クレステッドゲッコーを飼う際、「温浴」という用語をよく耳にしますが、初心者は実際にそれが何を意味するのかわからないことがあるかもしれません。
この記事では、クレステッドゲッコーの温浴の効果とその方法について説明します。
クレステッドゲッコーの温浴とは?
クレステッドゲッコーにとっての温浴は、人間の入浴に似たものです。
入浴とは言っても、人間のようにリラックスするためではなく、むしろ「治療」に近いものです。
基本的に、温浴は何らかのトラブルに対処するために行われるため、クレステッドゲッコーにとっては簡易的な医療処置の一種と考えることができます。
クレステッドゲッコーを積極的に温浴させるべきか?
積極的に温浴をさせる必要はありません。
前述のように、温浴は基本的に何らかのトラブルが発生したときに行われます。
クレステッドゲッコーを通常通り飼っていて問題がない場合は、温浴させる必要はなく、温浴はある程度ストレスになる可能性があります。
食欲不振
温浴は、食欲不振に対する対策として使われることがあります。
体温を上げることで活動が増し、食欲不振を改善する助けになると言われています。
便秘が食欲不振の原因となることが多いので、便秘を改善することで最終的に食欲不振の治癒につながります。
脱皮不全
脱皮が不完全で残った古い皮膚は、温かいお湯で柔らかくすることができます。
これにより皮膚が比較的簡単に剥がれるため、温かいお風呂は脱皮不全に対処する確実な方法です。
注意点は、ゆっくりと皮を剥くようにすることです。
あまり強引に剥くと、クレステッドゲッコーが嫌がり、怪我をする可能性があります。
便秘
クレステッドゲッコーに温かいお湯に入れてあげると、体温が上がり、活動量が増えます。
体温が上がり、活動が増えれば、低体温による消化不良の改善につながります。
さらに、クレステッドゲッコーに水を飲ませることも排泄を促進します。
温かいお風呂の他に、クレステッドゲッコー専用の腸内調整剤「リプラス」を使用することで、便秘を予防することもできます。
クレステッドゲッコーを温かいお風呂に入れる方法
ここでは、クレステッドゲッコーをお風呂に入れるための準備や、入れ方を紹介します。
必要なもの
クレステッドゲッコーに温かいお風呂を与える方法はシンプルです。
●30-35℃の温水(最大38℃)
●温度計
水が熱すぎたり冷たすぎたりしないようにしましょう。
容器に温水を入れ、クレステッドゲッコーが溺れないようにしながら優しく温浴させます。
温浴時に最も注意が必要なのは、水の温度を管理することなので、少なくとも温度計を用意しましょう。
水が冷めた場合は、温水を追加して温度が下がり過ぎないようにします。
温浴時間
温浴時間は約10-15分です。
クレステッドゲッコーを長時間温浴させると、体温が上がり過ぎてオーバーヒートしてしまう可能性があるため、適度に保ちましょう。
温浴を嫌がる個体もいます。
無理に温浴させると動物にとってストレスになるため、その場合は短い温浴時間を心掛けることが重要です。
クレステッドゲッコーに温かいお風呂を与える方法
準備した容器に温水を入れますが、クレステッドゲッコーの顔が水に浸からないようにします。
クレステッドゲッコーがしっかりと支えを持って顔と背中が水面上にある限り大丈夫です。
その後、先ほど述べた時間だけクレステッドゲッコーを温浴させます。
もちろん、放置しておくと水温は徐々に下がります。
温度計を見ながら、水を出し入れして温度を維持しましょう。
水を入れすぎてゲッコーが溺れないように注意が必要です。
温浴終了後
温浴が終わったら、クレステッドゲッコーをすぐに取り出し、タオルで水を拭き取ります。
クレステッドゲッコーの皮膚は水を弾きますが、健康状態が悪い(脱水症状など)個体は水を弾けないことがあります。
水を拭き取った後、クレステッドゲッコーをケージに戻し、落ち着くまでそのままにしておきます。
温浴の日が給餌の日であれば、クレステッドゲッコーに餌を与えることができます。
もしクレステッドゲッコーが食べない場合は、別の日に与えてください。
クレステッドゲッコーの体調に合わせて温浴をさせよう
基本的に、温かいお風呂の主な目的は、クレステッドゲッコーの体温を上げることと水分補給です。
水分補給以外にも、体温を上げるためにはケージ内の気温を上げるだけでも実現できるため、クレステッドゲッコーに温かいお風呂を与える前にケージ内の温度を上げることが重要です。
もちろん、問題がない場合は無理に温かいお風呂を与える必要はありません。
まずはクレステッドゲッコーの環境を整え、問題を予防することを意識しましょう。