樹上性のヤモリとして人気の「クレステッドゲッコー」は、おとなしい性格で人に慣れているため、扱いやすいヤモリです。
クレステッドゲッコーには、ヒーターの設置やレイアウトの工夫が必要です。
今回はそんなクレステッドゲッコーの飼育に必要なものと、ヒーターやコルクの使い方、ケージのレイアウトを紹介します。
クレステッドゲッコーの成長速度
安定した環境で飼育した場合、15年から20年ほど生きます。
5年というと大きな違いのように思えるかもしれないですが、他の生き物と同じように、生殖を経験するか、問題なく一生を終えるかによります。
クレステッドゲッコーは爬虫類の中でも珍しい特徴をたくさん持っていますが、成長速度の遅さも珍しいです。
よく比較されるヒョウモントカゲモドキは10年から15年生きますが、クレステッドゲッコーの成長速度は遅く、代謝は温度に大きく依存すると言われています。
また、形態によっては3ヶ月ほどしか生きられないこともあります。
クレステッドゲッコーを飼うときに最初に購入する必要なもの
クレステッドゲッコーを家に迎える際に、最低限必要なものを紹介します。
飼育ケース
クレステッドゲッコーは木の上で生活するので、ある程度背の高いものを選びます。
【選び方】
①スライド式で開くので開閉が楽
②開閉部分が磁石で固定されるので、わざわざロックする必要がない
③ケースが小さいので、ウンチの回数が多い初期の掃除がしやすい
開閉部分が磁石で固定されると、わざわざロックする必要がありません。
さらに、ケースが小さいと、ウンチの回数が多い初期の掃除がしやすいです。
サイズが小さいと、大人(20~25cmくらい)になると買い替えなければなりません。
1年で約20〜25cmに成長します。
そこで、最初から大きな飼育ケースを使いたい方には、以下のものをおすすめします。
パネルヒーター
クレステッドゲッコーは24度前後の温度を好むので、側面にパネルヒーターを設置します。
ヒーターは飼育容器の側面面積の1/3~1/2の場所に設置し、温度が高くなったときに逃げ道が確保できるようにします。
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温度計・湿度計
コード付きでもよいですが、特にメリットがないためコードレスがおすすめです。
【選び方】
①コードレスかどうか
②デジタル(温度や湿度が一瞬でわかる)
③取り外ししやすい(掃除のときに外せる)
④防水(スプレーボトルで水をかけられる)
餌
成虫(1歳以上)は2日に1回、幼虫は毎日与えてください。
コオロギ
コオロギの頭は消化されないので、若い個体には栄養価の高い胴体部分のみを与えることもあります(冷凍コオロギの場合)。
乾燥コオロギよりも冷凍コオロギの方が水分を多く含むので良いです。
カルシウムとビタミンのサプリメント
人工飼料よりもコオロギを多く与えたい場合は、コオロギにふりかけて与えます。
くる病(カルシウムやビタミンDが不足し、骨格が変形する病気)の予防になるので、購入をおすすめします。
クレステッドゲッコー用フード/練り餌
クレステッドゲッコー用のフードは「クレスパウダー」です。
85g、350gとサイズがあります、
幼い個体は少量しか食べないため、85gでも1年は持ちます。
また、味も数種類あるので、個体の好みに合わせて購入するといいでしょう。
なお、基本的には、レパシーのみでも飼育できます。
しかし、クル病になることもあるため、他の餌も組み合わせることが多いです。
エサ入れ
小さいうちは、人に慣れさせるために手で(ピンセットやスプーンを使って)与えるのが良いです。
しかし、クレステッドゲッコーは与えたものだけでなく、欲しがるものしか食べないため、餌入れを使って餌を出すことをおすすめします。
寝床
湿度を保つために、ヤシ殻チップがおすすめです。
ただし、小さな粒のものは、クレステッドゲッコーの手(吸盤)に引っかかって粘着力を失うことがあるので、使用は避けましょう。
流木とシェルター
野生のクレステッドゲッコーは木の上で生活しています。
また、止まり木やシェルターがないと、ガラス面に逆さまにくっついてしまい、背骨や尾が変形してしまうので、止まり木は必須です。
1. クレステッドゲッコーが木の上で休めるように、地面と平行か、少し斜めの場所を選ぶ
2. シェルターを壁に立てかけるか、隠れ家を用意して暗い場所を作る
また、流木を斜めに使って休む場所を作ります。
流木は、木を洗うときにブラシでこすることができるので、手入れが簡単です(普通の木をブラシでこすると、表面の樹皮がポロポロと落ちてしまいます)。
クレステッドゲッコーは樹上生活をするヤモリなので、ケージの中に流木やコルクの樹皮を置くと、立体的に動き回りやすくなり、またリラックスして休む場所にもなります。
流木やコルクバークも良いのですが、しっぽが曲がって結び目ができてしまった状態を防ぐために、床に水平に置けるものが良いでしょう。
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その他に必要な物
ミストボトル
朝と夜の1日2回、霧吹きをします。
目安としては、朝に霧吹きをして、夜までに乾かすのが良いと言われています。
また、壁についた水滴で水分補給をするので、忘れずに霧吹きを使いましょう。
ピンセット(長め)
コオロギを与えるときや、人工餌をピンセットの先につけて与えるときに使います。
テラリウム用の長いピンセットがおすすめです。
クレステッドゲッコーに必要なものにかかる費用
必要なもの | 平均価格 |
飼育ケース | ¥3,000 |
パネルヒーター | ¥4,000 |
温度計・湿度計 | ¥2,000 |
餌(冷凍コオロギ145匹) | ¥1,000 |
餌(レパシー170g) | ¥2,000 |
床材 | ¥1,000 |
止まり木 | ¥1,400 |
ピンセット | ¥800 |
必要なものを揃えてクレステッドゲッコーをお迎えしよう
クレステッドゲッコーは日本でも多く飼育されている人気のペットで、すぐに慣れてくれる愛嬌のあるヤモリです。
世話が簡単なのも人気の理由で、初めて爬虫類を飼う人にもおすすめです。
また、様々な形態があるので、きっと好みの個体が見つかるはずです!必要なものを揃えてから、クレステッドゲッコーをお迎えしましょう。