無駄吠えが少なく、おおらかな性格の狆は、日本の住宅事情にも合いやすく、近年人気が高まっている犬種です。
絹のように柔らかく、長く美しい被毛も狆の大きな魅力の一つですが、一緒に暮らす上で「狆はどのくらい毛が抜けるの?」「毎日のケアはどうすればいいの?」といった抜け毛に関する疑問や不安を抱える飼い主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、狆の抜け毛の量とその特性を詳しく解説し、美しい被毛を健康に保つための具体的なケア方法を分かりやすくご紹介します。
さらに、抜け毛対策におすすめのアイテムや、日々のケアを通じた狆とのコミュニケーションの秘訣まで、飼い主さんが知っておくべき情報を網羅しています。
自分の愛犬、狆との快適な毎日をサポートするために、ぜひ最後までお読みください。
狆の抜け毛の量:心配は無用?その特性を徹底解説
狆を飼う上で気になる「抜け毛」ですが、結論から言うと、狆は比較的毛が抜ける量が少ない犬種に分類されます。
しかし、「全く抜けない」わけではありません。
他の犬種と同様に、抜け毛が増える時期や、日々の適切なケアが求められます。
狆の被毛タイプ「シングルコート」とは?
犬の被毛には大きく分けて「ダブルコート」と「シングルコート」の2種類があります。
狆の被毛は「シングルコート」と呼ばれ、これが抜け毛の少なさの理由の一つです。
シングルコートの犬種は、換毛期に大量の抜け毛が出る「アンダーコート(下毛)」を持たず、オーバーコート(上毛)のみで構成されています。
そのため、年中一定量の抜け毛はありますが、ごっそり毛が抜ける換毛期がほとんどありません。
狆の被毛は、まさに「絹のような手触り」と形容される、細く長いオーバーコートが特徴です。
一方、ダブルコートの犬種は、オーバーコートの下に、保温性の高い密なアンダーコートを持つ犬種です。
換毛期(春と秋)には、このアンダーコートが大量に抜け落ちるため、非常に多くの抜け毛が発生します。
柴犬やゴールデンレトリーバーなどが代表的です。
このように、狆がシングルコートであるため、ダブルコートの犬種のような季節ごとの大量の抜け毛に悩まされることは少ないでしょう。
しかし、毛が長い特性上、絡まりやすく、毛玉ができやすいという側面もあります。
これが、日々のケアが重要になる理由です。
狆の美しい被毛を保つ!日常の抜け毛ケアとブラッシングの秘訣
狆の抜け毛は少ないとはいえ、その美しい被毛を健康に保ち、絡まりや毛玉を防ぐためには、日々の適切なケアが不可欠です。
特にブラッシングは、狆の被毛ケアの基本中の基本となります。
日々のブラッシングが狆の被毛を守る
狆の毛は絡まりやすく、毛玉ができると皮膚の通気性が悪くなり、皮膚病の原因になったり、狆自身が不快に感じたりします。
そのため、定期的なブラッシングで抜け毛を取り除き、毛並みを整えることが非常に大切です。
毎日行うのが理想ですが、少なくとも2〜3日に一度は全身を丁寧にブラッシングしてあげましょう。
\\狆の絡まりやすい被毛を優しくときほぐし、抜け毛を取り除きます。皮膚に優しいソフトタイプがおすすめです。//
\\毛並みを整え、美しいツヤを出すための必需品。静電気を抑えてブラッシングを快適に。//
ブラッシングの正しい手順とポイント
長い被毛を持つ狆のブラッシングは、毛先から少しずつブラシを入れていくのが鉄則です。
根元からいきなりブラシを入れると、毛玉や絡まりに引っかかってしまい、無理に引っ張ることで狆に痛みを与えたり、毛が切れたりする原因になります。
優しく毛先をほぐすように進め、少しずつ根元に向かってブラッシング範囲を広げていきましょう。
首周り、背中、お腹、足、しっぽなど、体の各部位を丁寧にブラッシングします。
特に、脇の下や股関節の内側、耳の後ろなど、擦れやすい部分は毛玉ができやすいので、念入りにチェックしましょう。
ブラシは必ず犬用に作られたものを選びましょう。
狆の細く柔らかい被毛とデリケートな皮膚に合ったブラシを選ぶことが重要です。
ブラシの毛先が丸くなっているものや、ピンが柔らかいものを選ぶと、皮膚を傷つけずにブラッシングできます。
狆の被毛ケアにおすすめのアイテム
狆の美しい被毛を保つために、いくつかおすすめのケアアイテムがあります。
スリッカーブラシは、比較的長毛の犬種に適しており、絡まりや抜け毛を効率的に取り除けます。
ピンが細かく並んでいるので、皮膚に直接当たらないよう優しく使いましょう。
ピンブラシは、毛を整えたり、毛並みを艶やかにしたりするのに適しています。
普段使いにおすすめです。
コーム(粗目と細目)は、ブラッシングの仕上げや、細かい毛玉の確認に使います。
特に、顔周りや足先など、デリケートな部分のチェックに便利です。
グルーミングスプレーは、ブラッシング前に軽くスプレーすることで、毛の絡まりを軽減し、静電気を防ぎ、被毛に潤いを与えます。
「毛が抜ける量が多い」と感じる時期や、普段のブラッシングに加えて、「トリミングブラシ」と呼ばれる特定のブラシも有効です。
例えば、「ファーミネーター」に代表されるようなアンダーコートを除去するタイプのブラシは、シングルコートの狆には不向きなことが多いですが、毛根がやせた死毛や不要な毛を絡めとるタイプのブラシは、狆の毛質に合ったものを選べば有効活用できます。
これらの特殊なブラシは、毛を切るのではなく、不要な毛だけを毛根から刃に絡めて抜き取るため、狆に痛みを与えることなくケアが可能です。
\\狆のデリケートな皮膚と被毛に優しい、低刺激性の犬用シャンプーです。艶やかな被毛を保ちます。//
狆の抜け毛ケアと健康管理:より快適な共生のために
抜け毛ケアは、単に部屋を清潔に保つだけでなく、狆の健康管理にも直結します。
日々のケアを通じて、狆との絆を深め、異変に早期に気づけるようになりましょう。
抜け毛から読み取る狆の健康状態
狆は比較的抜け毛が少ない犬種ですが、突然抜け毛が増えたり、部分的に毛が薄くなったりする場合は、皮膚病やアレルギー、ホルモンバランスの乱れなど、何らかの健康問題が隠れている可能性があります。
ブラッシングの際に、皮膚に赤み、フケ、かゆみ、しこりなどがないか、細かくチェックすることも大切です。
もし、いつもと違う抜け毛の量や皮膚の状態に気づいたら、早めに動物病院を受診しましょう。
シャンプーの適切な頻度と方法
狆の被毛は長いため、定期的なシャンプーも重要です。
シャンプーの頻度は、室内飼育で汚れが気にならなければ、月に1回程度が目安です。
洗いすぎは皮膚の乾燥を招くことがあるので注意しましょう。
シャンプー前に、必ず全身をブラッシングして毛玉をほぐしておきます。
シャンプー剤は、犬用の低刺激性シャンプーを使用しましょう。
洗い方は、ぬるま湯で全身をしっかりと濡らし、シャンプーを泡立てて優しく洗います。
特に汚れがたまりやすいお腹や足、口周りは丁寧に洗いましょう。
すすぎは、シャンプー成分が残らないように、念入りにすすぎます。
これが不十分だと皮膚トラブルの原因になります。
乾燥は、シャンプー後は、タオルドライでしっかりと水気を切り、ドライヤーで根元から完全に乾かします。
生乾きは皮膚病の原因になるため厳禁です。
\\シャンプー後の乾燥は皮膚病予防に重要です。効率よく乾かせる静音・速乾タイプで、狆の負担を減らしましょう。//
日常的なコミュニケーションの重要性
ブラッシングは、単なる抜け毛ケアにとどまりません。
狆がブラシに慣れるためだけでなく、飼い主と狆との大切なコミュニケーションの時間にもなります。
優しく話しかけながらブラッシングすることで、狆はリラックスし、飼い主への信頼感を深めることができます。
子犬のうちからブラッシングを習慣づけ、「ブラッシングは気持ちいいこと」と覚えさせることで、大人になってもスムーズにケアができるようになります。
日々の触れ合いを通じて、狆の体調の変化にも気づきやすくなるでしょう。
狆の美しさを保ち、健康な毎日を支える抜け毛ケア
狆は、比較的毛が抜ける量が少ないシングルコートの犬種であり、日頃からの適切なブラッシングによって、大量の抜け毛に悩まされることはほとんどありません。
絹のような美しい被毛を保つためには、毛先から丁寧にブラッシングすること、そして適切なブラシを選ぶことが鍵となります。
また、抜け毛ケアは、単に外見の美しさを保つだけでなく、皮膚病の予防や全身の健康チェックにも繋がる大切な時間です。
日々のケアを通じて、狆との絆を深め、些細な体調の変化にも気づけるようになりましょう。
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