レンズの屈折率といっても、あまりピンとこない人も多いのではないでしょうか。
屈折率はメガネのレンズ選びにおいて重要なポイントです。
そこで、レンズの屈折率やレンズの種類を紹介します。
屈折率とは?
光は、ある物質から違う物質を通るとき、境界の部分で屈折するという性質があります。
この屈折の度合いを数値化したものが、屈折率です。
光は物質に厚みがあるほど、通過するときに大きく屈折するという特性があります。
ほとんどのメガネショップでは、数字によって屈折率を表記しています。
屈折率の数字が大きいほど、屈折率が高いということです。(屈折率1.5よりも1.74のほうが屈折率が高い)
メガネと屈折率の関係
各屈折率のレンズを同じ距離で焦点が合うようにすると、屈折率が高い素材は、低い素材に比べて厚みを抑えることができます。
そのため、屈折率が高いほど、レンズの厚みを抑え、薄いレンズを作ることが可能になるのです。
一般的なメガネショップで取り扱っているレンズの屈折率の範囲は、1.50~1.74程度で。
先述したように、屈折率は、素材によって変わります。
屈折率の高いレンズを使ってできるだけ薄型のメガネを作りたい場合は、プラスチック製のレンズではなくガラス製のレンズを選ぶとよいでしょう。
単焦点レンズと累進レンズ
メガネレンズには大きく分けて「単焦点レンズ」と「累進レンズ」の2種類のレンズに分けることができます。
一般的に「見えにくくなった」と感じて作るレンズの場合は、単焦点レンズを使用します。
単焦点レンズは、一般的に用いられるレンズで、1枚のレンズに1つの補正機能を持つレンズのことです。
そのため、単焦点レンズは、1つの視力補正しかできません。
累進レンズと呼ばれるレンズは、一般的に「遠近両用」と呼ばれるレンズのことです。
1枚のレンズで、遠くから手元まで見えるように設計されているレンズのため、複数の視力補正が可能です。
メガネのレンズの種類
メガネのレンズは、先述した2種類の中で、さらに3種類のレンズがに分けられます。
そのレンズの種類を紹介します。
1:球面レンズ
球面レンズとは、レンズを横から見たときに、丸くカーブを描くような形に設計されているレンズのこと。
球面レンズは、非球面レンズに比べて、比較的安価なので一般的に使われているレンズです。
球面レンズには、レンズの外側に行くほど、ゆがみが大きくなるというデメリットがあります。
ただし、小さなフレームであれば外側部分がカットされ、それほどゆがみは発生しません。
球面レンズを使用する場合には、フレームの大きさを工夫するとよいでしょう。
2:非球面レンズ
非球面レンズとは、レンズ外面のカーブを非球面に設計しているレンズのこと。
球面レンズに比べて、薄くてゆがみが少ないことが特徴です。
その反面、球面レンズよりも価格が高くなりやすいというデメリットがあります。
球面レンズと比べて、周辺部の歪みが少なく、薄くて軽いレンズに仕上げることが可能。
そのため、近年は非球面レンズが主流になっています。
3:両面非球面レンズ
「両面非球面レンズ」は、レンズのカーブが外面内面ともに非球面(まっすぐ)になっている、比較的新しい設計のレンズ。
非球面設計がレンズの両面に施されているので、球面レンズよりも、さらにボヤケや歪みが少なくなるという特徴があります。
乱視が強い人や、周辺部の見え方にこだわる人に適しています。
また、視力補正の度数が強く、メガネをかけたときの顔の輪郭のズレを少しでも抑えたい人にもおすすめです。
屈折率が高いレンズのデメリット
これまでの説明を見る限りだと、屈折率が高ければ高いほど良いと思ってしまうが、屈折率が高いレンズにはデメリットも存在します。
屈折率が高いレンズのデメリットのひとつが、「歪んで見える部分が生じてしまう」ということ。
屈折率が高いレンズは歪みの面積が広いため、ゆがんでいる部分から見続けていると、目が疲れやすく、頭痛などの原因にもなってしまいます。
また、屈折率が高いほど、レンズが重くなってしまったり、色のにじみが出やすくなったりしてしまう、というデメリットもあります。
あまり度数が強くないレンズの場合には、屈折率の高さによってレンズの厚みがほとんど変わらないこともあります。
そのため、屈折率の高さよりも、自分の視力に合った屈折率のレンズを選ぶことが大切です。
レンズの特性を理解して最適な屈折率のレンズを選ぼう
あらためて、屈折率を高くすれば、薄いレンズを作れます。
レンズを選ぶ際には、自分の視力にあった屈折率の範囲でレンズを選びましょう。