最近家の中で変わったことがあったら、それはもしかしたらシロアリのシワザかもしれません。
床下から湿気が上がってくるような気がする。
床や柱の一部がやわらかくなったり、細くなったりしてきた。
そんな場合は要注意です。
特に建築して十年以上経過している一軒家は要注意です。
建てた時に、業者がちゃんとシロアリ用の防虫防腐剤を撒いたから大丈夫という場合も、薬剤を散布してから5年以上経過していると効力が無くなっています。
最近、家の中で羽アリなどの小さな虫をよく見かける。
今まで雨漏りなんて無かったのに、最近雨漏りするようになった。
建って10年以上の家であれば、今はまだシロアリに食い荒らされていなくても、やがて家に住み着く可能性は十分にあります。
シロアリに家を食い散らかされてしまう前に、予防のために薬品散布が大切です。
ここでは、自分でできるシロアリ駆除について調べてみました。
薬剤散布でシロアリ駆除
シロアリ駆除の方法は「土壌処理」と「木部処理」に大きくわけられます。
「土壌処理」は文字通り土の部分、地面や地面に近い部分の処理になります。
「木部処理」は柱や梁といった地面よりも上の部分の処理になります。
それぞれ見ていきましょう。
土壌処理について
家が建っている土台の部分の土やコンクリートに、薬剤を散布する方法です。
シロアリは地面の土から這い上がって家の中にやって来ます。
ハチのように飛んでくる場合もありますが、主な侵入経路は地面になります。
しっかりと土壌部分に薬剤をしみ込ませておくことで、シロアリが家に入って来られないようにするのです。
土台部分の湿度が高い場合は、建築業者によってはシートを張っている場合もあります。
家の土台部分、土壌部分に何も湿度対策が取られていないと、家全体に湿気が回ってしまって、シロアリが来る可能性が高くなってしまいます。
自分で土壌処理を行う場合は、床下はかなり暗いため頭につけるヘッドライトや、汚れてもいい服装など万全の装備が必要です。
床下は想像以上に害虫の巣となっている場合が多いため、シロアリだけでなくムカデやゴキブリといった虫がいることも覚悟した上で作業に入りましょう。
木部処理について
家の柱や梁といった木の部分に、シロアリを駆除するための薬品を吹き付けたり、ハケで縫ったりするのが「木部処理」です。
ホームセンターなどでも、「木部処理」をするための薬品が数多く販売されています。
水場まわり、特に風呂場や洗面所、キッチン周辺の木材には念入りに薬品を染み込ませましょう。
シロアリ駆除の専門家に依頼すると、木に穴をあけて薬品を注入することもあります。
駆除剤でシロアリ駆除
駆除剤を使って、手軽にシロアリを駆除する方法です。
アース製薬 シロアリアース
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シロアリが出て気になる部分にスプレーする薬品です。
場所を選ばず使用でき、薬品のニオイもきつくないのでとても人気がある商品です。
シロアリ駆除業者が使用する薬品と同じ成分「ビフェントリン」を使用しており、約半年の間シロアリを寄せ付けない効果があります。
逆さまにしてもスプレーできる便利な構造なので、手軽に床下にスプレーできます。
大理石などの石に薬品がかかると、変色する場合もあるので注意しましょう。
また、ペットや魚、子どもが使用するおもちゃのほか、食器、飲み物などはスプレーが入らない場所に移動させてから使用するようにします。
シロアリの他、キクイムシや羽アリ、ムカデなどにも有効です。
イカリ消毒 シロアリ退治スプレー木部用
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今すぐにでもシロアリをどうにかしたい時のためのスプレーです。
シロアリの侵入を予防することもできます。
こちらもシロアリが出てくる場所や、出てきそうな場所にスプレーします。
春や梅雨前になると出て来るシロアリや羽アリに、大変効果があります。
こちらの商品は、横にしたり逆さにしたりすると、薬品が出てこなくなってしまいますので、床下にスプレーする時にはそのまま立てて使用します。
2年から3年に一度、スプレーするとシロアリを寄せ付けません。
連続して2分スプレーすると1本使い切るようになっています。
1本で10平方メートルの割合で使用しますので、家中スプレーしようと思うと数が必要です。
家の広さを計算してから購入するようにしましょう。
防止剤でシロアリ予防
防止剤でシロアリの被害を予防するのも大切です。
イカリ消毒 シロアリハンター
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スプレータイプではないので、シロアリに人やペット、植物にも優しい駆除剤です。
中の毒エサをシロアリに巣まで運ばせることによって、シロアリを撲滅します。
設置方法は、シロアリが出そうな場所に1メートルから2メートルおきに設置します。
トイレのタンク周辺や、風呂場まわり、キッチン周辺などは特に念入りに設置します。
地面を少し掘って、埋めておくとシロアリ予防になります。
効果は設置後2年間ですが、中の毒エサが食べつくされているものは新しいものと交換しましょう。
ホウ酸
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家を建てる時は、建築基準法で「防腐防蟻処理」が義務付けられています。
これは、地面から1メートルまでの高さの木材は、特にシロアリにやられてしまう傾向があるので、何らかの処理をしなくてはいけないという決まりです。
大抵の家の場合、殺虫剤と防腐剤がミックスされた農薬が塗られています。
これは5年で効き目が無くなってしまうため、5年おきの塗布が推奨されています。
しかし、実際には5年おきに家の柱という柱に殺虫剤や防腐剤を塗布するのは手間やお金がかかってしまいます。
これから家を建てるのであれば殺虫剤と防腐剤がミックスされた農薬ではなく、「ホウ酸」を使用することをオススメします。
ホウ酸を水に溶かしたものを、数時間おきに2回以上重ね塗りをします。
ホウ酸は無機物のため、半永久的に存在します。
薬品のように分解してしまわないので、効き目が長続きするのです。
白アリミケブロック業務用
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シロアリ駆除を業者に頼むのは高いので、自分で床下に入って頑張ってやってみようという方にオススメの薬品です。
水に50倍薄めて、床下に散布します。
手動の霧吹きではさすがに床全体の散布は大変なので、自動噴霧器があったほうが手早く散布できます。
シロアリ駆除の注意点
シロアリを駆除する際の注意点を2つ紹介します。
シロアリは見えない場所にいる
シロアリは柱の中や土の中など、普段人間の目では見えない場所に存在しています。
そのため、何も被害にあっていないと思っていたら、中はシロアリにやられてスカスカだったということが起きるのです。
見えない場所こそ念入りにチェックするようにしましょう。
シロアリは、洗面所や風呂場、キッチンなどの特に湿度が高くなる場所が大好きです。
シロアリの巣は1カ所ではない
シロアリは自分が帰る巣以外にも、多くの別荘を持っている場合があります。
一つの巣を見つけて退治したと思っても、生き延びたシロアリが他の場所で新しく巣を作ることもあります。
ヤマトシロアリは大きな集団が薬品などで攻撃されると、小さなコロニーに分散します。
根絶やしにしないと、永遠にシロアリとの戦いが終わりませんので注意してください。
プロにシロアリ駆除を頼んだ時の相場
業者にシロアリ駆除を依頼した場合、いくらくらいかかるのかを紹介します。
シロアリ駆除の相場
50平方メール(約30畳)で7万5,000円程度から20万円程度が相場となっています。
シロアリ退治の場合、床下に入っての薬剤散布が作業の中心になりますが、もし家の中に床下に入れるスペースが無かった場合は、通風口を拡張するなどの工事を行います。
そういった工事が必要な場合に、予算がアップするというわけです。
害虫駆除を業者に依頼した場合の金額は、業者によってかなり開きがあるので注意しましょう。
同じような作業で3倍近い価格が提示されることもあります。
一つの業者だけでなく、最低でも3社見積もりをとるようにしましょう。
各業者に見積合せであることを伝えると、値段が安くなる場合が多いのです。
業者によっては電話したら、すぐその日に来てもらえますので、大量発生して困っている時には助かりますよね。
また、仕事や家の事情で早朝や深夜でないと家にいられない人もいると思います。
そういった時間外対応も行う業者がいますので、探してみましょう。
業者によるシロアリ駆除の手順
緊急の場合を覗いて、業者は薬品を持ってすぐに駆けつけるわけではありません。
事前に調査を行ってから被害の規模を把握し、依頼者と相談した上で作業方法と作業日を決めます。
大量発生しているのを目撃した場合、慌ててしまいますが電話した当日に駆けつけることは通常ありませんので注意してください。
業者は電話を受けると、被害状況を確認するためにスタッフが調査に行きます。
家族がシロアリを見かけた場所をメモなどにまとめておくと、業者にも説明しやすくなります。
業者は、まず床下を点検します。
床下に入る通気口の周辺に植木鉢などが置いてあると作業員が入れないので、事前にどけておきましょう。
そして植木や庭といったシロアリが好きそうな場所もチェックします。
家の中で発生しているシロアリの原因が、庭の木という場合もあるからです。
気になることがあったら、調査段階でスタッフに相談しておきましょう。
作業当日に言っても対応できない場合があります。
点検中にシロアリを見つけた場合は、家族でできる対処方法もアドバイスしてもらえます。
被害状況を確認したら、作業方法と作業日を打ち合わせます。
作業日当日は、最初に床下に入ります。
台所に床下に入れる点検口がある場合、周辺に置いてある物はどけておいてください。
家によっては洗面所に、床下に入れる点検口がある場合もあります。
床下に入る入り口がチェックできたら、薬剤タンクやホースを使用するので、それらで家が汚れてしまわないように養生します。
玄関や裏口から点検口までの間に、ブルーシートを敷いたりします。
薬剤を散布するためのホースとスタッフが入るだけの点検口の広さが無い場合、拡張工事を行う場合もあります。
工事を行う場合、事前に相談がありますので、家の設計図がある場合は出しておくと大変参考になります。
もちろん工事は家の構造が傾いたり、ダメージを与えたりしないよう場所を考えて行われます。
業者によっては損害保険に入っている場合もありますので、不安な場合は事前に保険に加入しているかどうか聞いてみましょう。
床下で家を支えている木材に、シロアリ駆除用の薬品を散布します。
コンクリートの部分にも、シロアリが来ないように薬品が撒かれます。
また、床下の土にも薬剤が散布されます。
被害状況によっては、柱等に補強作業を行う場合もあります。
どうやって補強するかは事前に相談を行ってから、また後日に作業を行うことになります。
これで作業は終了となりますが、業者によっては保証書を発行してくれます。
保証は大抵の場合5年間になっています。
業者が家に来る前にしておくこと
貴重品や高額な家具などが、シロアリ駆除の薬剤で変色、変質してしまわないように移動させたりカバーをかけたりしておきましょう。
また、業者との事前打ち合わせで、業者が作業する出入り口を指示されますので、作業時の出入り口のまわりの物は機械等のじゃまにならないように片付けておく必要があります。
作業中、作業後は数時間家に入れない
シロアリ駆除用の薬品を空中噴霧した場合、3時間から半日程度、家の中に入ることができません。
もし家の中に赤ちゃんや寝たきりのお年寄りがいる場合や、ペット、熱帯魚等がいる場合は、作業前に移動先を決めておきましょう。
車で移動する場合は、トイレの場所や飲み物などを確認しておくと良いですよ。
まとめ
シロアリが出たら、放置しないですぐに薬剤を散布させることが大切です。
シロアリ用の殺虫剤で目に見えるシロアリを駆除したら、業者に被害がどの程度まで広がっているのかチェックしてもらいましょう。
シロアリ業者は値段にかなりの開きがありますので、必ず1社ではなく数社から見積もりをもらうようにしてください。
シロアリ駆除用の薬品を購入する場合に気をつけなくてはいけないのが、黒い普通の「アリ」用の薬品とは違うという点です。
ホームセンターには「アリ」用と「シロアリ」用の薬品が販売されていますので、注意してください。
「シロアリ」はゴキブリ目シロアリ科に属していますが、「アリ」は、ハチ目スズメバチ上科アリ科に属しています。
効果のある薬品も違いますので、殺虫剤を買う時には間違わないようにしましょう。