介護が必要な方にとって、適切な介護ベッドを選ぶことは、日常生活の質を大きく左右します。
介護者にとっても、ベッドの機能や特徴が介護の負担を軽減する大切なポイントとなります。
しかし、介護ベッドにはさまざまな種類があり、どれを選べばよいのか迷うことも少なくありません。
本記事では、介護ベッドの種類や選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。
ホームヘルパー2級(訪問介護員2級養成研修課程修了)。
訪問・デイサービス・介護施設を見てきた経験あり。
家族の介護経験も活かして記事を作ります。
介護ベッドの種類と特徴
介護ベッドにはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解することが重要です。
利用する方の身体状況や介護環境に応じたベッドを選ぶことで、安全で快適な生活を実現できます。
電動介護ベッドのメリットと選び方
電動介護ベッドは、ボタン操作で背もたれや高さを調整できるため、利用者が自分で体勢を変えるのが難しい場合に適しています。
特に、起き上がる動作が困難な方にとって、背上げ機能が付いていると食事やテレビ鑑賞などがしやすくなります。
また、高さ調整機能があると、介護者の腰への負担を軽減できるため、介護のしやすさが向上します。
手動介護ベッドの特徴と選ぶ際の注意点
手動介護ベッドは、レバーやクランクを回して高さや角度を調整するタイプのベッドです。
電動に比べて価格が抑えられる点がメリットですが、調整の際に力が必要になるため、頻繁に体勢を変える必要がある方には不向きかもしれません。
介護者の負担を考えながら、使用頻度や予算と相談して選ぶことが大切です。
簡易介護ベッドと一般のベッドとの違い
簡易介護ベッドは、一般的なベッドに手すりやマットレスを追加することで、介護しやすい環境を整えたものです。
ベッド自体の高さ調整や背上げ機能はないものの、比較的安価で導入できるため、介護度が低い方や短期間の使用を想定している場合に適しています。
ただし、一般のベッドをそのまま使う場合と比べて安全性が向上する反面、電動ベッドほどの利便性は期待できません。
介護ベッドの選び方:生活環境と介護負担を考慮する
介護ベッドを選ぶ際には、利用者の身体状況だけでなく、設置する部屋のスペースや介護する人の負担軽減にも配慮する必要があります。
以下のポイントを踏まえて選ぶと、より快適に使用できるベッドを見つけやすくなります。
利用者の身体状況に合った機能を選ぶ
介護ベッドの選び方で最も重要なのは、利用者の身体状況に適した機能が備わっているかどうかです。
例えば、寝たきりの方には背上げ機能や高さ調整機能が必要不可欠ですが、自力で起き上がることができる方には簡易的な手すり付きベッドでも対応可能です。
また、床ずれを防ぐためのマットレスも重要な要素となるため、体圧分散性の高いものを選ぶとより快適に使用できます。
介護者の負担を軽減する工夫
介護を行う人にとって、ベッドの高さや可動範囲が適切でないと、腰や膝への負担が大きくなります。
そのため、高さ調整機能があるベッドを選ぶことで、介護する側の負担を軽減することが可能です。
また、サイドレールの有無や手すりの位置も、介護しやすさに大きく関わるため、実際の介護シーンを想定して選ぶことが重要です。
部屋のスペースと搬入のしやすさを考える
介護ベッドは一般のベッドに比べて大きく、可動部分が多いため、設置スペースを十分に確保する必要があります。
特に、狭い部屋に設置する場合は、電動機能を持つモデルの可動域や、介護者がベッドの周囲を動きやすいかどうかを考慮することが大切です。
また、マンションやアパートなどで階段やエレベーターを使って搬入する場合、サイズや重量によっては搬入が難しいこともあるため、事前に確認しておくと安心です。
介護ベッドの選択が快適な生活につながる
適切な介護ベッドを選ぶことで、利用者の快適な生活を支えるだけでなく、介護者の負担も軽減できます。
電動ベッドの機能を活用すれば、よりスムーズな体勢変換が可能となり、介護の質も向上します。
一方で、利用者の身体状況や予算を考慮しながら、必要な機能を見極めることも大切です。
介護の負担を軽減し、安心して暮らせる環境を整えるために、自分に合った介護ベッドを選びましょう。
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