クレステッドゲッコーが動かないのはなぜ?動かない原因と対策・対処法

クレステッドゲッコーが動かないのはなぜ?動かない原因と対策・対処法

クレステッドゲッコーは、ペットとして人気が高まっているヤモリの一種ですが、「動かない」という状況に直面したとき、多くの飼い主さんは困惑します。

元々おとなしく臆病な性格のクレステッドゲッコーは、動かない時間が長いことも珍しくありませんが、場合によっては健康上の問題や飼育環境の不備が関係している可能性があります。

本記事では、クレステッドゲッコーが動かない理由と、それぞれの背景、そして適切な対処法について詳しく掘り下げていきます。

クレステッドゲッコーが動かないのは性格や生活リズムが関係している

クレステッドゲッコーは夜行性のため、昼間は動かずにじっとしていることが一般的です。

これは決して異常な行動ではなく、むしろ健康な証拠といえる場合もあります。

特に日中の時間帯に観察すると、まるで置物のように動かない姿を目にするかもしれません。

しかし、夜になっても動かず、餌にも興味を示さないようであれば、他の要因を疑う必要があるでしょう。

このようにクレステッドゲッコーの行動には個体差がありますが、夜になっても動きが鈍い、またはまったく動かないという状態は要注意です。

活動時間であるはずの夜にさえ動かないとすれば、それは体調不良の前兆や、ストレスによる問題かもしれません。

臆病な性格が動かない行動に表れることもある

クレステッドゲッコーは臆病な動物です。

飼育環境に慣れていなかったり、飼い主の手が頻繁に入るような環境では、警戒心から身を潜めて動かなくなることがあります。

これはストレス反応のひとつであり、安心できる隠れ家の設置や、過剰な接触を避けることで改善が見込めます。

クレステッドゲッコーが動かない理由として、飼い主の関わり方にも注目する必要があるのです。


飼育環境の不備がクレステッドゲッコーの活動を妨げている可能性

飼育ケージ内の温度や湿度、照明の環境が適正でない場合、クレステッドゲッコーは極端に動かなくなることがあります。

たとえば、温度が低すぎると代謝が落ち、身体が動かしにくくなります。

逆に高温すぎても活動が鈍り、ひたすら物陰に潜り込むような姿勢を見せることがあるのです。

理想的な温度はおおよそ22~26℃、湿度は60~80%が目安となります。

これを大きく外れた状態が続くと、クレステッドゲッコーはじっと動かなくなり、消化不良や脱皮不全を引き起こすこともあります。

照明や隠れ家の位置が行動に影響を与える

照明の位置や明るさも、クレステッドゲッコーの動きに関係します。

強すぎる照明や、常時点灯しているケージでは、夜行性のリズムが崩れ、活動が抑制される可能性があるのです。

また、安心できる隠れ家がない環境では、ストレスが蓄積されて活動性が下がるというケースも確認されています。

クレステッドゲッコーが動かない場合、ケージの中に目立たない変化が起きていないか、よく観察することが大切です。

健康上のトラブルが「動かない」というサインとして現れる

クレステッドゲッコーが突然動かなくなる場合、もっとも注意すべきなのは病気やケガです。

最も多いのは、脱水症状や消化不良、代謝性骨疾患(MBD)といったトラブルです。

これらの病気は、外見から判断しにくいこともありますが、動かない、じっとしている、食欲がないといった症状で現れることが多くなっています。

特にMBDはカルシウム不足によって骨が弱くなる病気で、クレステッドゲッコーの動きが鈍くなるだけでなく、歩行困難になることもあるため注意が必要です。

病気の兆候を見逃さないためには日頃の観察が重要

クレステッドゲッコーは体調が悪くても、それを外に出す動物ではありません。

異変に気付けるかどうかは、飼い主さんの観察力にかかっています。

食欲の低下、脱皮の失敗、排泄の不調などの兆候とともに、「動かない」という行動が現れた場合は、すぐに爬虫類専門の獣医師に相談することが重要です。

特に長期間動かない状態が続く場合は、自己判断せず、専門家の診察を仰ぎましょう


季節の変化や繁殖期も行動に影響する要因となる

クレステッドゲッコーは外気温に敏感であり、季節の変化に影響されることもあります。

冬場には活動量が自然と落ちる傾向があり、動かない時間が増えることもあります。

これは野生の行動パターンを反映した自然な変化とも考えられますが、飼育下では加温や保温管理によってある程度の調整が必要です。

また、繁殖期においてもオスのクレステッドゲッコーが突然動かなくなったり、逆に過剰に動き回ることがあります。

これは性ホルモンの影響による行動変化であり、特に単独飼育でメスの存在がない場合に顕著になります。

季節や繁殖状態の違いが、クレステッドゲッコーの行動に大きく影響を与えることを理解しておくと、異変への対処もしやすくなるでしょう。

気温の変動を読み取り、年間を通して快適な環境を維持する

飼い主さんは、外気温の変化に合わせてケージ内の環境を調整する役目を担っています。

夏と冬とで必要なケアが異なるように、動かないというサインが季節特有のものである可能性を見極める視点も重要です。

加温器具やサーモスタットの活用によって、年間を通じて一定の温度環境を保つことが、活動的な生活の鍵となります

クレステッドゲッコーが動かないときの正しい対応とは

クレステッドゲッコーが動かない状況に出会ったとき、飼い主さんが慌てて触ったり、無理に動かそうとするのは避けるべきです。

まずは「いつから動かないのか」「他に異変はないか」「環境に変化があったか」を冷静に確認し、記録しておくことが重要です。

そのうえで、必要に応じて温度や湿度の見直し、ケージ内の掃除、餌の見直しなどを行います。

それでも改善が見られない場合は、医療的な対応を含めた判断が必要となるため、できるだけ早く信頼できる獣医師のもとを訪れることが勧められます。

飼い主さんの焦りは、かえってクレステッドゲッコーのストレスにつながるため、落ち着いて対応しましょう。

変化に気づき、素早く行動することが安全な飼育の第一歩

日々の観察と記録が、健康管理において最も有効な手段です。

クレステッドゲッコーは小さな生き物ですが、行動の変化は確かなサインです。

「動かない」という変化を見逃さず、すばやく対応する力が、飼い主さんとしての信頼にもつながります

クレステッドゲッコーが動かないときこそ、冷静な判断と正しいケアが求められる

クレステッドゲッコーが動かないという現象には、さまざまな原因が隠れています。

それが性格や夜行性という本来の性質によるものであれば心配はいりませんが、飼育環境の不備や体調不良、ストレスなどが関係している場合は、飼い主さんの対応が問われる場面となります。

この記事で紹介したように、まずは観察と環境チェックから始めることが大切です。

動かないからといってすぐに異常と決めつけるのではなく、状況を整理し、必要に応じて医療機関の力を借りることも視野に入れることが、クレステッドゲッコーにとって最善の選択となるでしょう。

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