リスザルの寄生虫の病気とは?症状と感染した時の対処法・治療法

リスザルの寄生虫の病気とは?症状と感染した時の対処法・治療法

リスザルは、トリコモナス・ホミニスと呼ばれる寄生虫の病気にかかることがあります。

命に関わることや、ほかの動物に感染することもあるため、注意しなければなりません。

そこで、リスザルの寄生虫の病気、症状や治療法を紹介します。


リスザルが感染する寄生虫とは

リスザルが感染する寄生虫の病気として、腸トリコモナス症が挙げられます。
腸トリコモナス症はトリコモナス・ホミニスという原虫によって引き起こされる病気です。

腸トリコモナスは糞便を摂取することで感染します。

しかし、免疫系に異常がなく健康な状態のリスザルであれば、腸トリコモナスに感染しても症状が出ることは少ないと言われています。

ただし、トリコモナス膣炎は、特に若いときや何らかの理由で免疫力が低下したときに発症することがあります。

腸トリコモナスに感染していても、症状が現れないこともあります。

どんな症状に注意が必要か、一緒に確認してみましょう。

下痢などの消化器症状

腸トリコモナスは大腸や盲腸などの大腸に寄生します。

大人のリスザルでは無症状のことが多いです。

しかし、若齢や高齢で免疫力が低下していると発症することがあります。

感染するとほとんどが下痢などの症状を起こします。

大腸に寄生するため大腸炎を起こし、以下のような症状が見られます。

●水様性の下痢
●血便
●粘液便
●脱水

下痢になると、食欲や元気がなくなります。

肛門が腫れる

腸が肛門からはみ出します。

下痢がひどくなると、腸が肛門からはみ出す直腸脱になることがあります。

混合感染を起こす

他の原虫、寄生虫、細菌、ウイルスとの混合感染を起こすことがあります。

例えば、ジアルジア、イソポーラ、回虫などです。

これらの寄生虫と混合感染している場合、トリコモナス腸炎を治療しても症状が治らないことがあります。

また、パルボウイルスやコロナウイルスなど、感染すると消化器症状を起こすウイルス感染症にも注意が必要です。

特に子供のリスザルは重症化しやすく、入院治療が必要になることもあります。

場合によっては、無治療でも死亡することがあります。



リスザルの寄生虫!腸トリコモナス症の原因

トリコモナス症は、ペンタトリコモナス・ホミニス(Pentatrichomonas hominis)という原虫によって引き起こされる腸の病気です。

腸トリコモナスは長い運動毛(鞭毛)を持ち、腸内を移動できます。

トリコモナス腸炎は細菌よりも大きいと言われていますが、顕微鏡がなければ見ることはできません。

腸トリコモナスはリスザルだけでなく、多くの脊椎動物に感染します。

経口感染

腸トリコモナスに汚染された糞便を摂取することで感染します。

腸トリコモナスは特定の条件下では、数日間体外で生活することができます。

そのため、その間は足や被毛に付着し、舐めただけでも感染します。

これを「経口感染」といいます。

症状がないからといって、感染していないとは限りません!

感染していても無症状の動物が感染源になることもあります。

リスザルの寄生虫の病気の治療法と費用

リスザルの寄生虫の病気は、便検査で感染の有無を調べます。

腸トリコモナスは便検査での検出率が高いとは言えません。

検出率を上げるためには、新鮮な便を検査する必要があります。

持ち込まれた便を調べるのではなく、肛門から直接採取した便を調べるのです。

それでも見つからないことが多いので、何度か検査を繰り返します。

トリコモナス症の場合、他の寄生虫や細菌と混合感染している可能性があります。

そのため、一緒に治療する必要があります。

抗菌薬の投与

一般的にはメトロニダゾールとチニダゾールという薬が投与されます。

しかし、これらの薬剤は非常に苦く、飲み込みにくいという欠点があります。

そのため、投与に際しては注意が必要です。

症状が治まったように見えても、中途半端に投薬を中止すべきではありません。

投与期間を守り、確実に投与することが重要です。

対症療法を行う

リスザルの寄生虫の病気は、激しい下痢による脱水で悪化することがあります。

そのため、輸液療法が必要になることがあります。

また、整腸剤や抗生物質の服用、食べない場合は強制給餌が必要になることもあります。

リスザルの寄生虫の病気の治療費

検査と治療にかかる費用は、重症でなければ1週間の投薬で平均5,000~8,000円程度です。

ただし、体重や病状、使用する薬によって異なりますので、あくまでも目安です。

重度になれば点滴など治療方法も変わってきます。

場合によっては入院が必要になり、治療費が高額になることもあります。



リスザルの寄生虫の病気の予防

リスザルの寄生虫の病気は、虫を含んだ糞便を摂取することで感染します。

感染犬の糞便の取り扱いには十分な注意が必要です。

散歩の際には他の動物の糞便に近づけないようにしましょう。

隔離

トリコモナス腸炎に感染したリスザルが同じ環境で生活すると、他の動物に感染する可能性があります。

感染したリスザルを隔離し、他のペットとの接触を避けましょう。

清掃の徹底

ウンチの始末は素早く、徹底的に行うことが大切です。

また、トイレや敷物もよく洗いましょう。

多頭飼いの場合はトイレの数を増やす必要もあります。



リスザルの寄生虫の病気を防ごう

リスザルの寄生虫の病気であるトリコモナス腸炎は、子供に発症しやすい原虫ですが、早期発見すれば重症化することはありません。

予防に勝る治療はないといわれているため、定期的に検便をする方法が有効です。

気になる兆候が見られたら、早めに動物病院へ相談しましょう。

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