バナナはしっとりとした食感と甘みが特徴であり、年代を問わず人気のあるフルーツの1つです。
バナナを使ってスイーツを考案したい場合、変色しやすい点に注意しながら扱う必要があります。淡い黄色と独特の食感を生かしたスイーツを作るためには、バナナの栄養素やカロリーといった特徴と、扱い方を知ることが大切です。
そこで、バナナの栄養など基本的な情報やおいしいバナナの見分け方、可能な限り長持ちさせるための保存法などを紹介します。
バナナのカロリーや栄養素
バナナは1本でおよそ86kcalあり、お米にすると お茶碗半分、食パンであれば6枚切り半分に相当するカロリーです。
果物のなかでは比較的カロリーは高いですが、バナナを含め果物の糖質はエネルギーに変換されやすいうえに吸収もスピードも緩やかであるため、主食として食べるのもよいでしょう。
バナナの糖質については、果糖、ショ糖、ブドウ糖といったさまざまな種類が含まれています。
特にブドウ糖は、摂取するとすぐに脳のエネルギーに変換されることが特徴です。
疲れが溜まっているとかや目を覚ましたいときなどにブドウ糖を摂取すると頭が冴えるため、食べるタイミングを意識することもポイントだといえます。
果糖については、バナナに含まれる糖質のなかでも多く含まれている種類であり、血糖値を急激にげることなく徐々に体内に吸収することが特徴です。ゆっくりと吸収されることで、太りにくい体質を作ることにもつながります。
ショ糖は果糖とブドウ糖をからなる成分であり、自然の糖質は体の健康維持に役立つでしょう。
バナナにはさまざまな糖分が含まれており、それぞれ体に吸収されるスピードが異なります。
バナナに含まれるすべての糖分を体内へ吸収するまでに時間がかかることで、血糖値が緩やかに上昇し、脂肪を蓄積せず肥満予防にも効果を期待できることが魅力です。
そのため、ダイエットをしている際に積極的に食べたい食材としても挙げられます。
貧血やむくみ、便秘予防、代謝の向上にもつながるミネラルやビタミン、食物繊維もバランスよく含んでいるため、健康維持や美容に効果が期待できる、魅力的な果物です。
バナナの糖質は20分程度で消化されることが特徴であり、ダイエット目的で摂取するのであれば体を動かす30分前に摂取するとよいでしょう。
エネルギーに変換されやすい糖質から順番に消化され、エネルギーが継続するためです。
また、運動後30分以内にバナナを摂取すると筋肉の修復や疲労の回復にも効果が期待できます。
運動前だけではなく朝の時間帯など、日中の活動に向けてバナナで糖質を摂取する方法も有効です。栄養バランスが整ったバナナは、軽食やおやつにも最適だといえるでしょう。
おいしいバナナの選び方
バナナを選ぶ際には、果実の部分だけではなく茎もしっかりと確認しましょう。
一般的に購入できるバナナは、数本セットになっているケースが多いため房の付け根をチェックすることがポイントです。
房の付け根がしっかりしているもので、茎が細く長いものではなく短くて太いもののほうが甘く香りもよいものだといえます。
房の付け根部分には農薬が蓄積しやすいため、食べる際にはしっかりと切り落とすことが大切です。
バナナの実の部分は角張っているものではなく丸みをおびているものを選びましょう。
バナナの色は全体が均一に黄色いものがおいしく、皮が青いものはまだ熟してないバナナです。
バナナの色は青から緑、緑から黄色へ変化していくため、すぐに食べるのであれば黄色くなっているものを選ぶ必要があります。
色が青いものは食べごろまで追熟しなければなりませんが、必ず熟すという保証はないため注意が必要です。
追熟とは、果物の中に含まれるペクチンやデンプン質などが酵素で分解され、糖に変換されることで甘さが引き出されて実の部分が柔らかくなる現象です。
追熟させるためには15度前後の温度で管理しなければならず、13度をきると追熟されず甘みも増加しないうえに、低音障害と呼ばれる現象が起こり皮が黒く見た目が悪くなります。
バナナは反った背中の部分を下にした状態で販売されているケースが多いですが、背中部分に重さが集中した状態で長時間放置されていると 部分的に傷んでしまいます。
購入する際には裏までしっかり確認し、柔らかくなっていないか、変色していないかをチェックしましょう。
また、バナナの表面には黒い斑点が見られるケースが多いですが、傷んでいるわけではなくシュガースポットと呼ばれるものです。黒い斑点は食べ頃を迎えたサインでもあります。
バナナをきれいに長持ちさせよう
バナナは、冷蔵庫に入れておくと黒く変色し、傷んで食べられなくなります。
バナナを含め暖かい地域で栽培収穫される果物や野菜は、冷蔵庫に入れると低温障害を起こしてしまうことが特徴です。
そのため、新聞紙などで包んだうえで、温度が低く暗い場所で保管しましょう。保管する際は重みが集中する部分が傷むため、反っている背中側を上にしておくことがポイントです。
バナナを吊るして保管するアイテムも販売されていますが、完熟すると付け根から落ちてしまうケースも多いため、吊るして保管する際には十分注意しましょう。
完熟しているバナナを購入した際にはそのまま冷蔵庫にいれるのではなく、熟しすぎないようラップに包み、冷蔵庫で保管します。
保管したあとも可能な限り早く食べることが大切です。
また、完熟したバナナであれば冷凍して保存する方法もよいでしょう。
冷凍する際には皮を向いてしっかりとラップで巻いてから冷凍します。
凍ったままスライスしても食べることが可能ですが、ミキサーでシェイクにするなどアレンジの幅が広がることがメリットです。
バナナを使った調理のアイデア
バナナは、さまざまな方法でおいしく食べられる果物です。生のままでチョコソースをかけるだけでも、チョコとバナナそれぞれの甘さが引き立ちます。
スライスしたものにグラニュー糖などをふりかけ、バーナーで表面を焦がすと苦味と甘味のバランスがよいデザートとして楽しめるでしょう。
フライパンでキャラメルを作り、その中にバナナを入れて絡め、ラム酒を振りかけてフランベする方法も有効です。
アイスクリームやシャーベット、ムースなどにアレンジしたり、バター生地の中に入れて焼き上げたりする調理法もあります。
また、バナナの皮を器に、ムースやシャーベット、さいのめ切りしたバナナを合わせて詰めると、見た目も華やかなデザートになるでしょう。