【実話】言語交換アプリでの恋|第3部:現実との接触—移住とその後の違和感|恋と好奇心の代償シリーズ

【実話】言語交換アプリでの恋|第3部:現実との接触—移住とその後の違和感|恋と好奇心の代償シリーズ

彼が日本に到着

ついに、彼が日本にやってきました。
成田空港の到着ゲート。私たちは軽く片手を上げ、「Hi」――それだけ。ハグも感動の瞬間もなくて、あっさりしていました。 

でも、不思議と“初対面”って感じはしませんでした。長いメッセージのやりとりと、ゲーム内での数回の通話を経ていたからでしょう。画面の中の彼が、ようやく現実に“ログイン”してきたような感覚。

嬉しかった、けれど……その日の私の役割は、彼の「荷物運搬係」。そう、空港に来た理由は「会いたかったから」よりも「スーツケース運ぶため」の方が強かったのです。すでに私は、彼にとって“実働部隊”の一員だったのかもしれません。

実働部隊として尽くしたこと

・物件探しを手伝う
・ペットホテルを探す
・彼の印鑑を事前に受け取って保管し、日本到着時に手渡す

彼の移住計画が恐ろしく準備不足であったために……とにかく、動きまくってました。

もちろん、好意があったからこそできたこと。でも、振り返ると、私はすでに“尽くすモード全開”。

日本語が話せない外国人で猫を飼育しているとなると、物件探しがどれほど大変か・・・・物件探しをしたことがある方は分かると思います。

なお、彼は言語交換アプリで知り合った他の日本人2名に、内見・契約立会いを依頼していました。つまり、ほぼすべてを、日本人に頼っていたのです。


到着後の肉体労働

空港からホテルまでは、私の体重よりも重そうなトランクを一緒に運びました。

翌日はホテルから駅の荷物預かり所へ、そしてまた別の場所へ。預かり所を探して1時間近く歩いたのも含め、まさに肉体労働の連続。
これは合計3日間あり、一体何時間、巨大で激重のスーツケースを持ち歩いたかわかりません。

彼は一時ホームレスに

家の契約が間に合わず、彼はしばらくホームレス状態に。

IDを見せてくれたのですが、住所欄は「未定」と書かれている・・・。

私の家に泊めるスペースはなく、更に家の内見や契約の立ち合いをしてくれた友人も泊めてはくれなかったようです。

彼はマンガ喫茶に泊まっていました。
滞在先がない1週間の間、私は4回彼と会い、ご飯を食べたりスカイツリーに行ったりしました。

ちなみにその間の食事代は、彼が払ってくれました。「これはデート?」と錯覚しそうになるけれど、どこか“感謝”というより引っ越しの手伝いをしてくれたお礼、つまり義務感が漂っていたのも事実。


「言ってることとやってること違くない?」と感じた瞬間

彼はこんなことを言っていました。
「人に頼るのは好きじゃない。だから君にも交通費を渡したんだ」

実際、少し多めのAmazonギフト券をくれたのは事実です。でもその一方で、ほとんどのことは日本人に任せていました。
そして・・・
「ありがとう」
「助かったよ」
……といった、シンプルな感謝の言葉は一度もありませんでした。

「頼らない」と言いながら、実際は思いきり頼っている彼。

なんというか、こちらの気持ちがどこにも着地しないまま、労力だけがふわふわと空中を漂っていく感じ。
小さなズレ。でも、そのズレが積もると、やがて心を重たくしていくのです。

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