イエアメガエルを飼育する際、ケージや水槽に流木を入れることが多いのは以下のような理由からです。
●樹上性の生き物の必需品
●見栄えがよくなる
●ケージ内の温度調節ができる
今回は、流木がイエアメガエルにおすすめな理由と、流木を入れる前の準備として欠かせない殺菌・除苦の方法、おすすめの流木を紹介します。
流木がイエアメガエルにおすすめな理由
爬虫類をケージや水槽で飼育する際、流木を入れることをおすすめする理由は大きく分けて2つあります。
見栄えが良くなる
水槽内に観葉植物をレイアウトして、水槽内に陸地を作る人もいますが、流木を取り入れることで、自然の風景を切り取ったようなレイアウトにすることができます。
また、流木には枝分かれしたものから平らなものまで様々な表情があるので、飼育する爬虫類に合わせて選ぶのはもちろん、レイアウトのアクセントになるようなものを選ぶと見栄えが良くなります。
ケージ内の温度調節ができる!
流木を入れることで、流木のある部分とない部分の高さを高くすることができます。
ケージや水槽内に温度差が生まれ、イエアメガエルがより快適な場所で休むことができます。
イエアメガエル用の流木の殺菌とアク抜きの方法
流木を入れる前に、殺菌と苦み抜きをする必要があります。
もちろん、川や森など外で拾ってきた流木を使う場合はこの作業をしなければなりませんが、お店で買ってきた流木でも、「アク抜き」されていないものは必ずこの作業をしなければなりません。
これをしないと、アクアテラリウムの水が濁って水質が悪化したり、アクに含まれるタンニンが爬虫類の皮膚を刺激したりすることがあります。
そのため、イエアメガエルを入れる前に、以下に紹介する殺菌・アク抜き方法を必ず読み、処理してください。
一番のおすすめ!アク抜きと煮沸消毒
大きな鍋でお湯を沸かして流木を茹でる方法は、アク抜きと殺菌が同時にできる最も簡単な方法です。
流木がかぶるくらいのお湯を沸かし、洗った流木を入れて茹でるだけ。
流木の大きさにもよりますが、通常は30分~1時間程度沸騰させれば十分です。
流木が大きい場合やアクがきちんと取れているか確認したい場合は、沸騰して茶色くなったお湯を捨て、もう一度お湯を沸かし、その中に流木を入れて沸騰させます。
色が変わらなければ問題ありません。
茹でることで流木が殺菌されるだけでなく、流木に含まれる空気が泡となって鍋の中に沈むので、アクアテラリウムで流木を水に沈める場合にもおすすめです。
大きめの鍋が必要ですが、普通の鍋だと茹でた後に流木が変色してしまうことがあるので、捨てそうな鍋や100円ショップで安く買える鍋を用意して茹でるのがいいでしょう。
水に浸して苦味を抜く
使っていない水槽やバケツに流木が完全に浸かるように水を張り、そのまま沈殿させて苦みを抜く方法。
茹でるのと違って火を使わず、鍋もいらないという利点がありますが、最大の欠点は時間がかかることです。
放っておけばいいというわけではなく、水が徐々に茶色く変色していくので、時々水を入れ替える必要があります。
さらに、大きさによっては1ヶ月から3、4ヶ月かかることもあるので、急ぐ人には向かないでしょう。
水に浮く流木もあるので、石を置いて浮かないようにする必要があります。
あく抜き・重曹を使う
あく抜き・重曹は、水に浸けても茹でても使えます。
また、使わないときよりも早く苦味を抜くことができるのがポイント。
タンニン除去剤の成分はほとんどが重曹なので、掃除や料理に使う重曹があれば、わざわざ用意する必要はありません。
水に浸して使う場合は、毎日水を替え、その都度重曹を加えると早く効果が出ます。
どのような方法であれ、水槽やケージに入れる前には必ずよく乾かしてください。
イエアメガエルにおすすめの流木5種類
流木を爬虫類と一緒に置くべき理由と、流木を使用する際に必要な殺菌・タンニン除去の方法を紹介したところで、爬虫類におすすめの流木の使い方も紹介します。
切り株型流木(スタンプウッド)
木の根のような形をしたスタンプウッドは、同じ形がほとんどないので、置くだけでオリジナルのレイアウトができるアイテムです。
形がしっかりしているので水に沈みやすいものが多く、カメなどの水棲爬虫類にも使いやすい。
また、爬虫類の隠れ家としても使えますが、他の流木と組み合わせる場合は少し工夫が必要なので注意しましょう。
枝状流木(ブランチウッド)
ブランチウッドはその名の通り細かく枝分かれしており、ヒョウモントカゲモドキや小型のカメレオンなど樹上性の生き物に使いやすい。
ショップで購入する場合、セットで売られていることもあります。
大きな流木の塊と組み合わせたり、複雑な枝状に組み合わせたりと、レイアウトのためだけでなく、組み合わせることで生き物の行動範囲を広げることもできます。
アクアテラリウムで使用する場合、枝が尖っていると生き物を傷つけてしまう可能性があるので、怪しい部分はヤスリで切り落とすか滑らかにすることをおすすめします。
ホーンウッド
枝状の流木よりも太く、幹に近いため、レイアウトに無骨な印象を与えます。
枝状流木と組み合わせて、樹上生物の住処として使われることが多いです。
塊状流木
販売されている流木の中では最もポピュラーなもののひとつで、様々な形をしているのが特徴。
大きさは40cm以下のものが多く、水槽ではウィローモスのスペースやエビの隠れ家として利用されています。
また、樹上生物の隠れ家や木陰、クライミングアイテムとしても利用でき、他の流木と組み合わせてアクセントを作るのもおすすめです。
大型流木
圧倒的な存在感を放つ大型の流木は、トカゲやカメなど大型の爬虫類を飼育する際にはぜひ揃えておきたいアイテム。
アクアテラリウムに取り入れることで、ナチュラル感を演出するのにも役立ちます。
自分で加工するのは難しいので、ショップで購入するのが一般的ですが、流木の質が大きく影響するので、高くてもきちんと加工された上質な流木を選ぶことをおすすめします。
イエアメガエルに入れる流木を探そう
テラリウムやアクアテラリウムで爬虫類を飼育する場合、流木を入れると見栄えが良くなり、カメレオンなどの樹上性の生き物には欠かせない温度調節ができるのでおすすめです。
自分で殺菌や苦味抜きをする場合は、木を煮沸したり水に浸したりする方法がありますが、自分で行うのが難しい場合は、”アク抜き “や “水没 “ができる商品を選ぶと良いでしょう。
すでにイエアメガエルの飼育をしている方、これからイエアメガエルの飼育を考えている方は、ぜひこの記事を参考にして飼育に適した環境で飼育してあげてください。