッシングしたあと、丁寧に畳みます。

型崩れや跡が付くのをできるだけ防ぐためにも、畳む際にはなるべく折る箇所を少なくして、ふわっと畳みましょう。

せっかくのふんわり感が失われてしまうため、衣類ケースへ収納するときは、狭いところへ詰め込みすぎないようにすることが大切です。

スペースがとれない場合は圧縮袋を使うと良いでしょう。

防虫剤の成分は上から下に流れるので、防虫剤を一番上に置くこともポイントです。

洗濯方法に注意してセーターを長持ちさせよう

たとえセーターが縮んだ場合でも、紹介した方法を使えば元に戻すことができます。

しかし、洗い方に注意していれば、そうそうセーターが縮むことはないといえます。

特に、お気に入りのセーターなら長く愛用したいものですね。

紹介した洗濯のポイントをよく理解し、できるだけ長持ちさせられるように意識してみましょう。

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