別室から赤ちゃんやペットの様子を確認できる見守りカメラは、介護の場面でも活用されています。
「遠方で一人暮らしをしている親の様子を確認したい」「離れた部屋にいる高齢者を確認したい」など、介護における見守りカメラのニーズはさまざまです。
今回は、介護用見守りカメラを使用する際のカメラの選び方、設置時の注意点、デメリットについて解説します。
ホームヘルパー2級(訪問介護員2級養成研修課程修了)。
訪問・デイサービス・介護施設を見てきた経験あり。
家族の介護経験も活かして記事を作ります。
介護用見守りカメラのメリット・デメリット
介護用見守りカメラの導入を検討されるのは、見守るご家族の方が多いようです。
設置するメリットばかりが注目されがちですが、監視される本人が不快に感じることもあります。
見守りカメラを設置する際は、デメリットにも気を配る必要があります。
ここでは、介護用見守りカメラのメリットについて紹介します。
デメリットについても詳しく見ていきましょう。
メリット
見守りカメラには次のような利点があります。
離れた場所からでも画像(静止画・動画)を送ることができます。
転倒、熱中症、病気などの状況の変化に映像から気づきやすいです。
過去の映像が残っていれば普段の生活パターン、食事、服薬、来客など撮影範囲の状況がわかります。
通知機能がついていれば、常に映像を見なくても生活できます。
映像で病気やケガがわかれば、救急車を呼ぶこともできます。
早急な対応が必要な病気もあるため、最悪の事態に備える意味でも見守りカメラの効果は非常に大きいです。
デメリット
見守りカメラには以下のようなデメリットがあります。
●トイレなど設置できない場所がある
●停電時に使用できない場合がある
●映像を伝送するための通信システムが必要
●設置や運用にコストがかかる
●対象者が 「監視されている 」と感じる
特に、相手の同意が重要です。
最悪の事態に備えるためとはいえ、「常に監視されている」という印象は拭えありません。
費用面も含めて十分に話し合い、双方が納得した上で利用しましょう。
介護用見守りカメラの選び方
介護用の見守りカメラを探していると、その種類の多さや機能の多さに迷ってしまいます。
見守りカメラは欲しい機能が付いていれば十分です。
まずは、見守りカメラを選ぶ際のチェック項目を決めましょう。
ここでは、介護用見守りカメラを選ぶ際のチェック項目について解説します。
撮影範囲
見守りカメラを設置する場合、監視したい範囲を撮影できなければなりません。
まずは、どこでどのように撮影するのかをイメージし、そのカメラが撮影できるかどうかを確認しましょう。
例えば、部屋の隅に設置する場合、水平画角が広ければ広いほど撮影できる範囲が広くなります。
さらに垂直画角が90度以上あれば、部屋全体を撮影できます。
撮影範囲が広い場合は、画像を拡大するズーム機能や、特定の範囲を拡大するスイベル機能、ズーム時の画像の細かさを示す画素数などもチェックしておきましょう。
接続方法
見守りカメラの画像を別の場所で確認したい場合は、何らかの方法で画像を送信する必要があります。
画像を送るには、固定回線かLTE回線を使うのが一般的です。
固定回線を利用する場合は、見守りカメラを設置する場所で回線を契約します。
これには数週間から数ヶ月かかり、カメラを接続する必要もあります。
また、利用には月額料金がかかります。
※すでに固定回線をお持ちの場合は、そのまま利用できます
LTE回線はいわゆるモバイル回線で、スマートフォンの通信にも使われています。
見守りカメラの中には、カメラ本体にSIMカードを挿入し、直接データを送信するタイプもあります。
ただし、このタイプは通信料に注意が必要です。
使用目的に応じてどれくらいの通信料が必要になるのか、事前に確認しておきましょう。
また、接続方法によっては、送信できる画像の画素数が制限されることもあります。
見守りカメラでは、できるだけ高解像度・高画素の画像が求められます。
コスト、画素数、設置手順などを考慮して検討します。
呼び出し機能の有無
見守りカメラの「通話機能」は、画面を通してカメラと会話したり、手元でカメラ周辺の音や声を聞くことができる便利な機能です。
通話機能を使えば、部屋で倒れている大切な人を見つけても、カメラを通して声をかけ、反応があるかどうか確認することができます。
反応がない場合は、その場で119番通報することで迅速に対応できます。
通話機能を使うときは、マイクとスピーカーの性能と設定に注意しましょう。
特に、マイクとスピーカーのオン・オフが切り替えられるか、小さな声でも拾って伝えられるか、テレビの音にかき消されない音量をスピーカーから出力できるかなどをチェックすることが重要です。
機能の有無だけでなく、どの程度の大きさの声が出せるのかもチェックが必要です。
暗視機能の有無
緊急事態はいつ起こるかわかりません。
夜間や照明のない暗い場所でも撮影できる「暗視機能」があると心強い。
吐血や嘔吐、徘徊、転倒などの異常は昼夜を問わず起こりうることです。
きちんと見守りたいと思うなら、照明がついていない場所でも撮影できる機能が必要です。
暗闇でも撮影できる機能は、暗視カメラと赤外線カメラに大別できます。
暗視カメラは暗くてもカラーで撮影できるが、赤外線カメラは白黒でしか撮影できません。
ただし、暗視カメラの方が高価のため、予算を考えてカメラを選ぶ必要があります。
センサーの有無
高齢者は暑さや寒さに弱いと言われています。
見守りカメラに温度を感知するセンサーがついていれば、映像だけでなく室温も正確に把握することができます。
暑い季節、エアコンを使わずに高齢者が熱中症になるケースは少なくありません。
「節電したい」「まだ暑くない」という高齢者が、客観的に温度を数字で見ることができれば、すぐにエアコンを使うようになるかもしれません。
また、離れた場所から被写体の体温を測定できる温度センサーや、動きを検知して撮影する動体検知機能を搭載したカメラもある。
どのようなセンサーが搭載されているかを確認し、必要なものが搭載されているものを選ぼう。
プライバシーモードの有無
見守りたい高齢者がプライバシーの観点から反対する場合は、プライバシーモードがあるカメラを選ぶとよいでしょう。
プライバシーモードとは、カメラのスイッチをオン・オフできる機能のことで、カメラのレンズを覆い、マイクとスピーカーを無効にすることができます。
どのような家族であっても、プライバシーは尊重されなければなりません。
プライバシーモードを使えば、高齢者は写真を撮られるかどうかを選ぶことができます。
オフにするのを忘れないように、工夫してルールを作る必要があるでしょう。
スマホ連携機能の有無
いつでもどこでも映像を確認したい場合は、スマートフォンにインストールしたアプリを利用できる「スマホ連携機能」が便利です。
これなら、スマートフォンがインターネットと通信できる環境であれば、いつでも確認できます。
スマートフォンの通信状態が悪いと、映像が止まったり、表示されないことがあります。
おすすめ介護用見守りカメラ3選
ここからは、たくさんある見守りカメラのなかでも特におすすめの製品を紹介します。
BOIFUN | ネットワークカメラ|FI-362C
600万画素の高画質でリアルな映像を表示。
動体検知、顔検知、音検知機能を搭載し、360度全方位を監視できるレンズを搭載し、8倍ズームで細部まで確認できます。
夜間でも鮮明な映像を映し出す赤外線カメラで、マイクとスピーカーを内蔵しているため、双方向の会話も可能です。
ELEOPTION | 見守りカメラ
手のひらに収まるミニサイズで、メモリーカードが付属しているため、届いてすぐに使えます。
小型ながら、自動追尾機能、遠隔操作、双方向通信など機能も充実。
防犯カメラとしても活用できます。
パナソニック | 屋内HDカメラ|KX-HRC100
200万画素の高画質と約118度の広角レンズで室内をくまなくチェックできます。
録画機能、タイムラプス機能搭載で1日の映像を短時間で楽しめます。
ナイトモードでは赤外線LEDが自動点灯するので、暗い部屋でも赤ちゃんやペットの様子を見守ることができます。
介護見守りカメラで安全確保
見守りカメラとは、撮影した映像を通信回線を使って送信するシステム。
設置した部屋を撮影するだけでなく、暗いところでも撮影できたり、緊急時には声をかけたり、室内の音を聞いたりできる機能を備えている。
家族の要望とはいえ、撮影される高齢者は「監視されている」と感じることもあるようです。
ストレスの原因にもなりかねないため、まずはモニターされる方の同意を得ることが重要です。
日常生活にストレスを与えないよう、設置場所にも配慮して、見守りカメラを活用しましょう。
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