在宅でおむつ交換をしていると、気をつけて装着したつもりでも時間が経つとおむつがゆるみ、気づけばシーツや衣類まで濡れてしまうことがあります。
とくに夜間や長時間同じ姿勢が続く場合は、おむつのずれや漏れが起きやすく、本人の不快感を取り除くためにも、家族の負担を軽くするためにも、正しい固定方法を知ることが大切になります。
おむつ交換と聞くと手順が難しそうに感じられますが、ポイントを理解すれば誰でも確実に装着できるようになり、毎日の介護が驚くほど安定します。
ここでは、家族介護者でも実践しやすい方法を中心に、専門職が普段使っているコツも交えながら説明していきます。
ホームヘルパー2級(訪問介護員2級養成研修課程修了)。
訪問・デイサービス・介護施設を見てきた経験あり。
家族の介護経験も活かして記事を作ります。
おむつ交換の固定方法が重要な理由と、ずれない装着の基本
おむつの固定方法が適切でないと、本人が動いたときや寝返りをうった際に隙間ができてしまい、それが漏れや肌トラブルの原因につながります。
とくに寝たきりや体の可動域が狭い方の場合は、姿勢が安定しないままおむつを装着してしまうことがあり、知らないうちにテープが浮いてしまうケースも多いものです。
おむつがずれると肌が湿った状態になり、かぶれや褥瘡のリスクも高まります。
つまり、おむつを正しく固定するという行為そのものが、本人の生活の質を守る大切なケアだといえるのです。
ずれないおむつ交換のために知っておきたい体の向きとフィットの感覚
ずれないように装着するためには、まず体の向きが非常に重要になります。
寝たままのおむつ交換では片側に軽く向いてもらう姿勢が基本ですが、このとき身体がねじれた状態で装着すると、どんなにテープをしっかりとめても負荷がかかって外れやすくなります。
身体を横に向けてもらったら、背中側のシートが適切な位置にきているかを確認し、シワがない状態にしておくことで、後から動いてもフィット感が失われにくくなります。
装着の際は、股ぐり(足の付け根)にしっかりフィットさせることがずれ防止の最大のポイントになります。
股ぐりの隙間をなくすように手でやさしく整え、足の付け根に沿ってフィットする感覚を覚えていくと、おむつの固定が安定し、動いても外れにくくなります。
おむつ交換の固定方法で意識したい「粘着テープ」の扱い
おむつ交換が難しいと感じる方の多くは、テープの扱い方が原因になっていることがあります。
テープの角度や位置は見た目以上に重要で、間違った貼り方をすると身体の動きに合わせてテープが浮きやすくなります。
また、粘着テープは貼り直しができるタイプが多いものの、初めにずれた位置で固定してしまうと、その後のフィット感が大きく変わってしまいます。
ここでは、家族介護者が特に気をつけたいポイントを専門的な視点から分かりやすく説明します。
粘着テープを「上向き・下向き」で使い分けることでずれない固定につながる
テープは上側と下側の役割が異なっており、上のテープはおむつを身体に引き寄せて固定し、下のテープは足まわりをフィットさせて隙間を作らないために使います。
この違いを意識せずに貼ってしまうと、どうしても身体との密着が弱くなり、動くたびにおむつが緩む原因になります。
とくに下側のテープは角度が重要で、足の付け根に向かって斜め上に貼ることで、股ぐりにしっかり沿わせることができます。
ここが甘いと本人が少し動いただけで隙間ができてしまい、その結果、漏れにつながることがあります。
逆に、上側のテープはまっすぐ貼るのではなく、身体に巻きつけるように軽く引き寄せて貼ることで、おむつ全体が身体から離れにくくなり、長時間の使用でも安定感が続きます。
こうしたテープの貼り方の違いを意識するだけで、おむつ交換の仕上がりが見違えるほど安定し、毎日の交換がスムーズになっていく感覚を実感できるようになります。
おむつ交換をずれないようにするための固定方法と福祉用具の併用
おむつがどうしてもずれてしまうと悩む方は多いのですが、実は身体状況によってはおむつ単体の調整だけでは安定が難しい場合があります。
寝返りが多い方、筋力が低下している方、太ももの形状が細くなっている方などは、福祉用具を併用することで装着が安定し、ずれや漏れを大幅に減らすことができます。
在宅介護では、おむつそのものを変えるより、福祉用具の工夫で改善するケースも少なくありません。
ここからは必ずしも専門的すぎず、家族でも使いやすい工夫にしぼって紹介していきます。
ずれを防ぐための「腹巻き」「カバー類」など、家庭でできる固定方法の工夫
おむつがどうしても緩んでしまう場合、腹巻きや薄いおむつカバーを上から重ねることで、身体とおむつの一体感が高まり、ずれ防止として非常に効果があります。
これは専門職でもよく使う方法で、在宅でも簡単に取り入れられる工夫の一つです。
とくに夜間は体温が下がりやすく、お腹まわりに汗をかきにくくなるため、テープの粘着力が落ちてしまうことがあります。
そんなときは腹巻きで保温しながらおむつを支えることで、テープが浮きにくくなり、結果的に漏れの防止にもつながります。
また、太ももが細くフィットしにくい方の場合は、ギャザー部分をしっかり立てておくことが重要で、ここが寝ているだけで漏れの原因になります。
ギャザーを指で軽く引き上げながら整えるだけでも吸収面が正しく働き、ずれが起こりにくくなります。
難しい技術ではありませんが、毎回このひと手間をかけておむつ交換をすることで、仕上がりの安定性が大きく変わります。
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おむつ交換の固定方法を改善するための観察ポイントと、ずれにくくする習慣
おむつがずれる原因は装着技術だけでなく、身体の動き方や普段の姿勢のクセによっても変わります。
本人の体格や筋力、反り返りのクセなどをじっくり見ていくと、どの部分がずれやすいのかが自然と見えてきます。
おむつ交換は毎日の作業だからこそ、ちょっとした観察がとても大切で、気づいた変化をもとに固定方法を調整することで、より安定した装着ができるようになります。
「ずれるタイミング」を知ることで改善ポイントが明確になる
ずれを解消するためには、どのタイミングでおむつがずれているのかを知ることが大きな手がかりになります。
起き上がるときにずれるのか、寝返りのときにずれるのか、座っている時間が長いときにずれるのかによって、必要な対策はまったく異なります。
例えば、寝返りのときにずれる場合は、股ぐりのフィットが不十分の可能性がありますし、座っているときにずれる場合は、お腹側のテープの角度や締め具合が不適切なケースがあります。
こうした観察を続けていくと、どの部分を工夫したらよいのかが明確になり、おむつ交換の技術が自然と上達していく実感につながります。
ずれないおむつ交換は「身体に合わせた固定方法」と「小さな習慣」で安定する
おむつ交換は毎日の介護の中でも負担の大きいケアですが、固定方法のポイントを理解していくことで驚くほど安定し、ずれや漏れが起きにくくなります。
身体へのフィット感、テープの角度、腹巻きなどの工夫、そして観察による調整という、小さな習慣を積み重ねるだけで、在宅介護でも専門職に近い仕上がりを再現できるようになります。
おむつがずれないということは、本人の快適さだけでなく、介護者の負担軽減にもつながる大切なケアです。
今日からできる工夫をぜひ取り入れ、より安定したおむつ交換を実現してみてください。
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