労災保険は適用できる?在宅勤務者の就業規則や労働管理

                                                                  在宅勤務者は会社勤務と異なる部分が多い。労災保険をはじめ、就業規則や労働管理などをどうするべきか解説します。

企業での在宅勤務とは

・ネット環境を利用し、通勤せずに自宅で仕事をする働き方
・会社との連絡はメールや電話、チャットなどを使用する
・国が推進している「テレワーク」の中にも在宅勤務が組み込まれている
・本人の事情に応じて部分的に導入するなど実施方法はさまざま。例えば介護や育児、ケガのリハビリなど一時的に通勤が困難な場合など

在宅勤務を導入する前に研修をしておくべきか?

・日本の場合、企業雇用者での在宅勤務はまだ普及率が低いため、必要性や理解を深める意味で該当者だけでなく上司や同僚を含む研修は必要
・必要に応じてコミュニケーションツールなどの研修も行う
・管理職の理解は特に重要。評価や業務管理、コミュニケーション(正しい業務伝達)について疑問を解消しておく

労働法の問題や就業規則について

労働法が適用されるため、就業規則の変更が必要になります。
・労働条件を明確にする(就業場所の明示)
・労働時間を把握する(労働日ごとの始業と終業時間)
・業績評価や人事管理(会社勤務と異なる規定を設ける場合は就業規則の変更が必要)
・通信費などの利用負担(従業員負担か企業負担か決める)
・社員教育(社内教育や研修制度)

勤務中の健康管理や労災保険の適用について

・在宅勤務でも健康管理や環境の整備を配慮することは必要。「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン(平14.4.5基発第0405001号)」に留意しながら助言を行う
・定期的な健康診断、会社規模に応じてストレスチェックの実施
・労災が認められるケースもあるため、労災保険の準備は必要
・労災に関して基本的に通勤はないが、モバイルワークや施設利用型勤務の場合は通勤災害が適用される場合もある

セキュリティ対策とルールの策定について

・会社用パソコンの持ち出しは、情報漏えい対策を考えたセキュリティ確保を徹底させる。私的な使用を制限する
・私物のパソコンの使用にはBYODとリモートデスクトップ方式を併用したセキュリティが利用できる
・総務省の「テレワークセキュリティガイドライン」を参考に策定は必要

勤務中の光熱費等の負担について

・情報通信機器(パソコンなど端末は会社負担が多い)
・通信回線費用(ケースによるが工事費用から会社負担する場合は多い)
・文具、備品、宅配便等の費用(会社負担が多く、立て替えの精算方法のルールが必要)
・水道光熱費(勤務手当に含めているケースが多い)
・基本的なルールを決めておく必要がある

国の支援制度について

・在宅またははサテライトオフィスで就業するテレワークを実施する中小企業事業主が対象
支給対象になる事業主の条件
・業種(飲食店を含む小売業、サービス業、卸売業、その他)
・資本金(飲食店を含む小売業とサービス業は5000万円以下、卸売業は1億円以下、その他は3億円以下)
・労働者数(飲食店を含む小売業は50人以下、サービス業と卸売業は100人以下、その他は300人以下)
・支給対象になる取り組み(テレワーク用の通信機器の導入または運用、保守サポート、クラウドサービス、就業規則や労使協定等の作成または変更、研修や周知、コンサルティングのいずれか1つ以上)
・支給額(取り組みにかかった経費を対象に達成したら4分の3、未達成は2分の1の額)
・支給額の上限(達成の場合:社員1人当たりの上限は20万円、企業の上限は150万円、未達成の場合:社員1人当たりの上限は10万円、企業の上限は100万円)

助成金や国の支援制度など相談窓口について

<東京都の相談窓口>
・在宅勤務の導入でわからないことがある場合は「テレワーク相談センター」が用意されている
・連絡先電話(0120-970-396)
・メール(suishin@japan-telework.or.jp)
・対応時間(9〜17時、土日祝と年末年始を除く)
https://www.tw-sodan.jp
<東京都以外の相談窓口>
・在宅勤務の導入でわからないことがある場合は「テレワーク相談センター」が用意されている
・連絡先電話(0120-91-6479)
・メール(sodan@japan-telework.or.jp)
・対応時間(9〜17時、土日祝と年末年始を除く)

まとめ

在宅勤務を導入する際、経営者や人事担当者が抱えやすい疑問を中心に解説してきましたが、導入に当たって困ったことが発生したときには「テレワーク相談センター」に相談してみましょう。