フリーアドレスオフィスを成功させるコツとメリットとデメリットとは

フリーアドレスオフィスを成功させるコツとメリットとデメリットとは

                                                                  オフィスに指定席を作らず、それぞれが好きな席で仕事ができるフリーアドレスオフィスを導入する企業も増えています。しかし、フリーアドレスオフィスを導入したことによって成功した企業もあれば失敗だったという企業もあるのです。この記事では、フリーアドレスオフィスのメリット・デメリットや成功のポイントなどについて紹介します。

フリーアドレスオフィス導入のメリットとデメリット

フリーアドレスオフィスのメリット・デメリットにはどのようなことがあるのかについて紹介します。

フリーアドレスオフィスのメリットとは

はじめに、フリーアドレスオフィスのメリットについて見ていきましょう。

社員同士のコミュニケーションの活性化

フリーアドレスオフィスでは、毎回座席が変わるため、他部署の人とのコミュニケーションが盛んになったり、部署内でもグループワークを行いやすくなるというメリットがあります。
同僚のみならず、上司とのコミュニケーションをとる機会が増えるため、職場環境の風通しがよくなるでしょう。

省スペースでもできる

フリーアドレスオフィスの大きなメリットとして、「省スペース」「省コスト」であり、フリーアドレスのレイアウト次第では、通常よりも座席数を40~50%カットできます。
座席数を増やすことができたり、反対に小さなオフィスに移転して賃料を抑えたりできるでしょう。

セキュリティ面の向上

固定された自分の席がある場合、気のゆるみで紙媒体の重要資料などを机に置いたままにしてしまい、盗み見されたり、社外に流出したりする可能性がありますが、フリーアドレスにすることで、社外秘の情報漏洩に対しての警戒心が強まります。
フリーアドレスオフィスでは、資料をペーパーレス化して情報のレベルに応じてアクセス権を設定、セキュリティ対策を行うことによってセキュリティを向上させられるのです。

机を整頓できる

フリーアドレスオフィスにすると、個人の私物を置ける場所はロッカーなどに限られるため、机の上に私物を置いたままにする状況などがなくなります。
要らない資料などを捨てるきっかけになり、ペーパーレス化が進むなど、オフィス全体が整理整頓されるというメリットがあるのです。

レイアウト変更も簡単

オフィスのレイアウト変更をする際に容易に移動できるため手間が発生せず、部署の移動などでも、荷物の移動がないため便利です。
オープンスペースにすることによって同じ床面積でも、開放的なレイアウトにすることによって広々とスペースを使えます。

フリーアドレスオフィスのデメリットとは

次に、フリーアドレスオフィスのデメリットについて紹介します。

初期費用

フリーアドレスオフィスを取り入れるためには、以下の様に準備するものが多いため初期費用がかかります。席の移動で持ち歩いても使用できるノートパソコンが必要です。
電話や来客の際、すぐに取り次ぐことができるための携帯電話、個人の机の引き出しなどの代わりに、私物を片付けるためのロッカーなども必要になるでしょう。

従業員の勤怠管理

フリーアドレスオフィスでは、座席を自由に移動することができるため、とくに人数の多い会社では、部下の座席が分からずに勤怠管理が難しくなるケースがあります。
フリーアドレスオフィスを取り入れている会社では、勤怠管理は、システム上で仕事内容を申告するなどの方法で管理を行うケースが多いです。

外線や来客の取り次ぎで困る

フリーアドレスオフィスでは、どの社員がどこに座っているのかが分かりにくいため、来客の取り次ぎや、外線の取り次ぎで困ってしまうケースがあります。
解決策として、ネットワーク上の共有フォルダやクラウドサービス、連絡ツールとしてLINEのようなチャット場を用意する必要があるのです。

フリーアドレスオフィスの注意点

フリーアドレスオフィスの問題点としてどのようなことがあるのかについて紹介します。

座席が固定される

フリーアドレスオフィスでは、座席が自由であるにも関わらず、毎日同じ人が同じ席を使うということがあるため、フリーアドレスのメリットが得られない場合があります。
フリーアドレスでは、初めは自由に座席を選んでいたものの、次第に固定席になってしまうケースがよく見られるのです。

上司と部下との距離感

固定席では、上司の席は上座、部下の席は下座に配置されることが一般的であるため、上司と部下の距離間がとりやすいです。
フリーアドレスオフィスでは、上司の席も決まっていないため、上司と部下の距離感が保ちにくく、席を決めるためにお互い気を遣うケースがあります。

コミュニケーションが苦手な人もいる

固定席ではコミュニケーションが苦手でも、上司や同僚と隣り合って座る必要があるため、コミュニケーションを取らざる得ない状況が発生するため、社内で孤立することが少なくなります。
フリーアドレスの導入で自由に席が選べるようになると、同僚や上司との接触を避けた結果、孤立してしまうというケースもあるでしょう。

書類の収納するスペース

フリーアドレスオフィスでは、自分の席がないため、机や引き出しに書類を保管できないため、デスク以外の収納に書類をしまうスペースが必要です。
個人ロッカーが必要な大きさよりも小さかったり、共有ロッカーが使えないなど、収納スペースが少ないと書類や持ち物を保管できず、持ち歩くことになるため不便に感じるケースがあります。


フリーアドレスオフィス導入のポイント

フリーアドレスオフィスを成功させるためのポイントについて紹介します。

座席が固定しないようにする

フリーアドレスオフィスの大きな問題点として座席が同じ人で固定されてしまうことがあるため、毎日同じ座席にならないように、座席が流動的になるようなルールづくりをします。
座席が固定してきた場合、例えば席を自動的に決めるシステムや、くじ引きを導入するなどの方法を試してみるとよいでしょう。

収納スペースを工夫

デスクに書類や私物を置くことができないフリーアドレスでは、個人用のロッカーや共用ロッカー、資料を運ぶために便利な可動式ワゴンなどを設置します。
個人ロッカーは鍵付きで貴重品やパソコンなどを入れ、共用ロッカーには、カタログや資料など共用で使用するものを入れるなど、収納スペースの工夫が必要です。

フリーアドレス以外の席も作る

自由に座り、部署に関わらず話が出来る共有スペースだけでなく、重要な業務や考えながら仕事がしたい人に向けて集中できるスペースを作ることがポイントです。
例えば、窓に向かったカウンタータイプの席や、三方を仕切りで区切った半個室タイプの席を作ると、仕事内容や気分に適した仕事を行う事ができ、業務効率もあげられます。

フリーアドレスオフィスに適した企業

フリーアドレスオフィスに向いているのはどのような企業なのかについて紹介します。

通信や共用環境が整っている

フリーアドレスの導入を実現させるためには、ノートパソコンや携帯電話などの電子機器、通信環境の準備、ネットワーク上の共有フォルダを用意する必要があります。
それぞれが使用できるように環境を整えるためには初期費用がかかるため、最初から整っている企業は、フリーアドレスオフィスをスムーズに導入することができるでしょう。

在籍率が低い

営業など、1日のうちで社員の半分ほどが外出しているようなオフィスでは、執務エリアの半分が空席のまま放置されていることになるため、使われていないスペースを縮小し、別の空間へと変える、もしくはその分小さいオフィスに移転し賃料を抑えることができるようになります。
在籍率の目安としては、全体の人数の40%未満くらいです。

社員の改善意識が高い

フリーアドレスオフィスを導入することで、在宅ワークの環境が整うケースもあります。
社員の働き方改革の意識が高い場合、今後の働き方のメリットにつながる可能性があるでしょう。

自由な働き方をしている

フレックスタイム制や、直行・直帰ができるなど勤務体系に融通がきく企業は、もともと勤怠管理の方法も確立されているため、フリーアドレスオフィスをスムーズに導入できます。

フリーアドレスオフィスに適していない企業

フリーアドレスオフィスに向いていないケースにはどのようなことがあるのか紹介します。

在籍率が高い

在籍率が高い部署は、オフィススペースの削減効果が期待できないため、フリーアドレスオフィスに向いていません。
在籍率が高く落ち着いた環境で作業をする、経理や法務などのバックオフィスは、集中力や生産性が下がる可能性あるためフリーアドレスオフィスに向いていないです。

データの機密性が高い

オフィス外には持ち出せないような機密性の高いデータや容量の大きいデータを扱っている場合は、パソコンの共有などが不可能であるため、フリーアドレスオフィスに向いていません。
個人でセキュリティ面の管理が必要となる可能性があるため、フリーアドレスオフィスに向いていないでしょう。

座席の移動不可

総務職や事務職などの電話対応が多い会社は、自由に席を移動することができないため、フリーアドレスオフィスに向いていません。
また、デスクトップが必要などクリエイターがメインである会社は、在籍率も高くなるためフリーアドレスオフィスに向いていないでしょう。

社員のタイムスケジュール

社員のタイムスケジュールが同じであると、社員同士のオフィスに滞在する時間帯が重なるため、在籍率が高くなり、フリーアドレスオフィスのメリットを活かせないため、フリーアドレスオフィスに向いていません。

フリーアドレスオフィスの実施事例

有名企業でもフリーアドレスオフィスを取り入れているケースがあります。実際にどのように取り入れているのか、成功事例を見ていきましょう。

キューピー株式会社

マヨネーズでお馴染みのキューピー株式会社もオフィス改革の一環としてフリーアドレスを導入しています。
共有フロアは、目的に合わせて働く場所を自由に選べるよう設計されており、モニター付きブースや4人掛けテーブルなどが配置された「ミーティングスペース」、機密性の高い打ち合わせに便利な半個室の「ミーティングルーム」、誰でも利用できる「誰でもデスク」、窓際に並べられた「集中スペース」などがあります。
フリーアドレスにすることによって加工食品チームと食品開発チームが連携しやすくなった結果、新商品の開発期間が約6か月削減されたという事例があるのです。

ハウス食品株式会社

カレーなどの食品で有名なハウス食品株式会社では、自分の席という場所に縛られることなく、「適業適所」という考え方でやりたい仕事に相応しい空間(打ち合わせ・立ち会議・集中コーナー)を利用できる仕様にしています。
フリーアドレスオフィスの導入により、7割の文書削減にも取組み、ペーパーレスな働き方の環境を整えることに成功しました。
将来のフリーアドレス化にも繋げられるよう大型ロングデスクを採用し、フリーアドレスオフィスで使用されることの多い可動式のワゴンなどは使用せずに書類は個人ロッカーに収納するようにしています。

カルビー株式会社

ポテトチップスで有名なカルビー株式会社では、出社すると、「ソロ席」「集中席」「コミュニケーション席」という3種類から座席を選択して、コンピューターがその種類の席の中からランダムに席を割り振るようになっているため、座席の固定化を防止しています。
座席の種類は時運で選ぶことができ、場所のみランダムにするため、最適な環境で、他部署間のコミュニケーションの活性化が期待できるでしょう。
また、働き方改革にもつながっています。

フリーアドレスオフィスに適しているか見極める

フリーアドレスオフィスは、自由な雰囲気でおしゃれな人気のあるレイアウトであるが、向き不向きがあります。向いている企業であれば大きなメリットを得ることができますが、向いている企業は失敗する可能性があるため見極めが必要です。自社に取り入れる際には、記事で紹介したポイントを参考にしてみましょう。


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