犬も長生きして高齢になり、介護が必要になることがあります。
老犬介護の基本的な考え方や、トイレなどの介護方法、便利グッズなどを紹介します。
これから老犬の介護が必要になる方、現在介護中の方の参考にしてください。
老犬のトイレ介護の方法とおすすめグッズ
若いうちは自然に排泄をコントロールできても、高齢になるにつれて膀胱の機能が弱まり、頻尿になったり、我慢できずに事故を起こしたりすることがあります。
老犬が寝たきりになったら
寝たきりの老犬はベッドで尿漏れをすることがあるので、ベッドを汚さないように対策が必要です。
スリーピングマットの上に防水シーツやビニールシーツを敷き、その上にトイレシーツを敷いて、何重にも漏れないようにします。
その上にペットシーツを敷けば、老犬が排尿しても下のシーツが汚れにくく、掃除が楽になります。
尿をそのままにしておくと、皮膚炎やニオイの原因になるので、排泄後はウェットティッシュやドライシャンプーで拭き取ってあげましょう。
また、寝たきりになると血行が悪くなり床ずれができやすくなるので、適宜寝返りをさせてあげましょう。
床ずれ予防のマットやクッションを使うと、寝返りを打つときの負担を軽減できるため、寝たきりになったら早めに用意しておくとよいでしょう。
自力で排尿・排便ができなくなったら
寝たきりになり、肛門周囲の筋肉が衰えて排便が困難になる老犬がいます。
排泄ができなくなった老犬のケアは、最初は難しいので、動物病院で指導してもらうとよいでしょう。
下腹部をさすったり、肛門を刺激することで排便を促すことができますが、排尿と排便ではケア方法が異なりますので、詳しく説明します。
排尿の介助
下腹部をさすって刺激します。
排尿がうまくいかないときは、下腹部にある膀胱のあたりを両手でそっと持ち、お尻のほうへ押してあげましょう。
膀胱に尿が残ると細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎などの病気の原因になるので、できるだけ排尿を助けてあげたい。
排便の介助
排便を促すには、肛門の周りの筋肉を刺激する必要があります。
まず、しっぽを持ち上げ、肛門の周りの筋肉を手でやさしくマッサージします。
便を肛門の方に押し出すようなイメージで筋肉をマッサージすると、便が出やすくなります。
愛犬が不安定で、排便の姿勢を正しくとれない場合
愛犬の足がふらついていると、トイレに移動するときに便を我慢できず、事故を起こしてしまうことがあります。
普段休んでいる場所や寝床の近くにトイレを移動してあげると安心です。
また、排泄の際には、後ろ足が震えて排泄の体勢がとりにくいことがあるので、お腹や腰のあたりを支えてあげましょう。
飼い主が直接手で支えるのも良いですが、介護用のハーネスを使ったり、タオルやスカーフを犬のお腹の下を通して体を支えてあげると、飼い主の負担が減ります。
不安定だが自由に動ける場合
足がふらついて動きにくい高齢犬の場合、トイレまでの距離が長いと間に合わず、事故につながる可能性があります。
以前と同じように自由に動けるようにしてあげたい場合は、次のような工夫をしてあげると、どこで排泄しても問題ありません。
●トイレを複数設置する
●ペットシーツを敷く
失禁が続く場合
失禁が多く、掃除や洗濯に負担を感じる場合や、長時間留守番をさせる場合は、紙おむつを使用するのもよいでしょう。
犬用の紙おむつは少し割高ですが、しっぽ用の穴を開けてベビー用紙おむつを使ったり、失禁パッドを重ねたりすることで、紙おむつ代を節約することができます。
紙おむつや失禁パッドはムレやすいので、使用する場合はこまめに交換し、性器や皮膚の炎症に注意しましょう。
老犬のトイレ介護の便利グッズを活用しよう
老犬になると徐々に筋力が衰え、半座位がうまくとれなくなり、以前のように排泄ができなくなることもあります。
初めての介護は大変ですが、これらのグッズを使うことで、介護を少しでも楽にしましょう。