世界中に沢山の種類が存在するチーズですが、「発酵させている」ということ以外にどの様な方法で作られているのでしょうか。
チーズは発酵させてできる食品ではありますが、種類によって作業工程が異なります。
国内で特に人気のある、ゴーダチーズとモッツアレラチーズができるまでの細かな流れを紹介します。
チーズは牛乳からできる
チーズの原材料は牛乳です。
まずは工場に牛乳が搬入されるとことから始まります。
基本的にはステンレスの缶に入った牛乳が運び込まれます。
この牛乳は、工場内部の入り口で容器を移し、チーズバットへ入れ替えます。
チーズバットとは、二重構造の鍋の事です。
このチーズバットの内側にある鍋の邦には牛乳が入り、外側にある鍋の方にはお湯が入ります。
チーズバットでは徹底した温度管理を行いながら、65度のお湯を維持して30分という時間を掛け十分に殺菌します。
ゴーダチーズとモッツアレラチーズは乳酸菌と酵素を付ける
チーズバットでの殺菌が終わった牛乳は冷やします。
十分に冷えた牛乳に、「スターター」と呼ばれる乳酸菌もしくは特殊なカビ菌を付けます。
スターターは、発酵させるための乳酸菌です。
国内で量産するチーズの場合は特殊なカビ菌使用するケースは少なく、スターターを利用するケースが多いです。
スターターを付けた後は、酸度を計測して酵素を付けます。
酵素は「レンネット」と呼ばれるものであり、これは牛乳を凝固させる作用があります。
ゴーダチーズとモッツアレラチーズを専用カッターでカットする
適度に固めたところで、専用のカッターを使用して切ります。
チーズの種類によって、切る際の細かさが異なる点がポイントです。
モッツァレラチーズを作る場合には1cm角ほどに切り、ゴーダチーズを作る場合には更に細かく切ります。
切っているうちに、分離して行くため、水分を抜きます。
この後の工程によって、どちらのチーズになるのかが決まります。
ゴーダチーズの形成
まずはゴーダチーズができるまでを紹介します。
あらかじめ布を敷いておいたザルに、水分を抜いたチーズの原型を入れ、重しを載せた状態で20分程度待ちます。
作りたい形のプラスチック容器に詰め替えたら、さらに重しを乗せて水分を抜きながら形を作ります。
1個につき4kg程の石を5個乗せますが、この際に重さが均一になるよう注意が必要です。
30分に一度、チーズの上下を変えて、水分量を均一にします。
室温10度、湿度80%の熟成専用倉庫で2ヶ月以上置くと、ゴーダチーズが完成です。
モッツアレラチーズができるまで
モッツアレラチーズの場合、温度は40度程度を維持した状態で放置します。
チーズには弾力が出るため、中の水分を切った後にお湯に入れます。
お湯に入れた状態で、まずは人間の手で素早く練ります。
表面に滑らかさが出てきたところで、円形になるよう手でちぎります。
その後、冷水で冷やした後、塩水に入れておきます。
表面の水分をふき取り、容器に移し替えて完成です。
ゴーダチーズとモッツアレラチーズができるまでの工程は異なる
種類に関わらず、途中までの工程はどのチーズでも同じです。
しかし、ある程度固まった後の工程はゴーダチーズとモッツアレラチーズで異なります。
人間の手で丁寧に作られるため、様々な料理に加えるだけではなく、チーズだけを味わって食べる事もおすすめです。