テレビでトカゲやヘビが脱走したというニュースを聞いたことはありませんか?実はクレステッドゲッコーなどの爬虫類は脱走が得意なのです。
しかし、クレステッドゲッコーが脱走して自然の屋外で生活することは決して良いことではありません。
今回は、クレステッドゲッコーの脱走防止対策を紹介します。
クレステッドゲッコーが逃げると危険な理由
もしクレステッドゲッコーが脱走して家の外に飛び出してしまったら、捕まえるのはとても大変です。
クレステッドゲッコーは地面に掘った穴や物陰、隙間などに棲んでいるからです。
もうひとつの理由は、クレステッドゲッコーはとても機敏だからです。
これらの理由から、クレステッドゲッコーを逃がしてはいけません。
自然の生息地に戻って暮らしてくれればいいのに」と思うかもしれませんが、実はそう簡単にはいきません。
ここでは、なぜクレステッドゲッコーを逃がしてはいけないのかについてお話します。
生態系への影響
ペットとして飼われているトカゲの多くは、日本に生息していない外来種です。
本来そこにいるはずのないクレステッドゲッコーが野生で暮らし始めると、その地域の昆虫を食べてしまい、本来そこにいるはずの昆虫の個体数を減らしてしまう可能性があります。
さらに、繁殖して「侵略的外来種」となり、その地域の生態系をさらに脅かす危険性もあります。
このように、ペットのクレステッドゲッコーを野生に帰すことは、単に「自然に還す」ことではないのです。
爬虫類を嫌う人は多い
爬虫類好きには信じられないかもしれないですが、世の中には「爬虫類が嫌い」な人が結構います。
爬虫類が苦手な人にとっては、大型のクレステッドゲッコーはもちろん、小型のクレステッドゲッコーであっても、身近にクレステッドゲッコーがいれば「怖い!」と感じるでしょう。
また、万が一クレステッドゲッコーが逃げ出してしまったら、警察や行政に捕獲の協力を仰ぐ必要が出てきます。
もちろん、近隣住民にも迷惑をかけることになります。
このように、クレステッドゲッコーの脱走は多くの人に迷惑をかけるということを覚えておきましょう。
命の危険がある
脱走したクレステッドゲッコーが野生で幸せに暮らせるとは限りません。
ペットとして飼われている間は、飼い主はクレステッドゲッコーが快適に暮らせるように環境を整えていたはずです。
しかし、自然はクレステッドゲッコーにとって必ずしも快適な環境とは限りません。
クレステッドゲッコーの生態によっては、日本の気候に合わないこともあります。
季節によっては寒さで凍死したり、暑さで熱中症になったり、餌がとれずに餓死したりすることもあります。
また、カラスなどの肉食動物に襲われたり、車にひかれたりなど、さまざまな原因で死んでしまう可能性もあります。
クレステッドゲッコーは過酷な環境に放り込まれることになるので、クレステッドゲッコーのためにも脱走は避けなければなりません。
クレステッドゲッコーが逃げるのを防ぐためのチェックポイント
とにかく大切なクレステッドゲッコーを逃がさない環境を整えることが一番大切です。
では、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
ここでは、クレステッドゲッコーの脱走を防ぐために日頃からチェックしておきたいことを紹介します。
ケージの扉を開けたまま作業しない
クレステッドゲッコーのケージの掃除や給餌、取り扱いの際に、ケージのフタや扉を開けたまま作業をしていることがあります。
実はこれが一番危険です。
ちょっと目を離した隙に、クレステッドゲッコーが壁を乗り越えようとすることはよくあることです。
さらに、パニックになって力ずくでつかまえようとしたり、ケージに押し戻そうとしたりすると、クレステッドゲッコーは驚いてしまい、あなたとクレステッドゲッコーの関係が悪化してしまうかもしれません。
ケージのフタや扉を開けたまま作業しないことを習慣づけましょう。
ケージのふたが壊れている
クレステッドゲッコーは、フタや扉が壊れてできたわずかな隙間から簡単に逃げ出すことができます。
ケージのフタや扉はしっかりと閉めましょう。
壊れている場合は修理するか、新しいケージを買って脱走しにくくしましょう。
また、フタや扉に鍵をつけるとさらに安心です。
クレステッドゲッコーが通り抜けられそうな穴がある
隙間と同じで、小さな穴でもクレステッドゲッコーが通れると思えば逃げ道になります。
多くの爬虫類用ケージはガラスやアクリルで囲まれているため、側面に穴は開いていませんが、上部がメッシュや格子状のケージの場合、穴が大きく開いていることが多いです。
広がったりしそうな箇所がないか、常にチェックしておきましょう。
クレステッドゲッコーが脱走したら?逃げた時の対処法
クレステッドゲッコーが逃げることがないように、飼い主は日頃からクレステッドゲッコーの世話の仕方やケージの状態に気を配る必要があります。
しかし、どんなに気をつけていても、クレステッドゲッコーが脱走してしまうことはあり得ません!
もしクレステッドゲッコーが脱走してしまったら、どうすればいいのでしょうか?
クレステッドゲッコーがケージからいなくなった場合の対処法を紹介します。
部屋から出ないようにする
脱走で一番避けなければならないのは、外に出てしまうことです。
まず、ドアや窓などの出口になりそうなものは必ず閉めて、クレステッドゲッコーがケージのある部屋から出られないようにしましょう。
クレステッドゲッコーが脱走するまでの時間がわからない場合でも、まだ部屋の中にいる可能性を考え、外に出ないようにしましょう。
クレステッドゲッコーが逃げたとしても、部屋から出ていなければ捕獲は難しくありません。
部屋をしっかり閉め切ったら、必要に応じて他の部屋もチェックし、机の下などに隠れていないか確認します。
クレステッドゲッコーが部屋から出られないようにしたら、部屋の中を探します。
その際、クレステッドゲッコーの体調を考慮し、クレステッドゲッコーにとって適切な室温に保つとよいでしょう。
机やベッドの下、タンスや本棚の横、鉢植えの陰など、クレステッドゲッコーが隠れられる暗い場所を重点的に探してください。
また、部屋の状況にもよりますが、クレステッドゲッコーがよじ登ることも考えて、低い場所だけでなく、棚の中など高い場所もチェックしましょう。
その他、電化製品の熱で温まっている場所や水回りなどもクレステッドゲッコーが隠れている可能性があります。
クレステッドゲッコーがいそうな場所を、思いつく限り丁寧に探してください。
クレステッドゲッコーが逃げ出したら警察に連絡
いくら探してもクレステッドゲッコーが見つからない、他に探す場所がない、という状況になったら、クレステッドゲッコーの大小にかかわらず、すぐに警察に連絡してください。
警察に連絡してクレステッドゲッコーの捕獲を依頼するだけでなく、逃げたクレステッドゲッコーが保護されたかどうかを確認することも大切です。
保護されていても、飼い主が見つからなければ安楽死させられることもあります。
クレステッドゲッコーが外に逃げたと思ったら、まず最寄りの警察署に連絡してください。
クレステッドゲッコーが逃げることがないように対策をしよう
クレステッドゲッコーに限らず、脱走は比較的起こりやすい問題です。
いつも気をつけていたのに、ちょっとしたきっかけでクレステッドゲッコーを脱走させてしまったという話もよく聞きます。
まずはケージの状態をこまめにチェックし、掃除や餌やりのためにケージのフタや扉を開けることがあっても、開けた後は必ず閉めるようにしましょう。
ただし、万が一クレステッドゲッコーがケージから脱走してしまった場合は、絶対に外に出してはいけません。
まず、ケージのある部屋のドアや窓をしっかり閉めてから探します。
クレステッドゲッコーと少しでも長く一緒に過ごすためにも、逃げる可能性を念頭に置いて飼育をしましょう。