介護をする中で大切なことのひとつは、床ずれを予防することです。
床ずれを防ぐ方法はいろいろとありますが、寝返りクッションを使用する方法も有効です。
そこで、床ずれ予防の方法、床ずれ予防用具の選び方や特徴、介護用の寝返りクッションのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
ホームヘルパー2級(訪問介護員2級養成研修課程修了)。
訪問・デイサービス・介護施設を見てきた経験あり。
家族の介護経験も活かして記事を作ります。
介護の床ずれ予防のポイント
体圧分散による圧迫の軽減
寝ているときは、長時間同じ姿勢をとらないように体位を変え、皮膚の同じ部分への圧迫を減らします。
自力で寝返りが打てない場合は、2時間に1回程度、介護者が体位変換を行い、姿勢を変えます。
座るときは、横から見て股関節、膝関節、足関節がすべて90度になるようにし、太ももの裏側の広い範囲で体圧を受けるようにします。
長時間座らないように、15分に1回はお尻を上げて座り直すようにしましょう。
効果的な床ずれ防止寝返りクッション
マットレスやクッションなど、皮膚との接触面積を増やし圧力を分散させるものや、骨の出っ張りなど一点に圧力を分散させるものが効果的。
その他にも、体位変換を容易にするクッションや、寝返りを自動的に補助するベッドなど、床ずれ防止用具の種類は多い。
これらの福祉用具を利用して、体圧を軽減し、床ずれを予防しましょう。
スキンケアをする
皮膚を清潔に保ち、皮膚のバリア機能の低下を防ぎます。
沐浴や清拭で体を清潔にし、炎症を起こさないように適切なスキンケアを行うことが大切。
おむつをしている場合は、こまめに交換しましょう。
皮膚の汚れをそのままにしておくと炎症を起こしやすくなります。
おむつ交換の際には、皮膚の状態をよく観察して異常がないかをチェックし、皮膚が柔らかい部分には撥水性の高い軟膏や保湿クリームを塗って皮膚の炎症を防ぎましょう。
おむつは通気性がよく、吸収性の高いものを選ぶことが大切です。
柔らかい肌だけでなく、乾燥した肌もダメージを受けやすい。
高齢者の皮膚は乾燥しやすいので、清拭や入浴後に撥水性のクリームや保湿剤を塗って保湿することが大切です。
汗をかきすぎないように、汗をかきにくい環境を作ることも床ずれの予防になります。
寒いからといって重ね着をしたり、布団をかけすぎたりしないように注意し、快適な室温と湿度を保ちましょう。
シーツや寝具は吸水性が高く、熱が逃げやすいものを選び、汗をかいたらできるだけ早く汗を拭き取り、寝具や下着を取り替えることが大切です。
体を浮かせて摩擦を減らす
体位変換や移動の際は、体を浮かせて摩擦を減らします。
一人で体位変換を行う場合は、無理せず少しずつ動くことが大切です。
衣服やシーツのシワは摩擦の原因になります。
体の位置を変えたら、シワを伸ばすようにしましょう。
体の下に手を入れてシワを伸ばすときは、滑りやすい手袋やビニール袋を使うと便利です。
ベッドを起こすときは、上半身を支えるベッドの傾きが30度以下になるようにし、足側を起こすか、膝の下に枕を置くなどして、ずり落ちないようにしてください。
背上げは腰が滑りやすいので注意しましょう。
介護用寝返りクッションの選び方
介護用クッションを選ぶ際のチェックポイントを紹介します。
表面がザラザラして肌触りの悪いものは避ける
介護用クッションを選ぶときは、表面がザラザラしていて肌触りの悪いものは避けましょう。
高齢になると皮膚が弱くなるため、ザラザラしたクッションだと少し擦れただけでも傷ついてしまいます。
そのため、できるだけ表面がやわらかく、肌触りのよいものを選びましょう。
清潔さを保つために、洗濯可能か、抗菌性があるか確認する
介護用クッションは汗が染み込みやすいので、洗濯が可能か、抗菌・防水加工が施されているかを確認してから選びましょう。
通常のクッションよりも高価なものが多いので、なるべく買い替えは避けたいものです。
おすすめ介護用寝返りクッション3選
ここでは、様々な寝返りクッションのなかで特におすすめの3つを絞って紹介します。
ダンロップホームプロダクツ | エアークッション 角型
空気を入れて膨らませるエアクッションのため、必要な時だけ取り出してすぐに準備できます。
中央の大きな穴と8つの小さな穴が、局部にかかる体圧の分散をサポート。
ベッドのズレ防止や痔の保護、車いすのクッションなどの介護用品まで、幅広いシーンで活躍しそうです。
Dyaskz | 床ずれ防止マット
体位変換の補助、床ずれ防止、体圧分散など様々なサポートに役立つ床ずれ防止マット。
内側は極小ビーズと綿でできており、通気性がよく蒸れにくい。
裏面は滑り止め加工が施されており、丸めて背中や足などに使用できます。
タイエイグッズ | 三角クッション
体に沈み込まない適度な硬さの三角クッションは、手に取りやすい手頃な価格も魅力。
取り外して洗えるカバーは、汚れがつきにくいシンプルな素材を使用しています。
介助など介護の場面だけでなく、介護の現場でも活躍します。
寝返りの介助など介護の場面だけでなく、ランバーサポートや足上げ枕として普段使いもできます。
介護用寝返りクッションを使って床ずれを防ごう
床ずれは、一定の姿勢を保つことで圧迫された軟部組織の血流が減少したり、停止したりすることで、皮膚が赤くただれたり、傷ついたりする症状です。
床ずれを予防するためには、定期的に体位を変えることが有効です。
今回紹介した寝返りクッションを使って介護者の負担を軽減し、床ずれを予防しましょう。
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