介護の現場では、利用者やその家族から心ない言葉を向けられることがあります。
怒鳴られる、人格を否定される、理不尽な要求とともに暴言を浴びせられると、「仕事だから仕方ない」と思いながらも心は確実に傷つきます。
我慢を重ねるほど、仕事への自信ややりがいが失われていくケースも少なくありません。
この記事では、利用者や家族から暴言を受けたときに、介護職が自分を守るために知っておきたい対策と考え方を、現場視点で丁寧に解説します。
ホームヘルパー2級(訪問介護員2級養成研修課程修了)。
訪問・デイサービス・介護施設を見てきた経験あり。
家族の介護経験も活かして記事を作ります。
利用者や家族から暴言が起こる背景を知る
暴言を受けたとき、まず理解しておきたいのは、その言葉の背景です。
理由を知ることで、感情を切り離して対応しやすくなります。
不安や不満が言葉として表に出るケース
介護を受ける立場や家族は、将来への不安や生活の変化に強いストレスを抱えています。
その行き場のない感情が、介護職への暴言として現れることがあります。
暴言の多くは、あなた個人を否定する意図だけで発せられているわけではないという視点を持つことで、必要以上に自分を責めずに済みます。
立場の違いによる認識のズレ
利用者や家族は「サービスを受ける側」、介護職は「支援を提供する側」という立場の違いがあります。
その中で期待がすれ違うと、不満が攻撃的な言葉になりやすくなります。
認識のズレが暴言につながることも多いのが現場の実情です。
利用者や家族の暴言に我慢し続けるリスク
「介護の仕事だから」「相手は弱い立場だから」と我慢を続けることは、美徳のように思われがちです。
しかし、我慢には明確な限界があります。
心身への影響が積み重なる
暴言を日常的に受け続けると、不安感や緊張が抜けなくなり、出勤前に体調を崩す人もいます。
言葉の暴力も、立派なハラスメントであり、放置してよいものではありません。
支援の質が低下する可能性
心が疲弊した状態では、利用者に対して余裕のある関わりが難しくなります。
結果として、サービス全体の質が下がり、別のトラブルを生むこともあります。
介護職が守られない環境は、良い介護につながらないという視点が重要です。
利用者や家族から暴言を受けたときの基本的な対策
暴言を受けた瞬間、どう行動するかで状況は大きく変わります。
感情的にならず、自分を守る対応を選びましょう。
その場で言い返さず、距離を取る
強い言葉を浴びせられると、反射的に言い返したくなるものです。
しかし、感情的な応酬は状況を悪化させます。
まずは距離を取り、冷静さを保つことが最優先です。
事実として記録し、共有する
いつ、誰から、どのような言葉を受けたのかを、できるだけ具体的に記録します。
感情ではなく事実として整理することで、事業所内での対応がしやすくなります。
記録は自分を守るための大切な手段です。
事業所と連携して行う利用者・家族の暴言対策
介護職個人で暴言問題を解決する必要はありません。
組織としての対応が不可欠です。
管理者や責任者への早めの相談
「これくらいで相談していいのだろうか」と迷う必要はありません。
暴言を受けた時点で共有することが、問題を長期化させないポイントです。
相談は弱さではなく、業務上の正当な行動です。
支援体制や関わり方の見直し
場合によっては、担当変更や関わり方のルール化が行われることもあります。
第三者が介入することで、利用者や家族の態度が落ち着くケースも少なくありません。
環境を整えることも立派な対策です。
暴言を受けたあとに大切にしたい心のケア
暴言はその場で終わっても、心に残り続けることがあります。
自分の感情を置き去りにしないことが大切です。
「自分が悪かった」と思い込まない
真面目な人ほど、「対応が悪かったのでは」と自分を責めがちです。
しかし、暴言を正当化できる理由は存在しないということを忘れないでください。
安心して話せる相手を持つ
同僚や上司、信頼できる人に気持ちを話すことで、感情は整理されます。
介護の仕事は孤立しやすいからこそ、言葉にして外に出すことが心の回復につながります。
【まとめ】利用者や家族の暴言から自分を守ることも介護の一部
利用者や家族からの暴言は、介護職の努力や人柄とは無関係に起こることがあります。
我慢し続けることがプロ意識ではありません。
冷静に状況を整理し、事業所と連携しながら対策を取ることが、自分を守り、結果として良い介護につながります。
介護職が安心して働ける環境こそが、質の高い支援を支えるということを忘れないでください。