法人税等調整額とは?決算書を調整しなければならないケース

法人税等調整額とは?決算書を調整しなければならないケース

                                                                  決算書上で目にする法人税等調整額とは何かわからない人も多いです。そこで、法人税等調整額の役割を、調整が必要となる原因と併せて解説します。



法人税等調整額について

・企業会計と法人税にはズレが生じる。法人税等調整額には企業会計と法人税の差異の調整する役割がある
・法人税等調整額を計上する会計を税効果会計という
・法人税等調整額は税務署に納付するものではない

法人税等調整額を計上する際に!税効果会計の調整対象とは

企業会計と法人税の差異には一時的な差異と永久的な差異があります。税効果会計の対象となるのは一時差異のみです。一時差異にどんなものがあるか解説します。

将来加算一時差異

将来加算一時差異とは、一時差異の解消時に課税所得を増額する効果があるものです。将来加算一時差異は、一時差異が生じた年の税引前当期純利益に差異を減算し、差異が解消される年に税引前当期純利益に加算します。
将来加算一時差異は、将来的に課税所得の増額、つまり法人税等の税金の増額する効果があります。

将来減算一時差異

将来減算一時差異とは、一時差異解消時に課税所得を減額する効果があるものです。将来減算一時差異は、一時差異が生じた年の税引前当期純利益に差異を加算し、差異が解消される年に税引前当期純利益から減算します。
将来減算一時差異は、将来的に課税所得の減額、つまり法人税等の税金を減額する効果があります。

法人税等調整額とは?企業会計と法人税の差が生じる理由

企業会計と法人税の差異が生じる原因について解説します。

時価会計の計上の違い

企業会計では、保有資産の価値が下落した場合にはその分の経費を計上する必要があります。法人税の税務会計では時価会計が認められておらず、購入した当初の資産価値であることが求められるのです。
例として10億円で購入した土地が時価3億円まで下落した場合、企業会計では下落した7億円分の評価損を計上することができます。一方、税務会計では3億円まで下落しても、7億円分の評価損が認められません。
企業会計と税務会計では、会計科目の認識にズレが発生する影響で差異が生じてしまいます。

固定資産の計上の違い

企業会計では、固定資産が何年使用可能であるか、企業にて見積もり経費計上を行います。法人税の税務会計では、固定資産ごとに何年で経費にするかが決められており、これを法定耐用年数といいます。
例として、ある機械を100億円で4年間使用できると企業会計で見積もった場合、当期は25億円を経費計上します。一方、税務会計で処理する場合、同じ機械を税務上10年間使用できると定められていると、1年あたり10億円となります。
上記の例だと、同じ機械を導入しても、15億円もの企業会計と法人税の差異が生じることになるのです。

法人税等調整額を計上して税効果会計をするメリット

税効果会計は企業会計の基準において適用する必要があります。税効果会計を適用することにより、企業会計上の損益と税金負担の関係が理解しやすくなるのです。上場企業も非上場の中小企業でも同じメリットがあります。
税効果会計を適用した損益計算書が示す当期純利益は、企業会計上の損益に合わせた税金費用が計上されているので、会社の財政状況などが正確にわかるようになります。

法人税等調整額の仕組みを知って会計処理をしよう

法人税等調整額には決算書と税額の整合性を測る目的があります。仕組みを理解し会計処理を円滑に進めましょう。


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