シングルマザーは1人で子育てをしており、生活費や教育費などのお金の問題に不安を抱く人も多いのではないでしょうか。しかし、シングルマザーには減額、免税などを含めた控除があるのです。
そこで、特に注目すべき健康保険の減額・免除される条件や控除、助成制度について紹介します。
国民健康保険が控除される制度がある
アルバイトやパートとして雇用されており社会保険加入者ではないシングルマザーの場合や、フリーランスや自由業で働いている場合は国民健康保険に加入しなければなりません。
国民健康保険料の支払いが負担になっているというケースも少なくないでしょう。
国民健康保険は社会保険とは異なり、保険料を部分的に会社が支払ってくれる制度ではないので、シングルマザーの場合は経済的な負担になるケースが多いです。しかし、自治体ごとで保険料の減額を行っているケースがあります。
国民健康保険料の控除は、住んでいる自治体や子どもの人数、収入ごとで変動することが特徴です。
ただし、国民健康保険料の減額が承認されるか拒否されるかといった条件については、自治体ごとに異なります。例えば、収入が減ったり失業したりした場合であれば減額もらえる、シングルマザーであれば自動で減額されるなど、条件はさまざまです。
国民健康保険が免除される条件
前の年よりも収入が激減した場合や怪我や病気で生活がままならない状況であれば、国民健康保険料が免除されることがあります
。それぞれ3つのケースがあるので、金額や被保険者数について自分が該当する条件をチェックしてみましょう。
①所帯世帯中の被保険者所得額が33万円以下の場合
②世帯費保険者の所得額が33万円以下と、33万円~33万円+24万5,000円×世帯主以外の被保険者数以下
③世帯費保険者の所得額が33万円~33万円+35万円×被保険者数以下
これら3つのケースによって違いがあることが特徴です。それぞれのケースごとで2~7割まで異なります。
市区町村ごとで免除される金額が異なるので、一例として認識したうえで、自分住んでいる場所の市区町村に問い合わせ ましょう。
参考サイト:http://www.aichi-kouiki.jp/iryou/hoken/keigen01.html
ひとり親家庭等医療費助成制度も利用しよう
健康保険の減額や免除の他にも、控除や助成などシングルマザーの生計を支えるさまざまな制度が存在します。
なかでも、シングルマザーが子どもを育てている場合の医療費の負担を軽減できる「ひとり親家庭等医療費助成制度」に関して、助成金額や助成対象となる内容、対象者の条件を解説します。
ひとり親家庭等医療費助成制度の助成額は?
ひとり親家庭等医療費助成制度は、住民税が課税か非課税かによって、全額負担なのか1割負担なのかが異なります。
住民税が非課税の場合は全額負担であり、課税者の場合は医療費に対して1割が自己負担です。
しかし、自己負担額は上限が定められているので、上限を超えた場合には役所へ申請すればお金が戻ってきます。
定められてる上限額は、個人での医療機関外来利用が月に12,000円もしくは世帯での外来利用が月に44,400円です。
助成対象医療と対象外の医療
助成対象医療は、体の不調について診療を受けた場合の費用、薬を処方された場合の代金、手術や処置にかかった治療費、包帯や薬などの治療に使われた材料費です。
入院をしても助成対象医療として扱われますが、一般的に月の上限額が定められており、ベッド代は自己負担となってしまいます。
助成対象外の医療費は健康診断や美容整形、不妊治療、予防接種といった医療保険の対象外であり、日常生活に影響のない治療です。
さらに、災害共済給付制度として扱われる高度療養などが挙げられます。つまり、別の制度と合わせて承認されることはありません。
万が一、2つの制度を利用して助成されると、不正受給とみなされるので十分に注意が必要です。
助成対象者の条件
ひとり親家庭等医療費助成制度の助成対象者は、シングルマザーで子どもを育てている家庭であり、18歳未満の子どもがいること、所得上限額に達していない人です。
シングルマザーになった理由は問われないので、死別であっても離婚であっても問題はありません。
さらに、子どもが障害者認定をされている場合は20歳未満までがまで対象者として扱われます。
他にも市区町村ごとで対象者の条件が異なり、東京都の一部地域ではシングルマザーではなくても低所得であり、両親のいずれかが重度障害者である場合は対象になるといった例があります
。助成対象ではないケースは、シングルマザーであっても限度額を超えた所得がある場合や生活保護受給者、刑務所や施設に入所している場合などが挙げられます。
生活保護受給者は医療控除が受けられるので医療費は無料です。制度は併用できないため、助成対象外となってしまいます。
参考サイト:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/smph/iryo/josei/maruoya.html
母子家庭の医療費控除が適応される所得限度額
ひとり親家庭等医療費助成制度を利用する際に大切な条件は、所得額です。そこで、所得限度額に関して、金額と申請する際に必要な書類、承認されるまでにかかる期間について詳しく紹介します。
医療費控除の金額
医療控除の金額は所得の限度額によって異なりますが、限度額も市区町村ごとで異なることが特徴です。
そこで、東京都の一部地域の例を挙げて解説します。子どもが1人の場合は上限が230万円、2人の場合は268万円、3人の場合は306万円、4人以上の子どもがいる場合は1人ごとに38万円加算します。
所得額は1年間の収入から必要経費と給与所得控除のほか、「社会保険料に相当する一律の所得」「障害者扶養控除」「医療費など課税した際に控除された額」を引いた金額です。
さらに、元夫から養育費を支払ってもらった場合には、1年間の金額の8割は所得として計算されます。
自分で計算できない場合や不安がある場合には、役所に相談した方が安心でしょう。
ひとり親家庭等医療費助成制度の申請に必要な書類
ひとり親家庭等医療費助成制度の申請に必要な書類は、1ヶ月以内に取得した申請者と子どもの戸籍謄本、申請者と子どもの健康保険証、申請者の身分証明書です。
ほかにも、前年度の所得や控除、扶養について記載がある現在の年度の住民税課税(非課税)証明書も用意しましょう。
また、親または子どもに障害がある場合は障害認定診断書、児童扶養手当の受給対象者は児童扶養手当証明書が必要です。
ただし、家庭の状況ごとで他の書類を別途用意しなければならない場合もあるので、申請をする前に役所に相談をしてチェックしておくとスムーズに申請できるでしょう。
申請して認められるまでにかかる時間
申請して承認されると、市区町村から「ひとり親医療証」と書類が送付されます。書類の送付は申請後1ヶ月以上かかる場合がありますが、1ヶ月以上経っても書類が届かず連絡もない場合には、念のために市区町村の役所へ問い合わせをする方法が有効です。
ひとり親医療証が送付されるまでにかかった医療費については返金申請できる場合があるので、領収書などの控えは保管しておきましょう。
参考サイト:https://www.city.shinjuku.lg.jp/kodomo/file03_04_00005.html
まとめ:負担を軽減するために健康保険減免を確認することがおすすめ
健康保険の減額免除助成制度や手当など、全てを承認されるケースは稀だといえます。
しかし、自分の状況に合わせた制度を利用することによって、経済的な負担を軽減することが可能です。
健康保険の減額・免除を含め、どのような制度を利用できるのかを確認したうえで、具体的な金額や必要書類については役所の窓口で相談をしてみましょう。