ミドリガメ、イシガメをはじめとした水棲亀が餌を食べないと、どんどん体力が低下して命にかかわることがあります。
そこで、水棲亀の正しい強制給餌の方法と、危険な症状を紹介します。
冬眠モードになっていることも!ミドリガメの食欲がない原因
ミドリガメ、イシガメをはじめ水棲亀は、水温が下がると食欲も低下します。
一度水温が低くなると冬眠モードに入ってしまい、慌てて水温を上げてもなかなか覚めません。
完全に冬眠をしていなくても、食欲がなくなり動きも鈍くなります。
ミドリガメの食欲がないときの餌の食べさせ方
ミドリガメ、イシガメにシリンジを使って餌を食べさせるのは危険です。
喉に詰まらせ、最悪の場合は命にかかわるため、自己判断でシリンジを使った強制給餌をするのは止めましょう。
できるだけ安全に、餌を食べさせるための手順を紹介します。
用意する物
●スプーン
●餌
乾燥赤虫であれば2本ほど、ふやかしたレプトミン少量など、いつもあげている餌を準備します。
①亀を手に持つ
まずは、飼い主さんが座った状態で、片手で亀をしっかり持ちます。
落とさないように注意しましょう。
万が一落としても大丈夫なように、水が入っている水棲の上やタオルを敷いた上で持ちます。
もう片方の手に、ごく少量の餌を持っておきます。
②亀をつついて威嚇させる
亀を持った状態で、鼻先や手、甲羅などをツンツンと優しくつつきます。
写真は水棲亀ではありませんが、このように口を開けます。
亀が威嚇をして口をパカッと開けたら、ごく少量の餌を口の中に入れましょう。
威嚇をする元気がある亀は、勢いよく口を閉じます。
指を噛まれると怪我をするため、十分注意が必要です。
③水を少量垂らす
ミドリガメ、イシガメといった水棲亀は、水の中で餌を食べます。
そのため、餌を口に入れただけでは飲み込まない可能性が高いです。
水棲の中の水を少量スプーンにすくい、亀の口元に垂らしましょう。
できれば、威嚇して口を開けさせるのが理想です。
しかし、口元にスプーンを近付けると少し口を開くため、スプーンで飲ませるようにして水を口に入れられることもあります。
水を飲ませられず、亀が苦しそうにしている場合は水棲の中に入れましょう。
水棲に入れると、口から餌を吐き出せます。
ミドリガメに餌を食べさせるときは少しずつ!
食欲がなく、餌を食べない状態で長期間過ごしていた亀は、胃腸の動きも鈍っています。
そのため、1日目は赤虫2本、レプトミン1粒など少量をあたえ、徐々に量を増やしていきましょう。
こんな症状は危険!餌を食べさせる前に病院に行こう
ミドリガメ、イシガメなどが餌を食べない場合、まずは動物病院で診察をしてもらう必要があります。
甲羅で覆われているため、見た目では病気が分かりにくいことも多いためです。
あきらかに元気がなくぐったりしているのであれば、冬眠モードではなく病気の可能性があります。
また、餌を食べさせることができた場合でも、以下の症状がある場合は動物病院での診察・治療が必要だといえます。
●尿酸が出ている
●口の中が紫色
●ぐったりしている
尿酸が出ている
尿の中に白いモヤモヤしたものがある場合、尿酸が出ています。
餌を食べていないと水も飲めないため、水分不足になっている状態です。
餌は食べなくても水は飲んでいる、もしくは水棲の中で水を飲んでいるのであれば良いですが、尿酸が出ている場合は水分を取れていないため、動物病院で注射を打ってもらう必要があります。
口の中が紫色・ぐったりしている
ミドリガメ、イシガメが冬眠モードなわけではなく、何らかの病気にかかっており命の危険があります。
おそらく、威嚇もしない状態でしょう。
すぐに動物病院で診察をしてもらう必要があります。
亀の水槽を暖めることが大切
水槽の水が冷たいと、亀が冬眠モードに入ったり、冬眠してしまうこともあります。
冬眠させる予定がない場合は、水槽や亀が過ごすスペースを暖めましょう。
水槽の大きさに合わせて、水の中にヒーターを入れます。
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甲羅干しをする陸地にも保温球を設置します。
紫外線ライトは保温効果が極めて低い(効果がない)ため、保温球を使用することが大切です。
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ミドリガメの症状に合わせて対処しよう
ミドリガメ、イシガメといった水棲亀は、寒くなると餌を食べないことが多いです。
元気はある、水棲の水が冷たかったなど食欲がない原因が明らかになっており、動物病院でも異常なしと判断された場合は、餌を食べさせる方法が有効です。
無理やり食べさせるのではなく、優しくつついて威嚇したタイミングで、少しずつ餌と水を与えましょう。