会社を退職する際に発行される離職票は、失業給付を受けるにあたって必要となる書類です。
会社から郵送されるものですが、受け取っていない、紛失したなど、再発行したいと考える人も少なくありません。
しかし、通常の発行手続きとは異なるのか、再発行の手続きはどこで行うのか分からない人も多いのではないでしょうか。
基本的に離職票は再発行でき、いくつかの申請方法があります。より早く手続きを済ませるために押さえておくべきポイント、必要書類についても見ていきましょう。
離職票を紛失した際の手続きの流れ
離職票を紛失した場合には、退職した会社に再発行を依頼することが最もスムーズな方法です。
しかし、退職した会社へ再発行を依頼するのは難しいなど、いろいろな事情があって難しいケースもあるでしょう。
離職票の再発行は、退職した会社に依頼する以外にも、ハローワークで手続きすることが可能です。
ただし、ハローワークで離職票を再発行してもらう場合、会社の所在地を管轄するハローワークへ行く必要があります。
例えば、支社で勤務していたとしても、本社から離職票を発行しているのであれば本社所在地の管轄となるハローワークで手続きを行わなければなりません。
失業手当は自分の住所を管轄するハローワークのため、混同しないよう注意しましょう。
また、離職票の再発行をする際、本人が申請を行うことが必須であり、代理人では申請できない点に注意が必要です。
基本的に、ハローワークでの手続きは本人以外では受け付けていません。
金銭や勤務に関することであり、離職票についても重要な書類であるため、代理人では申請できないのです。
離職票を紛失した際に必要な書類と書き方
離職票を再発行する際には、申請に必要書類を揃えることからはじめましょう。
再発行の申請時に提出するものは、「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」です。
再交付申請書は、ハローワークのホームページからダウンロードして印刷をしたうえで記入します。
プリンターがない場合は、ハローワークの窓口で受け取ってその場で記入する方法も有効です。
申請書には、離職者の氏名や住所、電話番号や生年月日などの基本情報と、離職前に働いていた会社の情報を記入します。
会社の情報とは、所在地、電話番号、離職した年月日、雇用保険被保険者番号などです。
ほかにも、雇用保険被保険資格取得年月日を記入する必要があるため、年金手帳とともに会社から返却された雇用保険被保険者証をチェックしましょう。
再交付申請書をハローワークへ持参する際には、印鑑や本人確認書類も必要です。
顔写真の付いた身分証明書が必要になるため、マイナンバーカード、運転免許証やパスポートなどを持参します。
ハローワークの窓口で再発行申請書を記入する場合はもちろん、ダウンロード・印刷して記入したものを持参する場合も、印鑑が必要です。
記入を間違える可能性があり、誤りがあれば訂正印を押すことになるからです。記入した書類を提出する場合でも印鑑を持って行きましょう。
ハローワークの窓口で申請書を記入する予定であれば、保険者証を持って行くと、保険者証番号や取得年月日を間違えずに記入できます。
さらに、いずれの場合も会社の住所や電話番号をあらかじめ控えてから行きましょう。
再発行に伴い、内容の確認が必要になればハローワークのスタッフが会社へ連絡をして確認するケースもあるためです。
離職票については、退職時に不要であると判断して受け取らない人もいます。
退職後でも発行してもらうことは可能ですが、離職票の発行期限が過ぎてしまっているケースでは、通常通り退職時にもらうよりも手続きに時間を要するでしょう。
そのため、すぐに離職票が欲しい場合には、ハローワークで手続きをしたほうが早く受け取れる可能性が高いです。
時間に余裕があれば、会社に離職票の再発行を申請します。
万が一、離職票を再発行してくれないのであれば、離職票を「発行」する申請を行うことになり、手続きの流れも異なるのです。
ハローワークへ相談すると、ハローワークから会社に対して、離職票を発行するよう指示をしてくれます。
指示をしても発行されないのであれば、勤務実績の証明となる書類や離職票の発行に必要な書類を揃えてハローワークへ申請しなければなりません。
必要書類を揃えて申請すれば、ハローワークから離職票を発行してもらえます。
いずれにしても、退職時に申請するよりも発行までには手間も時間もかかるケースが多いため、退職の際に離職票を発行してもらうようにしましょう。
離職票を紛失した際の再発行の申請期限とは
離職票を再発行するにあたり、申請期限はありません。
しかし、失業給付自体に期限があることに注意が必要です。失業給付期限は、退職後から1年以内です。
1年以上が経過した状態で離職票の再発行を申請しても、失業給付を受けれません。
そのため、離職票を紛失した際には、可能な限り早く手続きを行いましょう。
失業給付を受けたいにもかかわらず手続きに時間がかかってしまうと、受給できる時期も先延ばしになってしまいます。
ハローワークに行けない場合は郵送でもOK
ハローワークへ離職票の再発行をしに行く時間を確保できない人は、郵送でも申請できます。
離職票の再発行を郵送で行う際には、雇用保険被保険者離職票再交付申請書に記入・押印するほかに、顔写真付きの身分証明書のコピーを用意しましょう。
正しく記入されていなければ、そのぶんやり取りの回数が増え、再発行までに時間がかかるため注意して記入することが大切です。
再交付申請書は、ハローワークのホームページからダウンロード・印刷したものを使用することになります。
郵送後には、ハローワークから本人確認、再発行手続きについての連絡がくるケースも多いです。
そのため、記入する電話番号は時間帯を問わずつながりやすいものにすることもポイントだといえます。
また、スムーズに対応してもらうために、再発行した離職票の返送先の氏名・住所を記入し切手を貼った返信用封筒を入れましょう。
必要書類と返信用封筒を入れたら、会社の住所を管轄しているハローワークへ郵送します。
返送されるまでには1週間前後の期間がかかるものと考え、余裕をもって行動することが大切です。
離職票を紛失した際はスマホでも申請可能
昨今、さまざまな手続きを電子申請できるようになっています。
インターネット環境があり、ウェブでの手続きに慣れている人であればハローワークや役所へ足を運ぶ必要がなくなっているのです。
離職票の再発行についても、インターネットを通して申請を行えます。
電子申請で離職票の再発行手続きをする際には、インターネット上にある電子政府の総合窓口「e-Gov」利用しましょう。
e-Govは、離職票の再発行だけではなくさまざまな手続きを行える、インターネット上の総合窓口です。
e-Govの手続きページで再発行に必須となる書類に入力し、送信する形で提出します。
送信したデータは必要書類と同様に扱われ、管轄のハローワークへ送信される仕組みです。
e-Govはインターネットサービスのため、基本的には時間や曜日を問わず利用可能ですが、年末年始やシステムのメンテナンスを行っている日時には送信できません。
必要書類の送信方法は、プリンター複合機などのスキャナーで取り込む方法です。
ファイルとしてアップロードすれば、簡単に提出できます。
電子申請をする際にアップロードしなければならない書類とは、電子証明書と雇用保険被保険者離職票再交付申請書です。
電子証明書とはe-Govで署名を行う場合に使われるものであり、マイナンバーカードについているICチップの情報を読み込んだり、フラッシュメモリーやCD-ROMで認証したりするケースがあります。
マイナンバーカードを持っていれば、スマートフォンの専用アプリをインストールすればよいため、ICカードリーダーライターなどの専用機器を購入せずに利用できることがメリットです。
e-Govを使用するパソコンと、アプリをインストールしたスマートフォンをつなげばマイナンバーカードを読み取れます。
電子証明書は、証明局と呼ばれる機関もしくは役所で取得することが可能です。
電子証明書がなく、マイナンバーカードで本人確認や住所を申請できない人は、氏名と住所を証明できる書類として運転免許証やパスポートなどの身分証明書をスキャナーで取り込んでアップロードしなければなりません。
電子申請では場所も時間も選ばずに手続きを行えます。
しかし、どの方法でも、書類の不備や会社の対応によって再発行されるまでの時間は異なるのです。
失業給付の期限なども含め、余裕をもって再発行の申請をしましょう。