クレステッドゲッコーが飼育ケージの床にじっとしている様子を見て、不安になる飼い主は少なくありません。
特に「床で寝る」「ずっと動かず寝ている」などの行動は、一見すると体調不良を疑いたくなるものですが、実はそれが正常な行動である場合もあります。
この記事では、クレステッドゲッコーが寝ているときの特徴や、床にいるときの見極めポイントについて、夏場の注意点も含めて詳しく解説します。
クレステッドゲッコーが寝てるときの様子とは?
飼育環境の中でじっとして動かないクレステッドゲッコーを見て、「寝ているのか?それとも体調が悪いのか?」と戸惑うことがあります。
実際、クレステッドゲッコーは昼間の時間帯をほぼ睡眠に充てており、非常に静かに過ごしています。
昼行性ではなく夜行性のクレステッドゲッコー
クレステッドゲッコーは夜行性の生き物であり、活動のピークは日没後から夜明け前までです。
そのため、昼間にずっと寝ているのは正常な行動であり、異常ではありません。
特に物陰や壁、そして床などで静かにしているのは、周囲の動きに反応しながら休息している証拠です。
クレステッドゲッコーの「寝ている姿勢」は、目を閉じるのではなく、まぶたの代わりに目の表面にある膜を薄く覆って保湿していることが多いため、「目を開けたまま寝ている」ように見えることもあります。
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クレステッドゲッコーが床で寝る理由とは?
壁や植物の上で寝る印象が強いクレステッドゲッコーが、床にいると不安に思う飼い主は多いですが、床で寝るのにも実は理由があります。
床で寝るのは安心しているサインでもある
実は、クレステッドゲッコーがケージの床で寝ることは、周囲に脅威がないと判断した際に取る自然な姿勢でもあります。
野生下では外敵に襲われやすいため、高所に避難して休む傾向がありますが、人工的に整備された飼育環境では危険が少ないため、床面でも安心して眠ることができるのです。
特に温度や湿度が安定しているとき、クレスがリラックスして横になっている様子がよく見られます。
床にいる=体調不良とは限らない
「床にじっとして動かない」という行動だけで体調不良と判断するのは早計です。
クレステッドゲッコーは壁に張り付くことも得意ですが、常に垂直面にいるわけではありません。
体調不良の兆候は、動かない以外の症状と組み合わせて見る必要があります。
たとえば食欲の著しい低下、便が極端に緩い、呼吸が荒いといった点が加わる場合は注意が必要ですが、ただ床で静かにしているだけでは、健康な範囲内であることがほとんどです。
夏に気をつけたいクレステッドゲッコーの寝方
気温の高い夏場には、クレステッドゲッコーが床にいる姿を見る頻度が増えることがあります。
それには、暑さによる行動パターンの変化が関係しています。
クレステッドゲッコーと夏の高温環境
クレステッドゲッコーは、25〜28度前後を快適とする爬虫類です。
日本の真夏には30度を超える日が続き、ケージ内温度もそれに応じて上昇してしまいます。
床にいるのは、少しでも涼しい場所を探しているためであるケースも多く、体を低くして空気の流れを感じようとする本能的な行動です。
冷却ファンやエアコンが効いていない環境では、クレスが床面に這いつくばるような姿勢で休むことが増えるのはそのためです。
熱中症のサインを見逃さないために
暑さによる床での寝方が「熱中症の前兆」であることもあります。
呼吸が浅く早い・体表が熱を持っている・口を開けたままの状態が続くなどの症状がある場合は、早急な対処が必要です。
室内の気温やケージの温度をこまめに確認し、エアコンで適温を保つことは飼育者の義務といえるでしょう。
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クレステッドゲッコーの睡眠環境を整えるポイント
安心して眠るためには、ケージの中が適切な環境である必要があります。
とくに、夏の高温期には工夫が求められます。
床材の選び方と湿度管理
床材には保温性や吸水性のある素材を使用することが重要です。
ペットシーツやヤシガラ土などは、温度調整と湿度管理のバランスが取りやすく、夏でも快適な寝床を提供できる素材として人気があります。
また、霧吹きなどで適度な湿度を与えることで、皮膚トラブルや脱水のリスクも軽減されます。
クレステッドゲッコーの好む隠れ家の設置
寝床に選ばれる場所には共通点があり、それは「薄暗くて狭い」ことです。
木の陰や人工プラントの裏など、視界が遮られる場所に身を隠して眠るのが本来のスタイルです。
床にいる時間が長くても、床面に隠れ家が設けられていれば、クレスにとって安心できる環境といえます。
逆に、何もない平面の床ばかりであれば、それがストレスの要因になっていることもあるため、床周りの工夫は非常に重要です。
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クレステッドゲッコーが床で寝るときの観察ポイント
毎日見ているからこそ気づける変化があります。
床での過ごし方を観察する際には、いくつかのポイントを押さえることが大切です。
行動パターンの変化を記録する習慣
クレステッドゲッコーは個体ごとに性格や習慣が異なります。
ある子は毎日同じ時間に活動的になる一方で、別の子は昼夜関係なくじっとしているかもしれません。
床で寝る習慣が以前と違っているかどうかを把握するには、飼育日誌をつけるのが効果的です。
「昨日までは流木の上で寝ていたのに、今日はずっと床にいる」など、小さな違いが病気の前兆となることもあります。
床に排泄物が溜まっていないか
床に長くいる個体は、排泄物や食べ残しに接触する時間が増えるため、衛生面に注意が必要です。
清潔な床環境が保たれていないと、病原菌による体調不良を引き起こす可能性があります。
週に数回の床材交換と、日々の拭き掃除で健康リスクを軽減しましょう。
床で寝るクレスを正しく理解して、安心な夏を
クレステッドゲッコーが床で寝ている姿を見て、つい不安になるものです。
しかし、それが「快適な休息」なのか、「体調不良の兆候」なのかは、周囲の環境とあわせて見極めることが重要です。
特に夏場は、温度や湿度のわずかな変化がクレスの行動に影響を与えます。
床にいる時間が増えたとしても、それが正常の範囲内であれば問題ありません。
逆に、いつもと違う行動や症状が見られたときには、迅速な対処が必要です。
安心できる寝場所と、快適な夏の住環境を整えることで、クレステッドゲッコーは床でも壁でも、のびのびと休むことができるようになります。
飼い主としては、「床にいるからおかしい」と決めつけるのではなく、日々の変化を正しく読み取る目を育てることが、最大のケアといえるでしょう。